サイバー攻撃による企業の被害は平均7億円で過去最多 IBM調査

通勤で混雑する品川駅前=東京都港区(鴨川一也撮影)
通勤で混雑する品川駅前=東京都港区(鴨川一也撮影)

2024年2月までの1年間にサイバー攻撃などでデータを侵害された企業の平均被害額は、前の同じ時期に比べ10%増え、過去最多の488万ドル(約7億円)になったことが5日、米IBMの調査で分かった。日本国内の企業の平均被害額も過去最多で、5%増の6億3千万円だった。

日本、米国、ドイツなど16の国・地域でデータ侵害に遭った604社の状況を調べた。このうち日本企業は42社。事業中断による損失や、顧客対応などの費用増が被害額を押し上げた。平均被害額は国・地域別では米国の936万ドル、業種別では医療の977万ドルがそれぞれ最も多かった。

データ侵害を検知してから封じ込めまで平均258日かかっていた。セキュリティー業務に人工知能(AI)を導入している企業は封じ込めまでの日数が平均より短く、セキュリティーに精通した人材が極端に不足している企業は被害額が平均を大幅に上回った。

IBMの担当者は「セキュリティー技術に関する社内教育の充実やAI導入がサイバー攻撃への有効な対策になる」と話した。

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