電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン
Online ISSN : 2186-0661
ISSN-L : 1881-9567
解説論文
着るだけで生体情報計測を可能とする機能素材hitoeの開発及び実用化
河西 奈保子小笠原 隆行中島 寛塚田 信吾
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2017 年 11 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

hitoe®*1は導電性高分子PEDOT : PSSとナノファイバとの複合材料であり, 布帛型の生体電極として, 心拍数・心電波形計測などのバイタルデータの取得を目的に開発された. hitoeを搭載したウェアを着用するだけで, 長時間負担なく生体情報を取得できることから, 疾病の診断や早期発見といった医療分野や, 健康状態の見守り, ストレスや睡眠状態の可視化など, 多くの分野でのバイタルモニタリングツールとしての活用が期待されている. 社会的に問題視されている労働者の心身の健康状態や安全状態の確認などにも利用できる技術である. また, スポーツの分野においても選手の技能や練習強度・疲労の可視化, 試合前の緊張レベルの可視化に有効であると考えている. 本稿では, hitoe開発の基となる導電性高分子 – 繊維複合材料について概説し, 更に最近の試みとして展開しているスポーツシーンでの利用や生体情報の推定, そして, hitoe作業者みまもりサービスについて解説する.

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© 2017 一般社団法人 電子情報通信学会
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