ハードロックとは、
概要
ハードロックのパワーコードや重いリフの起源は1950年代60年代のブルースやロカビリー、ロックンロールに端を発する。
1960年代半ばにはロックミュージックは急速に進歩していき、より大音量でディストーションが効いたギターサウンド、叫ぶようなシャウト唱法、よりスピードアップしたテンポの曲が演奏されるようになった。特にブルースとロックがフュージョンされたような楽曲を得意とするミュージシャンたちに、その傾向は顕著で、彼らはブルース・ロックとも称されていた。
当時それを実践しようと試みたのがヤードバーズ、キンクス、ザ・フー、クリーム、ジミ・ヘンドリックス、ブルー・チアー、アイアン・バタフライなどであった。
ギター奏法では大胆なアーミング、速弾きなどが用いられ、より過激に、よりストレートに感情をサウンドに乗せ炸裂させる表現が試行錯誤された。これらがハードロックの直接的な原型となった。初期のこれらのハードロックと見分けがつかないほどのヘヴィロックとなった彼らを、ブルース・ハードロックと呼ぶ場合もある。
続く本格的なハードロックのブームを一気に盛り上げた最高の立役者は、ヤードバーズの後継であったレッド・ツェッペリンだったといえよう。彼らは成功し最初のスタジアム・ロック・バンドになった。
それにより初期はサイケデリック指向のアート・ロックであったディープ・パープルが、ハードロックに転向、さらに後にヘヴィメタルの始祖とも形容されたブラック・サバス、オペラやクラシックの要素をも大胆に取り込んだクイーンなど魅力的な新興のアーティストが次々と台頭していった。
さらにアメリカでもブルース・ロックとファンク的要素を兼ね備えたエアロスミス、ド派手なコスチュームとステージパフォーマンスで視覚的にも観衆に衝撃を与えたキッスなどが人気を博し、ハードロックはロックミュージックの主流にまでなった。
このハードロックをさらに過激にしようとしたジャンルががヘヴィメタルだともいえるが、ハードロックとヘヴィメタルの境界線は非常に曖昧であり、1970年代当時にヘヴィメタルだと評されたパイオニアにあたる古典的なバンドが、現代の感覚ではヘヴィメタルとは思えずハードロックの範疇に思えるなど、時代によってその認識はあいまいである。
ヘヴィメタルはハードロックの一部だと考えても支障はない。これら2つのジャンルをひとくくりにしてHR/HMと表記する事も一般的である。
実はハードロックという形容は1970年代半ば頃から一般化しており、それ以前の1960年代にはもう既にヘヴィメタルという言葉があり、現代ではハードロックとされているアーティストがヘヴィメタルと形容される場合も多かった。
またメディアではレッド・ツェッペリンやブラック・サバスなどをアシッドロックという言葉で表わす例もあり、70年代半ばまではあまり一般的なワードとはいえなかった。
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関連項目
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