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西舘勇陽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西舘 勇陽
読売ジャイアンツ #17
2024年3月9日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 岩手県二戸郡一戸町
生年月日 (2002-03-11) 2002年3月11日(22歳)
身長
体重
185 cm
79 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2023年 ドラフト1位
初出場 2024年3月29日
年俸 1600万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

西舘 勇陽(にしだて ゆうひ、2002年3月11日 - )は、岩手県二戸郡一戸町出身のプロ野球選手投手)。右投右打。読売ジャイアンツ所属。

経歴

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プロ入り前

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一戸町立一戸南小学校で3年生の時に野球を始め、一戸町立一戸中学校では軟式野球部に所属していた[2]

花巻東高等学校では1年夏からベンチ入りし、同校OBの菊池雄星大谷翔平に次ぐ「新怪物候補」として注目されたが、腰痛に苦しんだ[3]。2年春の第90回記念選抜高等学校野球大会に出場し、大阪桐蔭との準々決勝で大会初登板するも7失点し、チームも大敗した[4]。同年夏の第100回全国高等学校野球選手権記念大会にも出場し、下関国際との初戦で延長10回に勝ち越された直後に救援登板したが、チームはそのまま敗れた[5]。3年夏の岩手大会では当時の自己最速を更新する149km/hを計測した[6]。同大会で優勝し、第101回全国高等学校野球選手権大会に出場。鳴門との初戦で3回から救援登板するも6失点し、チームは敗れた[7][8]

高校卒業後は中央大学法学部法律学科へ進学[9]。2年秋のリーグ戦の後から、走者がいなくても常時クイックモーションで投げるスタイルに変更し、安定感が増した[10]。3年春のプレーオフで自己最速となる155km/hを計測し、同年秋のリーグ戦では63回1/3を投げて5勝を記録し、ベストナインに選出された[10]。大学の3学年上に牧秀悟五十幡亮汰、2学年上に古賀悠斗、1学年上に森下翔太北村恵吾、同期に石田裕太郎がいる[11]

2023年9月19日にプロ志望届を提出した[12]

2023年10月26日に開催された「ドラフト会議」において、1巡目で読売ジャイアンツ北海道日本ハムファイターズから1位指名を受け、読売ジャイアンツ監督で大学の先輩にあたる阿部慎之助と北海道日本ハムファイターズ監督の新庄剛志の両者によるクジ引きの結果、阿部が選択確定のクジを引き当てて西舘の入団交渉権を獲得した[13][14]。11月15日に契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円(金額はいずれも推定)で仮契約した[1]。背番号は17[1]。担当スカウトは円谷英俊[15]

巨人時代

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2024年の春季キャンプでは先発投手として調整していたものの開幕直前にリリーフ起用が決定した[16][17]。3月29日の阪神タイガースとの開幕戦で7回にリリーフとしてプロ初登板し、坂本誠志郎から初奪三振を奪うなど三者凡退に抑え[18]、プロ初ホールドも記録した[19][18]。4月25日の中日ドラゴンズ戦まですべて無失点での開幕から10試合連続ホールドを記録した[20][注 1]。4月26日の横浜DeNAベイスターズ戦で1点リードの8回から登板したが、2本の適時打で初失点を喫しホールド記録が途切れるとともに初の敗戦投手となった[21]。5月26日の阪神タイガース戦では、0-1で迎えた9回表に岡本和真が同点となる本塁打を放ち、同回裏から登板して1回を抑えると、同点延長の10回にチームが勝ち越したためプロ初の勝利投手となった[22]。26試合に登板し1勝2敗19ホールド、防御率3.57を記録していたが[23]、6月は月間防御率7.71と調子を落としており6月30日に出場選手登録を抹消された[24]。二軍降格後は先発起用の方針が示され[25]、正式に7月下旬より先発投手としてイースタン・リーグで3試合に登板。8月16日のDeNA戦で一軍でのプロ初先発が予定されていたが、台風接近により試合が中止となった[26][注 2]。延期を経て8月23日の中日戦でプロ初先発をしたものの、5回4失点で敗戦投手となり再度二軍降格となった[28]。二軍では9月までに先発9試合を含む10試合に登板して防御率1.40・奪三振率12.57を記録して[29]9月29日に再度一軍へ昇格した。昇格当日の東京ヤクルトスワローズ戦では6回から一軍では3か月ぶりとなるリリーフ登板をすると3回を投げ1安打6奪三振無失点と好投し、さらに20ホールド目も記録した[30]。最終的なリーグ成績は28試合の登板で1勝3敗1セーブ20ホールド、防御率3.82であった。

