小学校の教員をしている知人がいる。 今年5年生の担任となった彼女は、「自由帳」というノートを用意し、児童らに好きなように使うよう渡した。 絵を描いたり日記帳にしたり、児童たちは自分の好きに使っていたが、一人ほど気になる使い方をしている子がいる。 見開きの左のページに大きく数字を書き、右ページ一面にエンピツでぐしゃぐしゃっと文字とも絵ともつかないものを書きなぐっている。それが何ページも何ページも続く。 「この子は心の中に一体どんな闇を抱えているのか…」 彼女は悩み、校長や教頭に相談。そして当該児童の親を呼び、三者面談をすることとなった。 事前に児童の母親にその子の自由帳を見せると、母親は顔面蒼白になり 「家では特に変わったところはないんですが…」 と、言葉を詰まらせた。 面談当日、児童とその親を前にその子の自由帳を開き、こう切り出した。 「この自由帳なんだけど、こういう使い方したら、ノートが