山中 浩之 日経ビジネス副編集長 ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。 この著者の記事を見る
街中でビジネスマンのクールビズスタイルを見ていると、その多くが上半身はワイシャツ1枚、下半身はスラックスやチノパンを履いています。確かにこの姿なら、ジャケットやネクタイがなくても、大きく着崩しているようには見えません。最も無難でスタンダードなクールビズスタイルでしょう。 この着こなしで気を付けたいのは、ワイシャツのサイズです。 クールビズスタイルの男性を見ると、自分の体のサイズよりも大きすぎるワイシャツを着ている人がことのほか多い。おそらく着ていて楽なので、自分にとっては好都合でしょう。 しかし、見た目は明らかにだらしなくなってしまう。時にはくたびれたおじさんのように見えることもある。特にスーツスタイルのときと同じワイシャツを着ている人は注意が必要です。 スーツスタイルでは、ジャケットのボタンを留めればワイシャツはほとんど隠れてしまいます。ですからたとえ大きめのワイシャツを着ていても、さほ
先日、飲み会の席で「…だって世の中、『飛行機がなぜ飛ぶか』ということすら、本当は分かっていないんですから」という声が聞こえてきた。読者の多くの方もきっと、同じ話を耳にしたことがあると思う。 「常識と思っていることは、実は単なる思いこみだ」という文脈か、「科学なんてたいしたことないじゃないか」という話か、そこまでは分からなかったが、声にはちょっと嬉しそうな響きがあった。 もちろん科学は宗教ではない(こちら)。「信じる」ことが基本姿勢の宗教に対して、科学のそれは「疑う」ことだ。リンク先の記事の通り、科学を宗教的なものと誤解しないためにも、「本当はどうなんだ?」と疑う姿勢は大切だ。その一方で、「結局、科学といっても本当は何も分かってないんだよ」という見方は、シニカルな態度にもつながっていきそうでなんとなく違和感がある。 それはさておき、高速で空を飛び、多くの人命を載せる航空機がなぜ飛ぶか、本当に
朝、上海の自宅でパソコンを起動し、チャットツールを立ち上げると、まるで待ちかまえていたかのようにすぐさま、中国人の知り合いが話しかけてきた。「個人的に話したいことがあるんだけど、いいですか」と。昨年12月27日のことだ。 いやな予感がした。というのも、その前日、安倍晋三首相が靖国神社を参拝していたからだ。 話しかけてきた中国人は、上海に住む30歳前後の男性。仕事上の付き合いは割りにある方だが、プライベートな話は、仕事のついでにチャットで年に数回する程度。それがこのタイミングで朝一番に、日本人の私に「個人的に話したいこと」とは何か。靖国参拝にまつわる話かもしれない、との考えが頭をよぎるのは自然なことだろう。 2012年の反日デモ以降、中国市場で落ち込んでいた日本製品の売り上げに回復の兆しが見え始めたとの報道がちらほら出始めていたが、それも今回の参拝でどうなるのだろう。そんなことを考えていた矢
しかし彼らは厳しい訓練を経て、適性があると認められた場合にのみ、盲導犬として、社会に送り出される。従順なだけでは、盲導犬になれない。目が不自由な主人に代わって、自ら危険を察知し、止まるのか進むのかなどを判断できるようになる必要がある。 見学者は、目隠しをして、盲導犬に手を引いてもらってテストコースを歩く体験ができる。障害物をよけたり、階段を上り下りしたりする際に、盲導犬は実に巧みに人間を誘導してくれる。ここまでのスキルを身につけるには、半年から1年という時間がかかるという。 「訓練を経て、盲導犬になれるのは3割以下に過ぎない」と盲導犬を育成するサムスンの担当者は語る。サムスンで部長クラス以上に出世するのが難しいように、犬たちもふるいにかけられる。「(サムスンの)社員と同様に、自分で考えて判断する力を身につけられた犬だけが選ばれる」(サムスンの関係者)。 人材だけでなく、犬の育成でもサムスン
