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男は少女漫画を読まない? 何だかTwitterで「男性は少女漫画を読まない」、「いや、読む」という論争が巻き起こっているようです。 これ自体、いままで何度も延々と繰り返されている話で、とくべつ興味がないので、リンクも張りませんが、まあ、読む人は読むし、読まない人は読まないという、それだけの話であることは自明でしょう。 もちろん、「少女漫画(笑)」みたいに少女漫画を一段下に見る人はいまでもまだ生き残っているかとは思いますが、おそらくサルから進化しそこねた手合いだと思われるので、無視して良いかと。 少女漫画は現代日本が生み出したおそらく最高の文化のひとつです。 とはいえ、まあ、なかなか手を出しづらいという人の気持ちもわかる。そこで、いまだ少女漫画の広大な沃野を知らない男性読者に向けたオススメ作品リストを作ってみました。 Googleさんに伺ってみるとすでに同種の記事がいくつも見つかるわけですが
フリージャーナリストである佐々木俊尚さんの「「不快なもの」をなぜ社会から除外してはならないのか」と題するnoteが面白かった。 「不快なもの」をなぜ社会から除外してはならないのか 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.683|佐々木俊尚|note特集 「不快なもの」をなぜ社会から除外してはならないのか 〜〜悪影響も好影響もあらゆるものは影響し合っている 社会は、それぞれの人にとって不快なものであふれています。静かな旅行を楽しみたい人は、コロナ禍だというのに新幹線で大騒ぎするウェーイなパーティピープルを不快だと思うし、ウェーイな人は無口で積極的な意思表示を...note.com タイトルの通り、だれかが不快に感じるものであっても社会から排除してはならないとする論旨の記事。 ネットの情報を「プル(自ら引っ張ってくるもの)」とプッシュ(向こうからこちらにやってくるもの)に分け、かつてプルであった
書評家の豊崎由美さんが炎上しています。キッカケはTwitterでTiktokでの小説紹介を批判したこと。 正直な気持ちを書きます。わたしはTikTokみたいなもんで本を紹介して、そんな杜撰な紹介で本が売れたからって、だからどうしたとしか思いませんね。そんなのは一時の嵐。一時の嵐に翻弄されるのは馬鹿馬鹿しくないですか? あの人、書評書けるんですか? — 豊崎由美≒とよ婆 (@toyozakishatyou) December 9, 2021 この発言を受け、Tiktokで小説を紹介して次々と話題を生んでいたけんごさんが活動休止を宣言します。 TikTokの投稿をお休みさせていただきます。各方面で様々な企画等控えているのに、本当に申し訳ないです。 僕はTikTokを仕事にしてません。PR動画を1本も上げたことないです。純粋に楽しかったのですが、これからは楽しめそうにありません。 動画も含めて、
青識亜論(せいしきあろん)さんをご存知でしょうか。 この記事を読んでいる人なら、ご存知である可能性が高いとは思うのですが、ツイッターでのフォロワーが4万人を突破するという「アンチフェミ」界の代表的な論客です。 ふだんから舌鋒鋭くフェミニストのおかしなところを批判している人ですね。 それは良いのですが、その発言には時々、納得がいかないことがあります。 もちろん、ぼくが納得できないからといって即座に間違えているということにはなりませんし、仮に間違えていたとしてもその発言のすべてが無効になるわけではないのですが、何しろいろいろと他者を非難している方だけに、その論旨が気になることはある。 そこで、今回は青識亜論さんのアニメに関するツイートをもとに、かれのジェンダー観を批判的に検証するところから初めて、アニメ・マンガにおけるジェンダーはどのように推移しているのかを考えてみました。 ただ問題点を指摘す
暴力的なツイートの数々。 先日、このようなツイートを呟いた。 このところ、いわゆる表現の自由戦士が非常にガラが悪くなっているのを感じる。ちょっとでも対立する意見には口汚くののしるリプが大量につく。 その際、非難されるのはそのツイートの主だけではなく「フェミ」、「おまえら」といった集団だ。実際にその人が「フェミ」なのかは確認されない。危うい。 — 海燕|穏健派オタク (@kaien) November 29, 2021 これはほんとうのことだと思う。このところ、いわゆる「表現の自由戦士」の言動の醜悪さが増している。 もちろん、これはぼく個人の観測による印象論に過ぎないが、それにしてもあきらかに対立者を誹謗中傷する非礼な表現の自由戦士は増加しているように見える。 ここではっきりと書いておく。ぼくはこのような誹謗中傷にはっきりと反対するものである。 もちろん、それはあくまで「批判」なのであって、
