女嫌い (C)1964松竹株式会社 「東京物語」(1953年)をはじめとした小津安二郎作品や「男はつらいよ」シリーズの“御前様”役で広く知られる笠智衆さん。5月13日(月)に迎える生誕120年を記念して、CS衛星劇場では5月、テレビ初放送の映画作品を取りそろえた特集を展開する。本記事では、古き良き日本を味わい深く切り取った名作に多数出演し“日本のおじいちゃん”と呼ばれ愛された笠さんの魅力に迫る。 小津安二郎に見いだされ、小津作品に欠かせない存在へ 1904年5月13日、熊本県の浄土真宗本願寺派の寺に生まれた笠さん。日本映画界に刻まれた“笠智衆”という名前は、そのときに付けられた本名だ。実家の寺を継ぐためという名目で大学に進学したものの、20歳で中退。松竹キネマ蒲田撮影所の研究生募集に応募し、第1期研究生となった。 この頃にはもう、寺を継ぐつもりはなかったという逸話も。研究生となった直後に父