都市伝説になった「先駆者説」、風見しんごがブレイキンをテレビに出すまで…大物「何がやりたいんだ」

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 だが、風見さんの当時のバックダンサーは、後に国内で有数のブレイキンの大会を主催したり、お茶の間で火がついたブレイキンの技術を若い世代に伝えていったりした。こういった地道な活動がブレイキンをただの流行で終わらせず、ダンスカルチャーとして国内に定着させた。今では、世界大会の上位入賞者を輩出する「ブレイキン大国」の礎を築いたかつての仲間たちには「本当にうれしいし、感謝している。彼らが広めてくれたからこそ今の日本のブレイキンがある」と風見さんは語った。

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パリ五輪のブレイキンでメダルの期待がかかるShigekix(左)
パリ五輪のブレイキンでメダルの期待がかかるShigekix(左)

 語学留学への渡米前、日本のブレイキンの男子エースShigekix(半井重幸、21)とテレビで共演した。「風見さんはレジェンドですから」。屈託なく語る彼の言葉がむずがゆくもうれしかった。「同じように動けるわけはないですから。若い世代が僕に合わせてくれて……。彼は僕より1万倍すごい技を出すんですけどね」と“後輩”たちとの交流を嬉しそうに話す。

 「僕らの時には“ヤンチャ”な人たちが踊っていただけだったけど、今の若者は 真摯(しんし) にブレイキンに向き合っていますよね。単発で出すしかなかった技も今は連続技が当たり前。比べものにならない」と手放しで称賛する。

 そのブレイキンがいよいよ来年パリで五輪に「デビュー」する。「ブレイキンってストリートのカルチャーですよね。その歴史的な背景やカッコイイという部分が五輪競技になったらどうなるのか……」。還暦を過ぎたベテランタレントだが、一方で生粋のB-BOYでもある風見氏にとっても、ブレイキンが競技スポーツの世界でどのように変化し、新たに発展をするのか予想もつかない。

 ただ、日の丸を着けてステージに上がる若いブレイカーの雄姿を楽しみにしていることだけは確かだ。「ブレイキンのことを知らない人たちが見てくれる絶好の機会。高齢者になってもブレイキンを踊ってくれる人が出てくればいいな」と胸を膨らませる。

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4520245 0 アクションスポーツ 2023/09/09 10:00:00 2023/09/09 10:00:00 2023/09/09 10:00:00 /media/2023/09/20230904-OYT1I50075-T.jpg?type=thumbnail

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