これからの物語はどういう方向へ向かうのか? ども。〈Something Orange〉管理人の海燕です。 今回は「物語はこれからどういう方向に進んでいくのか」について話をしたいと思います。 もう少しかっこつけていえば次世代(ネクストステージ)の物語はどこへ行くのか、ということですね。 さて、どこからお話ししましょうか。 そう、ぼくたちはYouTubeで〈アズキアライアカデミアラジオ〉という配信を行っているのですが、前回の放送で、ちょっと「最近の物語の傾向」について話をしたのですね。 ひと口に傾向とはいっても、当然、昨今の物語作品を総覧して全体を語ることはむずかしいので、ぼくたちの視界に入っている作品について語ることになってしまうのですが、それでもひとつの現状の感想として、「これといったマクロ的な作品が出ていない」という話題が出ました。 ここでいう「マクロ」とは、経済学から持って来た概念で、
序文 思い出します――その昔、「ファンタジー」という言葉は、それはそれは趣深い神秘と、魔法と、幻想とを意味していました。 しかし、時が過ぎ、かつては霧深い森の奥に隠されていたこの言葉はあたりまえに使われるようになり、人びとの目に晒され、しだいに陳腐化していきました。 いまでは、神秘も、魔法も、幻想もすべては失われ、それらは単なるありふれた「記号」としての意味しか持っていないかのようです。 そう、クラシックスタイルのファンタジーの黄金時代はあっさりと過ぎ去り、いまはもう「ゲームファンタジー」ばかりが流行しています。 とはいえ、失われたものを嘆くことはやめておきましょう。いまの作品には、いまのバリューがある。 はるかな黄金の魔法時代は過ぎ去ってしまったけれど、ロード・ダンセイニもトールキンももう過去の作家ではあるけれど、いまにはいまの作家があり、作品がある。それはそれで、意味があることなのでし
『プリキュア』は「性的視線」を遠ざけている? 「プリキュアは性的視線を意図的に遠ざけ、「女の子だから」という制約を打ち破った」と題する記事が話題になっています。 <炎上考>プリキュアは性的視線を意図的に遠ざけ、「女の子だから」という制約を打ち破った 吉良智子:東京新聞 TOKYO Web10月11日は国際ガールズ・デー。「女の子だから」と教育を受けさせないなど、少女への性別や年齢による差別や社会的制約をなくそうと、国連...www.tokyo-np.co.jp 論旨としては、『ふたりはプリキュア』に始まる『プリキュア』シリーズは「「女の子だから」という制約を打ち破った画期的な作品」であり、キャラクターデザインも性的視線を遠ざけようとしている、いまの若い女子大生などはその影響を大きく受けている子も少なくない、といったものです。 美少女戦士セーラームーン 完全版(1) (なかよしコミックス)
「上の世代」の「異常」なオタク差別意識。 「上の世代のオタク差別意識が異常に感じる」という匿名記事が話題だ。 上の世代と言っても私も今年30歳になったばかりなんだけど、はてなとかツイッター見てると40~60代と思しき人のオタク差別意識見るとビックリする。 オタクを人間扱いしてなかったり、どういう罵倒をしてもいいと思ってたり、最近はオタクが統一協会と関わりがあると言い出したり・・・・・正気になって、オタクってただの趣味だよ?世の中のオタクはただ同じ趣味なだけの他人だよ? 上の世代のオタク差別意識が異常に感じる上の世代と言っても私も今年30歳になったばかりなんだけど、はてなとかツイッター見てると40~60代と思しき人のオタク差別意識見るとビ…anond.hatelabo.jp ぼくは「差別される側」であるわけだが、この気持ちはよくわかる。 かつて、「オタク差別」は「あたりまえ」の感情だった。
自己啓発書やハウツーばかリ? 以下のような内容のツイートが話題になっている。 何度でも言います。本を読もう。お金・健康・人間関係・夢…。苦しい時に助けてくれたのはいつも本でした。文化庁が調査した国語に関する世論調査によると、週1冊読むだけで上位15%、2冊読めばそれだけで上位5%に入ることができる。そして、人生を豊かにしている人たちはこの5%の人たちと一致する https://twitter.com/yamachan_5LC/status/1444059549564952577twitter.com 元のツイートはすでに消去されているようなので、引用したまとめサイトも貼っておく。 「自己啓発本100冊」を紹介するツイ民にネットが大荒れ「これはキツイ」「こち亀200巻の方がいい」 | まとめまとめ何度でも言います。本を読もう。お金・健康・人間関係・夢…。苦しい時に助けてくれたのはいつも本でし
