ソリューション特集オブザーバビリティのいろは クラウド時代に必須の“問題解決自動化”技術

「オブザーバビリティ」という言葉を耳にする機会は増えたが、単なる監視の高度化と誤解されることが少なくない。クラウドネイティブなソフトウェアとシステムに必須の技術であるという理解が必要だ。

「オブザーバビリティ」と「モニタリング」の違いとは?

近年のクラウドシフトにより、オフザーバビリティへの注目は高まっている。

しかし「ガートナーのハイプサイクルにおいて、日本でオブザーバビリティは『過度な期待』のピークに差し掛かりつつある」とガートナージャパン シニアディレクター アナリストの米田英央氏が述べるように、期待感が先行しているのが実状だ。ディレクター アナリストの青山浩子氏も「オブザーバビリティを採用し運用できているのは潜在ユーザーの1~5%」と、導入が緒に就いたばかりであることを指摘する。

市場成長のポテンシャルは高いが、なぜこのような状況なのか。

その理由の1つに、モニタリングとの混同があると考えられる。

オブザーバビリティは可観測性と訳される。この訳からも分かるように、オブザーバビリティ自体は「ソフトウェアやシステムの状態を観測できるようにすること」であり、機能単体を指すのではない。

青山氏は「モニタリングは、監視する対象が何かわかっているときに使う言葉。オブザーバビリティはクラウド環境が前提であり、監視対象を事前に特定するわけではない」とその違いを端的に説明する。これを整理したのが図表1だ。

図表1 オブザーバビリティとモニタリングの比較

図表1 オブザーバビリティとモニタリングの比較

ガートナーによれば、「出力データやメトリクスを基にソフトウェアやシステムの内部状態を理解し、その挙動と事象、結果を説明可能にするためのソフトウェアやシステムの特性」がオブザーバビリティだ。

対してモニタリングは「システムから出力されるイベント、ログ等によりシステムの状態を把握すること」にすぎない。

オブザーバビリティを単に「監視の高度化」と理解してしまうと、その本質を見誤ることになる。

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