「ところで御社は、ノート・パソコン(PC)の持ち出しについてどうしていますか」 「仕事に使うノートPCであれば原則として持ち出しはできません。どうしてもという場合、申請を出す必要があります」 「携帯しやすいPCを作って売っているのに、なんだかおかしくないですか」 「うーん。それはそうですが、顧客情報を入れたPCを持ち出して万一無くしてしまったら新聞沙汰ですからねえ」 注目集まる495グラムPCなのだが PCメーカー各社がいわゆる“春モデル”の発売を始めた。上記の会話はPC春モデルを売り出したメーカー数社の社員とのやり取りをまとめたものである。 1月19日付の朝刊を見ると、日本経済新聞も朝日新聞も、春モデルについてかなり大きな記事を掲載していた。その数日前、筆者は1月15日付の本欄で、PCについて「新聞においてはさほど大きな記事にならなくなっている。明らかに最近は、インターネットやスマートフ
書くべきかどうか散々悩んだ結果、やはり書くことにします。私がANAの国際線の客室乗務員(CA)として勤務している時に感じていた、JALとANAの“違い”についてである。 迷った理由は、二つ。一つは、私が勤務していたのは4年間だけだったということ。二つ目に、CAは専門職であってその限られた空間での出来事に基づく考察であり、しかもJALについては、“きっと”や“らしい”という憶測情報も含まれているからである。 だが少し見方を変えて考えてみると、現場で実際に“感じたこと” は研究材料としては至極好材料であり、私が感じたことを企業研究に置き換えてみれば4年間は十分過ぎる期間でもある。しかも、ANAという会社にもJALという会社にも、さほど強い思い込みを抱いていない、キャリア志向が高くもないイチCAの“感じた”出来事にはあまりバイアスがかかっていない。 そこで、あくまでもANAで実際にあった出来事を
いきなり自分の話から始めて恐縮だが、評者は今年、34歳になる。昨年暮れには「ああ、俺34になるのか」と意味も無く感慨に耽り、そうこうしているうち、「歴史上の有名人で、34歳で亡くなった人って誰がいたんだっけ?」ということが気になり始めた。 そこで年が明けると同時に10年ぶりに読み返したのが、『人間臨終図巻』である。『甲賀忍法帖』に始まる「忍法帖シリーズ」、あるいは『戦中派不戦日記』などのエッセイで知られる奇才・山田風太郎が、古今東西の著名人の死にざまをひたすら死亡年齢順に記したものだ。 その数は、1683年(天和3年)15歳で火あぶりの刑に処された放火犯「八百屋お七」に始まり、1986年に121歳の長寿を全うした泉重千代まで総勢923人。取り上げられている人物の職業は、政治家、軍人、宗教家、文学者、音楽家、哲学者、芸能人、スポーツ選手、犯罪者と実に様々だ。これだけの数の、バラエティに富む死
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 新聞や雑誌には「もはや消費することは時代遅れ」といった記事があふれ、書店には「クルマ買うなんてバカじゃないの?」という刺激的な帯のついた本が並び、高級海外ブランドの日本撤退のニュースも珍しくなく、見わたせば「消費」は「デフレ」「節約」「巣ごもり」の陰にかくれてしまったようにも見えます。 しかし、果たしてそれは本当でしょうか? まったくの出鱈目というつもりは毛頭ありませんが、事実以上に、「そうしたニュースが欲しい」と感じる空気が今の世の中にあるのではないでしょうか。 それは「消費は時代遅れだ」という情報=「商品」への需要であり、それに対して情報という商材の供給者であるメディアはビジネスチャンスを逃さず、しっかり対応している。そうした部分を割り引