『3月のライオン』最新刊への批判意見。 先日、羽海野チカ『3月のライオン』の最新刊が発売された。前巻でつきあうことになった零とひなたの恋愛描写満載の巻で、甘酸っぱくも素晴らしい。 3月のライオン 16 (ヤングアニマルコミックス) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 Yahooショッピング 殊にさまざまなテクニックを駆使して高められた画面の密度は圧巻で、連載十数年にして、過去最高のクオリティなのではないだろうか。 ただ、Amazonを覗いてみると、当然というべきか全体的には絶賛のあらしであるものの、批判的な意見もいくつか見つかるようである。 大好きな作品で、16巻も楽しく読みましたが…。ここ最近、エピソードを詰め込んだだけの「ふわっとした」話が多いように感じます。 もちろんそれでもお話は先に進んではいるのですが、どうにも上っ面を撫でているだけというか、
ラーメン評論家炎上と「ホワイト・フラジリティ」。 ラーメン評論家の界隈が燃え上がっている。 この記事を読まれている方にはまったく事情を知らないという方はいないだろうが、一応、一から事情を説明しておこう。 問題は、梅澤愛優香さんという元女性アイドルのラーメン店経営者が、自店で「ラーメン評論家」を「入店拒否」指定したところから始まる。 ラーメン評論家の入店お断りします ラーメン評論家の方々とお会いしてきましたが、8割が私へマウンティングか言葉のセクハラが酷い人ばかりでした それもあり避けたら裏で中傷される始末 うちにはマイナスしかなかったです 今後ラーメン評論家、同業で評論してる方の入店を全店固くお断り致します — 梅澤愛優香 (@MAYUKA_YAGUMO) September 23, 2021 開業当時あるラーメン評論家やラオタの方から「評論家とラオタにはサービスしたり媚び売った方がいいよ
メンタリストDaigoによる「ホームレス差別動画」。 「メンタリスト」を自称する有名YouTuberのDaigoさんが「差別発言」を載せた動画によって炎上してから数日が経ちました。 初めのうちはわりと強気に対応していたようですが、あまりに状況が悪化しつづけることに「さすがにヤバい」と思ったのかどうか、先日、「謝罪動画」と「再謝罪動画」を上げたようです。 以下の動画ですが、まあ、ちょっと見苦しいというか情けないですね。 あれだけ「辛口」の毒舌発言を行っていた人が、自分が追い詰められると一転して憔悴したところを見せるなんて、もうかっこ悪いことはなはだしい。Daigoさんに何らかのカリスマがあったとしても、これでもうそれも雲散霧消してしまうのではないでしょうか。 といっても完全に自業自得としかいいようがなく、全然同情するつもりにはなれませんが、まあでも、あらためて「毒舌キャラ」で売っていくことの
『鬼滅の刃』や『シン・エヴァ』は実写映画を「排除」したのか? いま、「政権に斬り込む『パンケーキを毒見する』河村光庸Pインタビュー「『鬼滅』や『エヴァ』は映画館を救わなかった」 【第1回】」と題する記事ソーシャルメディアでが「炎上」している。 もう、タイトルを見ただけで炎上する理由がわかるような気がするが、一応、中身を見ていってみよう。 シネコンはご承知のように、アニメに席巻されています。よく、コロナ禍で『鬼滅の刃』(※『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』[2020年])が映画業界を救ったと言われますが、私は実写映画に関わる人たちや小さい映画を、あのアニメ映画が排除したと思っています。 学生たちに、「じつは『鬼滅の刃』や『エヴァンゲリオン』は、ある一定の映画館と映画会社しか儲からなかった。小さな映画を作っている人たちや実写の人たちは、みんなアニメ映画のおかげで排除されたんだから、逆に映画館を危
統合失調症当事者として考える。 公開されるや否やソーシャルメディアで大評判となり、あっというまに数百万回のアクセスを記録し、そして瞬く間にその表現を問題視されたマンガ『ルックバック』が、やはり記録的な速さで内容を修正されたようである。 ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+学生新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートからは絶賛を受けていたが、ある日、不登校の同級生・京本の4コマを載せたいと先生から告げられるが…!?shonenjumpplus.com 『ルックバック』作品内に不適切な表現があるとの指摘を読者の方からいただきました。⁰熟慮の結果、作中の描写が偏見や差別の助長につながることは避けたいと考え、一部修正しました。 少年ジャンプ+編集部https://t.co/Vag51clfJc — 少年ジャンプ+ (@shonenjump_plus) Augu
