これから旬を迎える秋の味覚のサンマ。手ごろな価格で身近な魚でしたが、ここ数年、国内の漁獲量が低迷し、価格も上昇しています。こうした状況に歯止めをかけるため、日本は、国際会議でサンマの資源管理強化を訴えました。その狙いと背景を解説します。(経済部・大川祐一郎記者) 7月上旬。北海道釧路市では、今シーズンのサンマ漁のトップを切って、初水揚げが行われました。競りでついた価格は、高いものでサンマ1キロ、1万4000円。従来のおよそ2倍の高値です。 港近くの市場では、好みの刺身をごはんにのせる「勝手丼」が人気ですが、サンマの刺身は、3切れで200円。鮮魚店経営の男性は「もう庶民の魚ではなくなった」と嘆いていました。 サンマの値上がりの原因は、国内の漁獲量の深刻な低迷です。これまで毎年、20万トンから30万トンで推移していた漁獲量は、おととし(2015)、11万トン余りに激減。約40年ぶりの記録的な不