数年前、思考系のある講師の薦めで「事実に基づいた経営(Hard Facts)」(ジェフリー・フェファー、ロバート・I・サットン著 東洋経済新報社刊)という興味深い本に出会った。「半分だけ正しいが半分だけ間違っている」常識に捉われず「データにもとづき自分の頭で考えろ」という至極あたりまえの結論を愚直に、また多様なケースで論じている。例えば、カジノにおける収益力の向上は、業界の常識とされた家族連れではなく、むしろ引退したか引退しかけている比較的年齢層の高い層をターゲットにすること、この層へのプロモーションは一般に行われているホテルや食事の割引ではなく、無料チップが有効であること。他にも大リーグやNFLの事例や、経営戦略論の半分だけ正しい常識等、具体的でわかりやすく大変示唆に富む本であり、是非一読をお勧めしたい。 はからずもIT業界では「ビッグデータ」が流行の兆しを見せている。センサー技術やデバ