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浜美枝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
はま みえ
浜 美枝
浜 美枝
『映画情報』1965年2月号(国際情報社)より
本名 金子 三枝子
生年月日 (1943-11-20) 1943年11月20日(80歳)
出生地 日本の旗 日本・東京[1]
身長 164 cm
職業
ジャンル
  • 映画
  • テレビドラマ
  • ラジオ
活動期間 1960年 -
配偶者 金子満[1]
主な作品
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浜 美枝はま みえ[3][4]1943年昭和18年〉11月20日[出典 1] - )は、日本女優東京都出身[3][5]神奈川県在住[7]。本名、金子三枝子[8]。夫はプロデューサーの金子満

来歴

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中学卒業後、東京急行電鉄(東急)自動車部(現在の東急バス)に入社し、路線バスの車掌として勤務[9]1959年東宝映画『侍とお姉ちゃん』のコンテストに応募したのがきっかけで東宝に入社する[1][10][注釈 1]

1960年、16歳の時に映画『若い素肌』で女優デビュー[5]。同年には同い年の星由里子田村奈巳と共に「東宝スリーペット」(命名者は夏木陽介)として大々的に売り出される[出典 2]

1962年

お嬢さんイメージの強い東宝女優の中では活発さが持ち味で、団令子の後継者的なポジションに位置する[10]。『クレージー映画』の常連マドンナとしても知られ、主に植木等の相手役を務めた[2]。コケティッシュな日本人離れした役柄を得意とし[11]、女スパイや殺し屋などはおろか、さらには国際謀略団の女帝までチャーミングに演じた。

フランス制作のオムニバス映画『世界詐欺物語フランス語版』の「日本編」(監督:堀川弘通)に出演。ウーゴ・グレゴレッティ、クロード・シャブロルロマン・ポランスキージャン=リュック・ゴダール、堀川ら監督5人による『世界詐欺物語』は1964年5月上旬にパリのプレミアショーで上映され、浜はその挨拶のために渡仏した。日本編を見たゴダールは、ロケハンのためにヨーロッパを訪れていた東宝の藤本真澄に対し、浜を次回作に使いたいと申し出た。浜は藤本とともに同月のカンヌ国際映画祭に出席し、カンヌでゴダールと会った。結局、浜の出演は実現せず、同年6月から撮影が開始された『恋人のいる時間』の主役はマーシャ・メリルが演じた[12]。『世界詐欺物語』は、日本ではゴダールの監督部分を除いて同年10月に公開された(ゴダールの監督部分は、『立派な詐欺師』の題名で短編映画として1966年に単独公開された)。

1966年4月28日、ゴダールが初来日。滞在期間中のゴダールに浜は2回会い、5月6日は成城の自宅でパーティーを開いた[13]

1967年公開の007シリーズ007は二度死ぬ』(共演:ショーン・コネリー丹波哲郎)ではボンドガール役を演じ[14][15]、国際的名声を得る[出典 3]。この配役は『キングコング対ゴジラ』を観て浜を知ったスタッフからの若林映子と併せての指名だったという[10][5]。この配役からハーフと思われることも多いが、本人は純粋な日本人である[1]

東宝が専属契約制を打ち切った1970年に退社[10]。以後はテレビでの女優業のかたわら、『小川宏ショー』(フジテレビ)、『八木治郎ショー・いい朝8時』(毎日放送[16][17]、『日曜美術館』(NHK)などのテレビ番組の司会や、『脱線問答』(NHK)にレギュラー出演するなどで活躍。そのほか、ラジオ番組では『浜美枝のいい人みつけた』(朝日放送TBSラジオほか)、『浜美枝のあなたに逢いたい』(文化放送)、『ニューモラルツーユー今日もありがとう』(ニッポン放送)のパーソナリティを務めた。

ライオンの洗濯用洗剤「トップ」のイメージキャラクターを長年務めたことでも広く知られる[10]ほか、1979年から1982年にかけて東京ガスのテレビCM・ポスター・カタログ・新聞広告にイメージキャラクターとして登場していた。