選手としての特徴

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走者がいなくてもセットポジションからクイックモーションで投球し、最速155km/hのストレートと、カットボールスプリットスライダーカーブを操る[31][32]。投球動作開始からキャッチャーが捕球するまで平均1.1秒と「超速クイック」と報道されている[33][32]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2024 巨人 28 1 0 0 0 1 3 1 20 .250 126 30.2 22 2 14 0 0 25 0 0 14 13 3.82 1.17
通算:1年 28 1 0 0 0 1 3 1 20 .250 126 30.2 22 2 14 0 0 25 0 0 14 13 3.82 1.17
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手












2024 巨人 28 1 6 0 0 1.000
通算 28 1 6 0 0 1.000
  • 2024年度シーズン終了時

記録

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初記録
投手記録
打撃記録
  • 初打席:2024年8月23日、対中日ドラゴンズ20回戦(東京ドーム)、2回裏に福谷浩司から投併殺打
その他の記録
  • 新人の10試合連続ホールド ※プロ野球タイ記録、田島慎二と並び史上2人目[20]
  • 新人の開幕から10試合連続ホールド ※プロ野球記録[20]

背番号

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  • 17(2024年 - )

登場曲

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脚注

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注釈

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  1. ^ 新人選手としては田島慎二と共にトップタイ、開幕からの連続記録としては初となった[20]
  2. ^ 大学同期の石田裕太郎とお互い先発投手として対戦予定であったが、実現しなかった[27]

