Help:文
このページの要点:
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ウィキデータでは概念、話題、オブジェクトといったものは項目で表現されます。それぞれの項目にはそれ自身のページが与えられます。ある文(Resource Description Framework (Q54872) グラフ形式:主語-述語-目的語)は、ある項目について私たちが知っている情報(私たちがその項目について持っているデータ)をウィキデータに記録したものです。これはプロパティを少なくともひとつの値とペアにすることで実現します。このペアは文の中核となるものです。文はまた、追加の値の他にも、オプションの修飾子、出典、ランクなどによって発展させ、注釈付けし、コンテクスト化(文脈を明示)することができます。文はまた、項目を相互に接続することによって、リンクトデータ構造を作り出します。
言語 | 項目 | プロパティ | 値 |
---|---|---|---|
英語 | Marie Curie | occupation | physicist |
ドイツ語 | Marie Curie | Tätigkeit | Physiker |
フランス語 | Marie Curie | occupation | physicien ou physicienne |
ポーランド語 | Maria Skłodowska-Curie | zajęcie | fizyk |
Q7186 | P106 | Q169470 |
例:
- マリ・キュリーの職業についての情報をウィキデータに含めるためには、マリ・キュリーに対する項目であるMarie Curie (Q7186)に文を追加する必要があるでしょう。プロパティoccupation (P106)を使い、physicist (Q169470)という値を追加できるでしょう。chemist (Q593644)という値を追加することもできます。化学者と物理学者は両者ともウィキデータにそれ自身のページがあり、それゆえにマリ・キュリーはこれらの項目にリンクできる、ということに注意してください。
言語によらない一般的な原則
文とは、例えば「場所:ドイツ」といったプロパティと値のペアからなるものです。
文の中のプロパティはデータの値を記述するもので、「色」、「人口」、「コモンズ・メディア」(ウィキメディア・コモンズにホストされているファイル)といったデータのカテゴリと考えることができます。文の中の値は項目を記述する実際のデータ部分です。
文はまた、修飾子、情報源、ランクなどのオプションを追加して、注釈付けしたりコンテクスト化(文脈を明示)したりして発展させることができます。情報源やランクを除く文の中核部分は「主張」と呼ばれます。修飾子がない主張は「スナック(snak)」とも呼ばれます。
つまり、情報源 (出典) やランクとともに、修飾子を使用することで、単純なプロパティと値のペアだけでできる表現を超えて、文を拡張したり、注釈を付けたり、文脈を付加したりすることを可能にします。
構造はプロパティと値であり、すべての値にオプション (ランク、修飾子、情報源) が存在します。
プロパティ
ウィキデータの各プロパティには、あらかじめ定義されたデータ型が割り当てられており、値として追加できるものが制限されています。例えば、プロパティ「色」の値として追加できるのは項目のみ、プロパティ「人口」の値として追加できるのは数値のみ、プロパティ「画像」の値として追加できるのはウィキメディア・コモンズで閲覧可能な画像ファイルのみです。
プロパティの使い方についてのより詳細な情報は、Wikidata:Propertiesをご覧ください。
値
複数の値
項目に、複数の値をとるプロパティ(ある人の子供、ある国の公用語など)がある場合は、それぞれに複数の値を追加できます。
これに対して、ある項目が理屈の上では唯一の値を持つ(都市の人口など)はずであっても複数の値がある場合(例えば、様々な情報源が異なる数字をレポートしているなど)には、修飾子を追加しながら全ての値を追加しても構いません。修飾子は文に付与されたプロパティの値を詳述したりより正確に記述したりするのに使用されます。より詳細な情報はHelp:修飾子を参照してください。
不明な値または値なし
ある項目が、あるプロパティについて、値がない(そのプロパティがない)か、値が不明である場合があります。その項目に関する重要な情報を提供する場合、値なし、不明な値といったデータがウィキデータに記録されるべきです。例えば、Elizabeth I of England (Q7207)のchild (P40)プロパティの値は値なしです。また、William Shakespeare (Q692)のdate of birth (P569)の値は不明な値です。これにより、その情報が保存されていないことを積極的に表明することができます。
不明な値には、値が知られているものの、現在のところそれに対するウィキデータの項目がない場合もあります。しかしこの場合、情報価値を満たしているならば、その項目を作成することを強くお勧めします。
ウィキデータ内の値の大多数はカスタム値であり、通常の方法で入力します。「不明な値」と「値なし」は、値の入力欄の脇にあるこのアイコンをクリックすると文に追加されます。このアイコンは、不明な値、値なしをカスタム値に戻したい場合にも使用します。
項目による値
ウィキデータにおいて、最もありふれた値は項目です。これはプロパティがウィキデータの他の項目を参照しているという意味になります。例えば、Albert Einstein (Q937)のinstance of (P31)はhuman (Q5)という文があります。これは、Albert Einstein (Q937)に対するinstance of (P31)プロパティの値は項目human (Q5)だということになります。もしプロパティに対する項目がまだ存在しないなら(もしAlbert Einstein (Q937)が何らかのエイリアンであるというのであれば)、いつでも新しい項目を作ることができます。
数量値
量的な値を追加する際には、次のような制約に注意してください。ウィキデータで使える最大の正の整数は9e124
で、最大の負の整数は-9e124
です。浮動小数点数では、小数点以下1桁の追加により9,9e124
はサポートされますが、9,91e124
は使えません。最小の正および負の数は1e-124
と-1e-124
です。浮動小数点数では指数部が123にしかできないことにより、最小の正および負の浮動小数点数は1.0e-123
および-1.0e-123
となります(ゼロは値の精度の指標として維持されることに注意してください。これを1e-123