1990年代初頭に女優業は実質引退した[10]。浜本人は、女優人生は本意でなく、世界各国を見聞して環境などをテーマにするコメンテーターになりたかったという[10]。映像民俗学者の姫田忠義に師事し、女優引退後は環境・農・食問題について研究するライフコーディネーターとしても活躍している[10]ほか、エッセイ集も数十冊出している。

その後、ラジオ番組『浜美枝のいつかあなたと』(文化放送)のパーソナリティを務めているほか、国土庁農林水産省食アメニティを考える会会長をはじめ、農政ジャーナリストとして各種委員会のメンバーを務めている。2010年には、近畿大学が新設した「総合社会学部」の客員教授に就いた。

人物

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  • 柳家小三治の大ファン。前売券を買うために自ら行列に並び、電話もかける[18]
  • 『007』や『キングコング対ゴジラ』で共演した若林映子とはプライベートでも仲が良く、食事を共にすることも多かったほか、若林が浜の家に泊まることもあったという[19]
  • 『キングコング対ゴジラ』で共演した佐原健二は、浜について「バーンとぶつかってくる方」と評しており、感情的な演技で勢いよく来るため、佐原はただ受け止めるだけになり、リードされている感覚であったと述懐している[20]
  • 東宝で助監督を務めた谷清次は、浜はプールで水着になるシーンの撮影を嫌がっていたこともあったと証言している[21]

主な出演

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映画

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キングコング対ゴジラ』(1962年)
暗黒街全滅作戦』(1965年)

テレビドラマ

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その他のテレビ番組(上記以外)

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ラジオ

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テレビCM

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DVDコメンタリー

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  • 『ホラ吹き太閤記』(東宝ビデオ)

著書

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  • 『やまぼうしの花咲いた : 浜美枝の育児エッセイ』文園社、1982年6月1日。NDLJP:12106832 
  • 『逢えて、よかった : 浜美枝の手づくり紀行』文化出版局、1983年3月19日。NDLJP:12276524 
  • 『浜美枝の「いい人みつけた」』文園社、1984年12月1日。NDLJP:12256665 
  • 『浜美枝のマナーはおしゃれに ひとに好かれる魅力の心得』開隆堂出版 1986
  • 『花織の記 浜美枝の自分探しエッセイ』文園社 1992
  • 『毎日の幸せおかず 娘たちへ』講談社 1994
  • 『四季の贈りもの』PHP研究所 1996
  • 『「美しい暮らし」を探す旅人』福原義春共著 求龍堂 福原義春サクセスフルエイジング対談 1998
  • 『旅のおみやげ 2』TaKaRa酒生活文化研究所 酒文ライブラリー 2000
  • 『旅のおみやげ』TaKaRa酒生活文化研究所 酒文ライブラリー 2000
  • 『正直な作り手の味』集英社be文庫 2002
  • 『浜美枝農と生きる美しさ』家の光協会 2003
  • 『私の骨董夜話 人との出会い、ものとの出会い』リヨン社 2005
  • 『やさしくて正直な「食の作り手」たち』家の光協会 2006
  • 『子どもの「おいしい!」を育てる 大切にしたい親子の食卓』すばる舎 2007
  • 『浜美枝凛として、箱根暮らし』主婦の友社 2009
  • 『孤独って素敵なこと』講談社, 2016.