―― サムスン電子やLGエレクトロニクス、ポスコ、現代自動車など韓国のグローバル企業が世界で躍進しています。ウォン安の影響もありますが、ブランド力、商品力など様々な面で力をつけている。日本と韓国の両方の企業に詳しいウィさんは理由をどう分析されていますか。 ウィ 韓国企業の躍進の背景には、強い危機意識があります。韓国は経済の基盤が日本と比べるとはるかに弱い。 日本は1億3000万人の豊かで安定した市場がありますが、韓国の人口はわずか4800万人です。「韓国市場に依存してはダメだ」「海外に行かないと死んでしまう」といった生まれつきの海外志向があります。 「日本一」好きの日本、「世界一」好きの韓国 日本人が好きなのは「日本一」であり、「世界一」ではありません。一方で、韓国企業は「世界一」をずっと叫んでいます。韓国内にとどまらずに、グローバル市場を自分たちが活動する1つの世界として捉えて開拓を進め
“20万円カー”、印タタ・モーターズの「ナノ」にキャンセル続出。納車の遅れ、品質の低評価などが主な原因と言われる。タタは強気だが、日系など競合の低価格車投入で競争激化へ。 エコカーと並んで自動車メーカーの将来を占うのが、新興国向けの低価格車の開発動向だ。1月5日に開幕したインドの自動車ショー「デリー・オートエキスポ」で、トヨタ自動車とホンダが、インド市場攻略を狙う低価格車を発表するなど、日本メーカーの動きも加速している。 ただし、「安ければ売れる」という単純なものではないようだ。こうした開発競争の起爆剤となったクルマの販売で異変が起きている。インドの大手自動車メーカー、タタ・モーターズの超低価格車「ナノ」だ。 10万ルピー(約20万円)という挑戦的な価格を武器にインドの「国民車」として大きな期待を集めた。タタグループのラタン・タタ会長は「オートバイを利用する家族に、より安全な乗り物を提供す
その答えはズバリ、緊張しないことです。ほどよい緊張は大事ですが、緊張しすぎて何を話しているのか分からなくなるようではその緊張はマイナスに働きます。緊張しないだけで、プレゼンの際には相手に想いが伝わります。それに、アドリブだって自然に出るようになりますよ。 どうすれば緊張しないか? 一番大事なのは、話をするときに「上手に話そうと思わないこと」です。 私だって「平戸弁のなまりを笑われやしないか」とか、「商品の紹介につい力が入って、声が裏返ったら恥ずかしい」とか、余計なことを考えてしまえば必ず緊張します。だから、私はそんなこと全然考えません! テレビショッピングの番組で商品を紹介している私の姿を見ればお分かりいただける部分があるかと思いますが、とにかく商品のよさを伝えたいという一心に集中します。 「よどみなく話せること」と「相手に伝わる」ことは同じではない よく誤解されるのですが、実は私、話をす
はじめまして。子安大輔と申します。 このたび日経ビジネスオンラインにて、「食欲に透ける“建前と本音”学」というテーマで連載をさせていただくこととなりました。どうぞよろしくお願い致します。 まずは簡単に自己紹介をさせてください。私は現在、カゲン(東京都世田谷区)という会社で、主に外食産業に関するプロデュースやコンサルティングの仕事をしています。新しい飲食店の立ち上げをサポートしたり、あるいは商業施設のレストランフロアを魅力的にするお手伝いをしたりというのが主な仕事です。 また、飲食ビジネスを志す方を対象にして、「スクーリング・パッド」という学校の運営もしております。外食産業に関する私自身の知識や考えを取りまとめて、2009年5月には『「お通し」はなぜ必ず出るのか ビジネスは飲食店に学べ』(新潮新書)という書籍も出版しました。平たく言えば、「外食に関する企画全般」を手がけている人間だと思ってく
2009年12月8日に誕生した「セブンネットショッピング」。オープン直後から価格表示ミスなど、トラブルが相次いだ。消費不振の中、セブン&アイの新たな成長基盤になれるか。 「年内は1日も休めなかった」。幹部からはそんなため息が聞こえる。セブン&アイ・ホールディングスのEC(電子商取引)サイト、セブンネットショッピングに携わる社員は、年末年始も気が休まらなかったに違いない。 「“流通クラウドポータル”を目指す」。セブンネットショッピング社長の鈴木康弘氏がそう豪語する中で誕生した通販サイト。2009年12月7日、東京・四ツ谷のセブン&アイ・ホールディングス社内の会見場は、突然の告知にもかかわらず記者や関係者で埋め尽くされた。 ネットユーザーの指摘は厳しい 書籍から食品、日用雑貨に至るまで11のカテゴリー、500万品目の商品を揃え、2011年末までには1000万品目を扱うサイトにする--。総合ネッ