を入力した場合と比較してみてください)。
検証可能な情報のみを追加する
ウィキデータは世界についての「事実」を集めるデータベースではなく、そのような知識に対する出典を収集しリンクする二次的な知識ベースです。これは、ウィキデータがドイツの人口は実際どれだけなのかを述べているわけではなく、単にThe World Factbook (Q11191)のような特定の情報源に「依拠して」ドイツの人口についての情報を提供しているだけであるということを意味しています。
このように、たいていの文は書籍や科学文献や新聞記事のように出典をたどれる情報源によって検証可能であるべきです。ウィキデータにおいて、出典は文の中で提供されているデータの後ろ盾となる特定の情報源を指すために使われています。詳細はHelp:Sourcesを参照してください。
多数意見とコンセンサス
文は本質的に出典をたどれる情報源を指し示しており、異なる情報源は反対の情報を提供していることがあるので、ウィキデータでの多数意見を表すことができます。
論争が起こると、コミュニティのコンセンサスでプロパティの値を決定しますが、他の観点も情報源と適切な修飾子がある限り、値を追加することができます。ランクもまた使うことができます。コンセンサスがある場合は、推奨として示すべきです。ランクについての詳細はHelp:ランク付けを参照してください。
論争はその項目の議論ページで行ってください。値を直接書き換える編集合戦は受け入れられません。
曖昧さ回避および他の非項目ウィキメディアのページ
ウィキデータの項目がウィキメディアのページの主題ではなく、ウィキメディアのページ自体に言及している場合は、instance of (P31)プロパティを使用してページの種別をはっきりさせるべきです。これには標準名前空間以外にあるカテゴリ、テンプレート、その他のページが含まれます。
すべての曖昧さの回避ページ項目には、'instance of (P31):Wikimedia disambiguation page (Q4167410)'という文が必要です。
例:
ウィキペディアのページが複数の概念、オブジェクト、または事物を取り扱っており、それらを組み合わせたものが一貫した主題である場合、'has part(s) (P527)'を使用して個々の概念、オブジェクト、物事に対するウィキデータのページへリンクします。組み合わせが一貫したものではなく、複数の概念、オブジェクト、または事物が混在している場合は、代わりに'instance of (P31) Wikipedia article covering multiple topics (Q21484471)'と個々の構成要素に対して'main subject (P921)'を使用します。この場合はhas part(s) (P527)を使用しないでください。詳細については、Help:Modelling/Wikipedia and Wikimedia concepts § Compound Wikipedia articlesを参照してください。
除外の基準
ウィキデータの文は信頼できる中立的な出典を情報源とし、含むべきです。
次のような種類の情報はウィキデータの文として追加すべきではありません:
- 生存している人物についてのセンシティブな個人情報を含んだり、開示している文。詳細はWikidata:Living peopleを参照
プロパティの順序
文と修飾子の表示順序に意味はありません。それらは文や修飾子が追加された日付順に表示されるだけです。
ウィキデータでは、現状の設定は以下に分けられます。
- 項目において: 外部識別子を持つプロパティはページ下部、その他すべてのものはページ上部。
- プロパティにおいて: プロパティ制約に関するプロパティはページ下部、その他すべてのものはページ上部。
さらに、プロパティがMediaWiki:Wikibase-SortedPropertiesに列挙されている場合は、このページにおける順序に従って並べ替えられ、列挙されていないすべてのプロパティは追加された日付順に並びます。
プロパティに対する文の順序
同じプロパティに対して複数の文がある場合、追加された順序で表示されます。例:Q60#P1082はいくつかの年について値を持ちます。
ウィキデータクエリサーバに問い合わせ(クエリ)したとき、この順序かあるいはそれ以外の順序で現れるかもしれません。特定の順序にするには、他のフィーチャーを使わなければなりません:
- 文のランク
- series ordinal (P1545)、ranking (P1352)そしてpoint in time (P585)のような修飾子
- 値
- あるいは、もし値が項目であるならば、値として使われているその項目にある何らかの文
注目度の高い項目では、文の表示順序を変更したくなるかもしれません。これは、他の機能が存在していることを確認した後、rearrange values.js (Q106683950)を実行する必要があります。このスクリプトはガジェット化されたため、個人設定で有効化できます。文を並べ替えるために文を削除して再作成することは避けてください。
日付または系列順序の修飾子を持ついくつかの複数値プロパティに対して、ウィキデータコミュニティは文を入力後に自動的に並べ替える機能の開発を提案しました。例:人口データを年の順序で表示する(場所に関する多くの項目がこのような数字を持っており、それらを手動であるいは個別に並べ替えることは無意味です。)
文の追加
文は項目のページに追加されます-この場合、Marcel Bouix (Q16775650) に対して-次のように行います:
修飾子、情報源、ランクを追加するときは、適切なヘルプ文書を参照してください。
関連項目
関連するヘルプページは以下を参照:
- Help:Properties - プロパティとは何であり、どのようなルールに従うのかについての解説
- Help:Sources - 情報源とは何であり、どのようなルールに従うのかについての解説
- Help:Qualifiers - 修飾子とは何であり、どのようなルールに従うのかについての解説
- Help:Ranking - ランクとは何であり、どのようなルールに従うのかについての解説
- Help:QuickStatements - QuickStatementsツールを用いたバッチで文を追加する方法の解説
追加情報と手引きは以下を参照:
- 井戸端 - ウィキデータに関する、あらゆる事項についての議論
- Wikidata:Glossary - ここや他のヘルプページで使用されている用語の用語集
- Help:FAQ - よくある質問と、ウィキデータ・コミュニティによる回答
- Help:Contents - ウィキデータに関する解説を集めたヘルプ・ポータル