脚注

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注釈

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  1. ^ 当時、東急を核とする東急グループでは、東宝のライバル会社である東映がグループ内に存在していたが、浜の東宝への引き抜きに際しては特に支障もなく行われた。
  2. ^ 英語のセリフはモニカ・ヴァン・デル・ジルが吹き替えをした。
  3. ^ マカロニ刑事に宛てた書き置きには“小林房江”。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h 『日本の女優100人 写真とエピソードで見るヒロインたちの肖像』宝島社〈別冊宝島2551〉、2017年、63頁。ISBN 978-4800268891 
  2. ^ a b c d 超常識 2016, p. 121, 「Column ゴジラ映画 俳優FILE」
  3. ^ a b c d e f g h i j 東宝特撮映画全史 1983, p. 533, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
  4. ^ a b c ゴジラ大百科 1993, p. 127, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
  5. ^ a b c d e 東宝特撮女優大全集 2014, pp. 80–82, 文・石熊勝己「浜美枝」
  6. ^ a b c 野村宏平、冬門稔弐「11月20日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、329頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  7. ^ 「日常が一日も早く戻ってほしい」浜美枝さん、沖縄の観光功労者表彰を報告”. 2023年5月11日閲覧。
  8. ^ 『読売年鑑 2016年版』読売新聞東京本社、2016年、555頁。ISBN 978-4643160017 
  9. ^ 『東京急行のバス達 1950-1970年代の車両』ぽると出版〈バスラマアーカイブス03〉、2013年、49頁頁。ISBN 978-4899803034 
  10. ^ a b c d e f g h i 増當竜也 (2016年2月21日). “日本を代表するボンドガール浜美枝”. シネマズ. 松竹. 2016年10月20日閲覧。
  11. ^ a b ゴジラ画報 1999, p. 106, 「Bonus Column 東宝美女軍団3 にゃんにゃん浜美枝」
  12. ^ アラン・ベルガラ 著、奥村昭夫 訳『六〇年代ゴダール―神話と現場』筑摩書房〈リュミエール叢書〉、2012年9月25日。ISBN 978-4480873194 
  13. ^ 柴田駿白井佳夫「ゴダール監督の日本の10日間」 『キネマ旬報』1966年6月上旬号、50-54頁。
  14. ^ 浜美枝(インタビュアー:マーティン・ファクラー)「元ボンドガール浜美枝がNYタイムズに登場 - ショーン・コネリーの秘話からスターとしての葛藤まで語り尽くす」『クーリエ・ジャポン』、講談社、2017年5月14日https://courrier.jp/news/archives/85416/2023年10月9日閲覧 
    Martin Fackler (2017年3月3日). “Going From Bond Girl to ‘a Normal Life’”. ニューヨーク・タイムズ. https://www.nytimes.com/2017/03/03/movies/going-from-bond-girl-to-a-normal-life.html 2023年10月3日閲覧。 
  15. ^ The Japanese Greta Garbos? / 50th Anniversary 1967–2017」『JAMES BOND 007 MAGAZINE』2017年。2023年10月9日閲覧。
  16. ^ a b 『企業と広告』第8巻第4号、チャネル、1982年4月1日、45頁、NDLJP:2852989/25 
  17. ^ a b 日本民間放送連盟(編)「制作ノートから(101) 毎日放送『すてきな出逢い・いい朝8時』 「番組は人なり」の基本姿勢で / 本多隆朗」『月刊民放』第21巻第2号、日本民間放送連盟、1991年2月1日、31 - 33頁、NDLJP:3471062/16 
  18. ^ 浜美枝 (平成23年9月28日). 佐藤友美. ed. 私と落語 落語と私. 東京かわら版 平成23年10月号. p. 3 
  19. ^ キンゴジコンプリーション 2021, p. 83, 「キャストインタビュー 若林映子」
  20. ^ 別冊映画秘宝編集部 編「佐原健二(構成・文 友井健人/『宇宙船116号』〈朝日ソノラマ2005年〉と『初代ゴジラ研究読本』などを合併再編集)」『ゴジラとともに 東宝特撮VIPインタビュー集』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年9月21日、60頁。ISBN 978-4-8003-1050-7 
  21. ^ キンゴジコンプリーション 2021, p. 90, 「スタッフインタビュー 谷清次」
  22. ^ 放送ライブラリー 番組ID:R00530
  23. ^ 『東京ガス 暮らしとデザインの40年 1955→1994』1996年2月1日発行、株式会社アーバン・コミュニケーションズ。128頁-131頁

出典(リンク)

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参考文献

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外部リンク

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