その後、1920年頃には、大正末期には豚肉料理が一般的になりつつありましたが、庶民が食べられる豚肉料理は少なく、貴重なものでした。また当時、牛は肥育方法が未熟だったことや、開拓の苦労を共にした人情もあって食べることができませんでしたが、豚は雑穀で手軽に育ち、食べるのに抵抗がなかったそうです。 豚丼が生まれたのは、帯広に初めて豚が来てから約50年後の1933年のことです。 この年に行われた調査では、1年間に帯広町(現帯広市)民が食べる肉量は断然豚が多く681頭、次いで馬547頭、牛171頭というデータがあります。それほどまでに、豚肉の需要が高まっていたことが伺えます。 その一方、食材や調理器具の制限で料理法が限定されていたことから、飲食店での手の込んだ料理の提供は困難でした。そんな理由から、調理が容易で庶民でも食べやすい料理として、醤油味のタレを使用した豚丼が開発されました。豚丼の味付けは、