埼玉県を中心に140店舗を運営するスーパー、ベルクが好調だ。特徴は、業界常識にとらわれず「他がやらないことをやる」。いったいどんな取り組みを行っているのか。経営コンサルタントの岩崎剛幸さんがリポートする――。
ベルク
筆者撮影
ベルク川越むさし野店

埼玉発のスーパー「ベルク」が行う異色の取り組み

埼玉を拠点に成長を続けているスーパーがベルクです。既存店の売り上げを伸ばして連続増収を続けています。

ベルクの取り組みはかなり異質で、同業他社がやっていないようなことに積極的に取り組み、独自の経営を貫いているのです。

そのひとつがレジ袋をいまだに無料にしていること。まさに絶滅危惧種のスーパーです。このような変わった取り組みがベルクにはたくさんあります。

なぜ一風変わった取り組みを行うのか。そして、それをなぜ打ち続けるのか。

そこにはベルクの「他がやらないことをやることで生き残りを図る」という強い意思が見えました。これからの経営のヒントが見えてくるベルクに今回は注目します。

埼玉に仕事に行く度に私が必ず立ち寄るスーパーがベルクとヤオコーです。

両社ともに埼玉を代表する食品スーパーです。毎月、埼玉で仕事をしているため、両店には顔をだしています。両社はそれぞれ業績も良く、地元・埼玉県民に愛されているスーパーです。

食品スーパー業界ランキングでヤオコーは6位、ベルクは12位。両店とも増収増益。売上高はヤオコーの方が上ですが、ベルクの方がわずかに純利益率も高い。

ベルクは当期純利益率が3%です。図表1をみるとよくわかりますが、粗利率が高くないスーパー業界では立派な数字です。それだけベルクは稼ぐ力が高いことを意味しています。

【図表1】食品スーパー売上高ランキングTOP15
※利益率は純利益を示す