ウィルコムがいけないようだ。 新聞の記事は、「公的機関の企業再生支援機構を活用して再建を目指す方向で最終調整に入った」というふうに描写している。 仮にこれが「死んだふり」なのだとしても、芯から健康な人間は、そういうことはしない。 心配だ。 おおむね予想のついていたことではある。が、いざ現実化してみると、やはり残念。もうすこし頑張ってほしかった。 私は、ウィルコム以前からのPHSユーザーだ。 詳しく述べると、1997年、ウィルコムがその前身であるDDIポケットとして営業していた頃からだ。 当時、東芝がGENIOというPHSベースの携帯通信端末を発売しており、私は、とある雑誌(←いまはもう無い)でレビューを担当した。で、その縁で、現物を貸与されて、以来PHSを使うようになったのである。貸与といっても、返却は想定されていなかった。事実上のバラ撒き。昔はそういうことがよくあった。それほどに、デジタ
2008年8月21日15時14分、原告の宋某は自転車に乗って鄭州市金水路を北から南に向かい鄭州大学第一付属医院(以下「鄭大医院」)の立体交差のロータリーで、被告の李凱強が乗る電動自転車に引っ掛けられて負傷した。宋某は医院で診断後、医療費がないために自宅で療養して現在に至っている。 裁判所は李凱強の電動自転車と宋某の自転車とが接触したことで交通事故が発生したものと認定するが、調査結果からは、事故が被告・原告のいずれの過失によるものであるか判定できない。そこで、公平の原則に基づき、原告である宋某の損害の合理的部分を双方で50%ずつ分担するのが比較的妥当であると考える。 よって、李凱強は宋某に対して1万元(約14万円)の精神的慰謝料と治療費などその他費用の合計7万9000元(約111万円)を15日以内に支払うことを命ずる。 2010年1月8日付の河南省の夕刊紙「鄭州晩報」は、1月6日午後に行われ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 住宅ローンの延滞が増加がまだ増加していることは米国経済回復に対する向かい風の1つである。失業や収入の減少によって住宅ローンの返済が滞ることは想定できることだ。 しかし米国では新たな問題が持ち上がっている。毎月のローン返済ができる収入があるにもかかわらず意図的に返済を停止する事例の増加である。 債務と資産を両方放棄して債務超過から脱出 ウォールストリートジャーナル紙など当地のメディアは意図的債務不履行(ストラテジックデフォルト)の増加について最近多くを報じ、また学術研究やブログなどでも様々な議論がされている。 ストラテジックデフォルトとは、ローンを返済できる資力があるにもかかわらず意図的に返済を停止し、担保となっている自宅を放棄するとともに住宅
次の時代を予感させるのは十分だった。 光ファイバーによるブロードバンドサービス、映画の製作、買い付け、そして配給をも行っていた「ギャガ・コミュニケーションズ」を買収し、完全無料のインターネット動画配信事業「GyaO(ギャオ)」を手がけるなど、「USEN」社長、宇野康秀の手がける事業はどれもこれも魅了にあふれていた。 夢は何でもかなう、それが一転… 夢は何でもかなう。そう思われていた。時はまさにIT(情報技術)バブル真っ只中。 インターネットの爆発的な普及、金融自由化、規制緩和の大きなうねり、、新興市場の整備は、日本でも才覚さえあれば一夜にして億万長者になれる時代を作り出した。 赤字会社でも株式を公開できる、株式公開が容易にできる時代。ライブドア創業者、堀江貴文、楽天を創業した三木谷浩史などに代表されたいわゆる“IT長者”と呼ばれた若者たちは、自ら立ち上げた会社の株式を公開し、数百億円にも上
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