書肆侃侃房(福岡市)が手がける、個性的な紀行ガイドシリーズの第3弾。カシミール、ルーマニアに続いて、今回のテーマはイギリスの教会巡りである。 筆者は1974年生まれ。イギリス・ロンドン郊外に移り住み、雑誌などの挿絵や版画制作に携わる傍ら、各地に残る小さな教会を訪ねてきた。 5平方メートルに信者席22の古い石造りの教会、1万人の犠牲者が出た戦場で悲しい歴史を目撃した教会、シャガールの巨大なステンドグラスが迎えてくれる教会…。紹介されている50の教会それぞれに物語がある。ふんだんに使われたカラー写真とイラストが、建築と装飾の魅力を伝えてくれる。教会建築様式の変遷、イギリスの教会史をコンパクトにまとめ、50の教会への交通アクセスなどガイド情報も盛り込まれている。 (書肆侃侃房・1680円) =2013/02/17付 西日本新聞朝刊=