【ニューデリー=岩田智雄】インドのPTI通信は19日夜、情報筋の話として、インドと中国、パキスタンが領有権を争うカシミール地方で中国軍が中印の実効支配線を越えて駐屯地を設置したと伝えた。20日付のインド主要紙も同様の内容を報じた。 PTIによれば、中国軍の小隊が15日、印北部ジャム・カシミール州の中印実効支配線を越えてインド側に約10キロ侵入し、テントを設営した。インドも国境警備隊が中国軍の駐屯地から約300メートルの場所に野営地を設置し、両者がにらみ合う形になった。インドは中国に協議を呼びかけているが、19日時点で返答はないという。 インド軍報道官は、「実効支配線の認識の違いによるものだ」と説明し、「手順にのっとり、平和的に解決される」と述べた。