この三本を、平行して読んでいる。いずれも、「世界の名著」(中央公論社)シリーズ。 なぜ、こうなったか。 発端は、ハイデッガーだった。「存在と時間」。これを文庫本で読み始めて、その途中でキルケゴールに呼ばれた。呼ばれた、としか言いようがない。15歳の頃から、ずっと一緒にいたまま、読まずに来てしまった。今こそ読まねば、という気にさせられた。 なぜキルケゴールに惹かれるか。 自分に似ている、との感覚だけは持っていた。この自分が、よく分かっていないにも関わらずである。このデンマークの思索家は、自己に正直に生きた人だった。けっして、他者にではない。 また、だから自分の本質を、そのままに文章化し、彼自身が…