天才か、それとも詐欺師か。 「時代を切り拓く“異能”の人びとの物語 令和の開拓者たち最終回【西野亮廣】芸人・絵本作家」という有料noteを読んだ。「文藝春秋digital」のシリーズ記事のひとつである。 時代を切り拓く“異能”の人びとの物語 令和の開拓者たち最終回【西野亮廣】芸人・絵本作家|石戸諭|文藝春秋digital テレビからネットに軸足を移し、本気で「ディズニー超え」を目指す。/文・石戸諭(ノンフィクションライター) 一挙手一投足がインターネットを騒がせる 庶民的な歓楽街というイメージが強かった東京・五反田界隈は、今やすっかり様変わりした。駅周辺には、成長を夢見るITベンチャーも集い、あらたな活気に満ちている。その一角に、...bungeishunju.com 西野亮廣。 いまの日本のインターネットで、おそらくは最も賛否両論を集める人物のひとり。 かれが手掛けた『映画 えんとつ町の
毎回、賛否両論の映画監督。 細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』が興行的に好調のようだ。初日から大入りで始まり、いままでの細田映画で最大の興行成績を記録することはほぼ確実と見られている。 映画は興行成績がすべてではないが、もちろんヒットするに越したことはない。日本のアニメ映画全体のためにも、歓ぶべき快挙というべきだろう。 ぼくは先日、青春恋愛映画の秀作『サイダーのように言葉が湧き上がる』を観てきたが、こちらはほとんど客が入っていなかった。映画の入り不入りは内容の良し悪しとはべつだとしかいいようがない。 小説 サイダーのように言葉が湧き上がる (角川文庫) created by Rinker Kindleで探す Amazonで探す 楽天市場で探す Yahooショッピングで探す あらためて映画がヒットすることのむずかしさを感じ入ったしだいである。 そういうわけで過去最高の興収を確実視されてい
傑作短編『ルックバック』。 長編マンガ『チェンソーマン』で知られる漫画家・藤本タツキの新作短編『ルックバック』が好評だ。わずかひと晩で閲覧100万回を超え、いまなお読まれている。ぼくも読んだが、優れた作品だと感じた。発表形式の新しさも含め、話題になることはよくわかる。
小山田圭吾さんの「いじめ」発言を考える。 いま、東京オリンピックの開会式に楽曲を提供した小山田圭吾さんが、過去に「いじめ」の加害経験をインタビューで得意げに話していたことがネットで問題視されている。 あきらかな「炎上」事件だが、組織委員会はかれの「続投」を決断したという。 東京五輪・パラリンピック組織委員会は16日、東京五輪の開会式で楽曲を担当する「コーネリアス」の小山田圭吾(52)に関するいじめ問題について、不適切との見解を示した一方で、続投させる方針を明らかにした。 小山田は、1990年代に音楽雑誌でのインタビューで、障がい者への差別行為や人種差別、プロレス技での暴力など、同級生へのいじめ話を得意げに語っていた。
原作は紀伊カンナさんの同名マンガ。ひじょうに評価の高い作品ですが、アニメ版もかなりよくできていたと思います。 この手のBLアニメだと、中村明日美子原作の『同級生』が記念碑的な傑作だったのだけれど、それとはまた一風違う方向性で良かった。 ちなみにぼくの友人のてれびんという男は、この『同級生』をBLとは知らずに見に行き、「いつになったら女の子が出て来るのだろう?」と思ったら男同士で結ばれてびっくりしたと語っていました。 アホとしかいいようがないエピソードだけれど、なかなか稀有なサプライズではあったかも。やはり映画はあまり情報を仕入れず見に行くべきものですね(そういう問題か?)。 まあ、それはともかく、最近はBLや百合が高いクオリティで映画化されることも増えて来ていて、なかなか良い時代になったものだと感じます。 そういう映画を見に行くアラフォーのおっさんはあまりいないだろうけれど、ぼくはべつにそ
