オイルを大量に蓄積する海洋珪藻Fistulifera solarisの全ゲノムを、東京農工大学大学院工学研究院の田中剛(たなか つよし)教授らが初めて解読し、オイル合成の代謝経路を突き止めた。微細藻類のオイル蓄積の仕組みを解明する突破口になり、バイオ燃料の生産性向上にも道を開くと期待される。フランスの高等教育機関エコール・ノルマル・シュペリウールと産業技術総合研究所、電源開発との共同研究で、1月29日付の米科学誌The Plant Cellオンライン版に発表した。 写真. 珪藻Fistulifera solaris JPCC DA0580株のオイル蓄積過程の顕微鏡画像。緑色蛍光がオイルを示し、細胞内の多くの体積をオイルが占める。(提供:東京農工大学) 光合成する単細胞の微細藻類が生産するオイルはバイオ燃料として、二酸化炭素の排出削減が見込めるほか、食料との競合が起こらない利点もあり、世界中