出典

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  1. ^ a b c 【巨人】 ドラフト1位・西舘勇陽が最高条件で仮契約「1年目は1年間1軍に帯同したい」」『スポーツ報知』2023年11月15日。2023年11月17日閲覧
  2. ^ 西舘勇陽」『週刊ベースボールONLINE』。2023年10月26日閲覧
  3. ^ 花巻東・西舘勇陽5回完全…岩手もう1人の怪物候補 - 高校野球」『日刊スポーツ』2019年5月20日。2023年10月26日閲覧
  4. ^ 花巻東 対 大阪桐蔭 - スコア速報 - 第90回選抜高校野球(2018)」『日刊スポーツ』2018年4月1日。2023年10月26日閲覧
  5. ^ 下関国際 対 花巻東 - スコア速報 - 夏の甲子園2018」『日刊スポーツ』2018年8月9日。2023年10月26日閲覧
  6. ^ 花巻東・西舘149キロ 佐々木朗希を「意識」/岩手 - 高校野球夏の地方大会」『日刊スポーツ』2019年7月21日。2023年10月26日閲覧
  7. ^ 鳴門打線が10安打10点と爆発 プロ注目の花巻東・西舘を攻略」『スポーツ報知』2019年8月9日。2023年10月26日閲覧
  8. ^ プロ注目の花巻東・西舘、救援も6失点「上下のバランスが悪かった」」『スポニチ Sponichi Annex』2019年8月10日。2023年10月26日閲覧
  9. ^ 【2023秋季リーグ開幕直前インタビュー】第6回・4年生投手編」『中大スポーツweb』2023年8月30日。2024年6月10日閲覧
  10. ^ a b 【大学野球】 クイック投法から155キロ 独特の感性で成長を遂げた中大・西舘勇陽」『スポーツ報知』2022年12月21日。2023年10月26日閲覧
  11. ^ 西舘勇陽投手(法4)は読売巨人軍1位 石田裕太郎投手(経済4)が横浜DeNA5位 ダブル指名に歓喜の輪 プロ野球ドラフト会議」『中央大学』2023年12月15日。2024年6月16日閲覧
  12. ^ 中央大投手の西館(一戸中出)がプロ志望届」『デーリー東北デジタル』2023年9月19日。2023年10月26日閲覧
  13. ^ 【ドラフト】巨人が中大・西舘勇陽との交渉権を獲得! 日本ハムとの競合で当たりくじ」『サンケイスポーツ』産経デジタル、2023年10月26日。2023年10月26日閲覧
  14. ^ 【ドラフト】巨人阿部監督「後ろ任せられる可能性」ドラ1中大・西舘勇陽の守護神起用にも思い」『日刊スポーツ』株式会社日刊スポーツNEWS、2023年10月26日。2023年10月27日閲覧
  15. ^ 【巨人】西舘勇陽の担当・円谷英俊スカウト「去年と同じ」紺ネクタイ継承で球団初2年連続抽選勝利」『スポーツ報知』2023年10月27日。2024年4月27日閲覧
  16. ^ 【巨人】阿部慎之助監督、西舘勇陽に起用方針伝える「先発での力量を見てみたい。三振を取れる印象」」『スポーツ報知』2023年10月28日。2024年8月24日閲覧
  17. ^ 【巨人】 西舘勇陽が“7回の男”へ意気込み「大事な役割。0点に抑えるのは絶対」阿部監督が中継ぎ起用を明言」『スポーツ報知』2024年3月16日。2024年8月24日閲覧
  18. ^ a b c d 【巨人】新・勝利の方程式で反撃スキ与えず 7回西館勇陽、8回中川皓太、9回大勢でリード守る」『日刊スポーツ』2024年3月30日。2024年3月30日閲覧
  19. ^ a b 【巨人】ドラ1西舘が「7回の男」デビュー! 3者凡退でプロ初ホールドをマーク」『スポーツ報知』2024年3月29日。2024年3月29日閲覧
  20. ^ a b c d 巨人・西舘の開幕10戦連続ホールドは新人初」『スポーツ報知』2024年4月26日。2024年4月27日閲覧
  21. ^ 【巨人】西舘勇陽がプロ初失点で初黒星 「プロは甘くないというのは分かったろうし」阿部監督」『日刊スポーツ』2024年4月26日。2024年4月27日閲覧
  22. ^ a b 【巨人】プロ初勝利のドラ1西舘勇陽「チーム全体として粘って勝ち取った1勝なのでうれしい」」『スポーツ報知』2024年5月26日。2024年5月26日閲覧
  23. ^ 【巨人】西舘勇陽が1軍合流 16日のDeNA戦でプロ初先発の見込み」『スポーツ報知』2024年8月12日。2024年8月24日閲覧
  24. ^ 巨人がブルペン陣大幅入れ替え 大勢ら3選手が1軍昇格 ドラ1西舘ら3投手を抹消」『デイリースポーツ』2024年6月30日。2024年8月24日閲覧
  25. ^ 巨人・阿部監督、中継ぎで26試合登板のルーキー西舘勇陽を先発転向の考え 「次世代のローテーションに」と期待」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2024年7月30日。2024年8月24日閲覧
  26. ^ 巨人D1位・西舘勇陽、DeNA・石田裕との中大同期生対決が幻に 台風7号接近で16日は中止」『サンケイスポーツ』2024年8月16日。2024年8月24日閲覧
  27. ^ 巨人・西舘とDeNA・石田裕の中大同期対決中止で恩師・清水監督「2人が別の日に投げて勝てばいいです」」『スポーツ報知』2024年8月17日。2024年8月24日閲覧
  28. ^ 巨人・ドラ1右腕、プロ初先発も5回99球4失点で2軍降格「苦しくなった時に頼るボールが少ない」」『スポーツ報知』2024年8月24日。2024年10月6日閲覧
  29. ^ 【巨人】ドラ1西舘勇陽が2回0封で3K 防御率1・40、奪三振率12・57に…2軍ロッテ戦」『スポーツ報知』2024年9月25日。2024年10月6日閲覧
  30. ^ 【巨人】杉内俊哉コーチ「いいピッチングをしてくれた」3か月ぶり救援登板で3回無失点の西舘勇陽に」『スポーツ報知』2024年9月29日。2024年10月6日閲覧
  31. ^ 【大学野球】 クイック投法から155キロ 独特の感性で成長を遂げた中大・西舘勇陽」『スポーツ報知』2022年12月21日。2024年4月27日閲覧
  32. ^ a b “超速クイック”+“幻惑投法”巨人ドラ1・西舘勇陽の進化するピッチング | ショウアップナイター」『BASEBALL KING』2024年2月29日。2024年4月27日閲覧
  33. ^ 【巨人】ドラ1・西舘勇陽の「1.1秒バズーカ」超速クイックに円谷スカウト「結構スーパーだよ!」」『スポーツ報知』2024年1月17日。2024年8月24日閲覧
  34. ^ 【巨人】ドラ1ルーキー・西舘勇陽がプロ初セーブ」『スポーツ報知』2024年5月31日。2024年5月31日閲覧
  35. ^ 【巨人】ドラ1西舘がプロ初先発も5回4失点…中日に投打で圧倒され連敗 期待の浅野は2安打も」『スポーツ報知』2024年8月23日。2024年8月24日閲覧

関連項目

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外部リンク

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