「ノリ」と「空気」がすべてを支配し、「こいつには何をやってもいい」とラベリングされた相手に対して徹底して暴力的になる現象は、まさに学級におけるいじめの構造そのものだ。 いじめの背景には、いつだって「正義」がある。今回も、映画の原作である『100日後に死ぬワニ』の商業展開に、ネットの「正義」に反するところがあったことはたしかだろう。 しかし、それが映画を見ることもなくバッシングする権利を保障するはずもない。まして、座席予約で遊ぶことはやっている本人は「面白いいたずら」のつもりなのだろうが、完全に営業妨害以外の何ものでもなく、かぎりなく犯罪に近い行為である。 この「ノリ」と「空気」のおぞましさ。 「悪評」が映画をつぶすとき。 このような悪評が影響したのだろうか、『100日間生きたワニ』はいまのところ興行成績的にもきわめてきびしい数字になっているようだ。 もっとも、もともとがTwitterで話題
物語への興味が「個人の内面」から「世界の秘密」へ移っている? 前の記事(https://somethingorange.biz/archives/480)でも引用しましたが、ジャーナリストの佐々木俊尚さんが、いまの時代のエンターテインメントは「個人の内面」を描くことから「世界の秘密」を暴くところに力点が変わってきている、という意味の記事を書いています。 1975年生まれのイギリスの女性作家、ゼイディー・スミスが語ったという言葉があります。 「誰かがなにかについてどう感じたのかというようなことを伝えるのは、もはや書き手の仕事ではなくなった。いまの書き手の仕事は、世界がどう動いているのかを伝えることだ」(『Present Shock』Douglas Rushkoff、2013より。未邦訳) 「誰かがなにかについてどう感じたのかというようなことを伝えるのは、もはや書き手の仕事ではなくなった。いま
ちなみに、Wikipediaによると、「具体的な中間項」とは、「国家や国際機関、社会やそれに関わる人々」を指している。つまり、東の定義によれば、セカイ系とは「小さく個人的な関係が、一気に世界的な大問題に直結する作品」を指していることになる。 大森による(らしい)指摘は、それはべつだんセカイ系とされている作品の専売特許でもないだろう、ということだろう。 しかし、どうだろうか。広くセカイ系の代表作と見られる作品、『ほしのこえ』や『最終兵器彼女』などを見ていると、やはり従来のSFとはどこか違っているようにも感じられる。具体的にどこがどう違うのか、少し考えてみよう。 セカイ系と「SF的リアリティ」の欠落。 まず、思いつくのはセカイ系作品のSF的な意味でのリアリティの欠如である。ぼくはよく庵野秀明監督の『トップをねらえ!』と新海誠監督の『ほしのこえ』を比較して考えるのだが、前者にはたしかにあった「S
【この記事の簡単な要約】 『現代ビジネス』のウェブサイトで繰り広げられている若者バッシングとも取るべきシリーズに対する反論記事です。ネチネチと個別の文章を取り上げおかしいところを分析し批判しています。稲田豊史氏による若者叩きは気に入らないものの、どこをどう批判したらよいのかわからないという方はどうぞ。 どうしてそこまで若者を蔑むのか? 『現代ビジネス』のウェブサイトで、「「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来」に始まる若者バッシングシリーズの最終回、「若者のあいだで「批評」と「スポーツ観戦」が不人気な理由」と「「インターネット=社会」若者の間で広がる「セカイ系」の世界観」の前後編が公開されました。 この連続記事、ぼくは一貫して批判的に見ていて、毎回、「今回もひどいが、さすがに次はこれ以上いいかげんな内容にはならないだろう」と考えたりしていたのですが、筆者である稲田豊史氏は常
【この記事の簡単な要約】 映画の内容、あらすじなどを10分程度の手軽な形にまとめた「ファスト映画」、「ファストシネマ」と呼ばれる動画が人気を集めているようです。いったいそういった「ファスト映画」の需要はどこから来ているものなのでしょうか? その功罪も含めて考察しました。 「ファスト映画」とは何か? 昨夜、テレビでニュース番組を見ていたら「ファスト映画」について取り上げられていて初めてその言葉を聴きました。 ファスト映画とは! 1本の映画を無断で10分程度にまとめてストーリーを明かす「ファスト映画」と呼ばれる違法な動画の投稿が、YouTubeで急増し、著作権を持つ映画会社などの団体が調査を始めました。 この1年で950億円余りの被害が確認され、団体は投稿者の特定を進め、法的な措置に乗り出しています。 映画の映像や静止画を無断で使用し、字幕やナレーションを付けてストーリーを明かす10分程度の動
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