読売演劇大賞・最優秀作品賞で野田秀樹さん「初戯曲を書いて５０年、感謝込めありがとう」

　第２９回読売演劇大賞（読売新聞社主催、日本テレビ放送網後援）の贈賞式が２５日、高円宮妃久子さまをお迎えし、東京都千代田区の帝国ホテルで行われた。

　老川祥一・読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆代理が「来年３０年という大きな節目を迎える。さらに多くの方に愛され、親しまれる賞になるよう力を尽くす」とあいさつ。久子さまは「新型コロナウイルスに負けることなく、厳しい時代だからこそ劇場を開け、舞台を作り、立ち続けておられる皆さまに演劇ファンを代表して心より感謝申し上げたい」と激励のお言葉を贈られた。

　大賞・最優秀作品賞はＮＯＤＡ・ＭＡＰ「フェイクスピア」。作・演出の野田秀樹さんに佐藤忠良氏制作のブロンズ像「 蒼穹（そうきゅう） 」と、副賞２００万円が授与された。手がけた舞台が大賞に輝くのは３回目で、野田さんは「１９７２年に初戯曲を書いてちょうど５０年。（主演の）高橋一生さんをはじめキャスト、最高のスタッフに囲まれています。５０年分の感謝を込めてありがとうございます」と喜びを語った。

　最優秀男優賞はフェイクスピア主演の高橋一生、同女優賞は緒川たまき、同演出家賞は上村聡史、同スタッフ賞は伊藤雅子、杉村春子賞（新人賞）は那須 凜（りん） 、芸術栄誉賞は本多劇場グループ、選考委員特別賞は「桜姫 東文章（あずまぶんしょう） 」（松竹）の各氏、団体、作品。ブロンズ像と副賞１００万円がそれぞれ贈られた。

　感染拡大を防ぐため、祝賀パーティーを見合わせ、招待客を制限するなどの対策を講じた上で式典を行った。

　贈賞式の模様は「読売新聞オンライン」で後日、配信する予定です。