未曽有のパンデミック(世界的大流行)をもたらした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、この社会が抱える幾つかの課題を浮き彫りにした。その一つに、専門家の言葉が人々にうまく伝わらなかったこと、「サイエンスコミュニケーション」が十分に機能しなかったために社会不安が増してしまったことが挙げられる。では、サイエンスコミュニケーションとは何なのか、パンデミックの中でそれはどうあるべきだったのか―。『知の統合は可能か パンデミックに突きつけられた問い』(時事通信社)から、作家の瀬名秀明氏とサイエンスライターの渡辺政隆氏の対談を抜粋して紹介する。