セクシー三昧

インターネットが掬いきれないお店の記録

何もかもが中途半端な観光地、越前東郷駅を巡る

前置き。久々の更新になりました。頭スカスカになるポルノ中毒とYouTube、心を濁らせるだけのInstagramにハマって大きな周り道をしていたら何もかもをやる気力が失せて、頼り無い人間関係に縋って埋め合わせをしてるだけの週末はさすがに、さすがに終わっていると思って、ブログ書いて何かやってる気になってるのもそれはそれで不健康な気もするんですけど、取り敢えず何か書こうって気になってきたから、書く。一緒に共同ブログやろうって誘った今野さんとだてさんに悪い事したな。前置き終わり。

 

JR福井駅から同じホーム内のJR九頭竜線(越美北線とも呼ばれる)に乗り換えて3駅進むと着く駅が今回紹介するJR越前東郷駅

f:id:gtr7u6ik:20241013211444j:image

田舎の駅らしい無人の駅だが横に綺麗そうな多目的トイレもある。本数も少なく時間に注意、行きも帰りも1時間に一本もありません。僕の住む最寄駅は1時間に一本電車ある上ごく最近まで有人駅だったにも関わらず昭和の公衆便所みたいなトイレしか無いのに、なんだこの差は。ちなみに東郷駅は1980年代に無人化している。よこせや、綺麗なトイレ!!ちなみに、この辺の事情というか理由は後で解説します。

駅を出てしばらく歩くと、道路に対して幹竹割りしたように道路の中央を貫く綺麗に整備された水路が見えてくる。

f:id:gtr7u6ik:20241013213650j:image
f:id:gtr7u6ik:20241013213701j:image
f:id:gtr7u6ik:20241013213654j:image
f:id:gtr7u6ik:20241013213657j:image

この通りが東郷地区の観光資源の一つである越前美濃街道だ。この街道は岐阜県からスタートして福井駅にまで繋がる旧街道で、古い街並みや水資源を整備してサイクリングコースと銘打った175kmの地域活性化プロジェクトのようだ。その割に周りに殆どお店は無く、精々水路の鯉に餌をやる程度である。この江戸時代の情緒を思わせる区画もかなり短く、終点と始点をGoogle mapで測ると500mだった。あとは普通に住宅街と田舎の風景が続きます。

f:id:gtr7u6ik:20241013214057j:image
f:id:gtr7u6ik:20241013214100j:image
f:id:gtr7u6ik:20241013214052j:image

人が近づくと餌を貰えると思うのか口をパクパクさせながら鯉が近寄って来る。魚のくせに哺乳類みたいな仕草をすると途端に愛着を感じる。通り沿いに鯉の餌の無人販売があったが中は空っぽ。鯉も元は錦鯉だったものが世代交代のせいか模様のないものが生まれて殆ど普通の鯉だけになっている。ゴミ一つ浮いてない水路の綺麗さは凄いけど、そもそも観光者が少ないから綺麗なのかも。

ここまで読んでいておそらく多くの人は「観光用にそれなりに資金を投じた様子が伺える割に、なにもかも中途半端過ぎる」と思うだろう。その辺の事情に明るい人に昔聞いてみたところ、かつて本気でこの地区を盛り上げようとしたプロジェクトがあったものの、端的に書くと地元民がかなり非協力的だったようでこのような有様になったという経緯があったようです。そのおかげで、不思議な隠れた観光スポットと化していてこの微妙さが好きなのですが。だから無人駅なのに駅のトイレ新しいんだね、根に持つようだけど。新しくて綺麗なトイレ、最寄駅に、よこせ。

あんまり良く無い事ばかり書いてきたので今から良いこと書きます。まずこの水路沿いには酒蔵が2件もあります。駅近に2件もあるなんて最高ですね。

f:id:gtr7u6ik:20241013215740j:image
f:id:gtr7u6ik:20241013215737j:image

安本酒造の白岳山は流行りの芳醇旨口系の日本酒です。香りが独特なので県外でも黒龍や梵、花垣の次ぐらいに認知されてるイメージあります。銘柄によってはボウモアみたいな薬箱臭い香りがして、僕は日本酒にはそういうのは求めてないので抜栓後わざと冷蔵庫に1日寝かせると薬臭さだけ抜けて芳醇な香りが顔を出すという裏技を使ってます。

毛利酒造の方はもう少し昔ながらの味わいで、バナナの香りにも例えられる酢酸イソアミル系の旨口食中酒って感じです。お寿司や酢の物、柑橘系と合わせる事を想定した 紗利(さり)という銘柄が有名です。余談ですが福井の地酒の全てが手に入る「みやごう酒店」という酒屋にある「郷」というPB商品日本酒があるんですけど、それはここで作られています。

あとはもうめぼしい店とか通りに無いんで(ヤバいね!)少し駅近くまで戻って飲み屋巡りをしたいと思います。

その前に、もう一つ東郷地区の重要な観光資源を紹介します。照恩寺です。

f:id:gtr7u6ik:20241013221824j:image

ただの寺やないか、と思うかもしれないが、ここの住職はあのテクノ法要の人なんですよね。あのプロジェクトマッピングとかDJを駆使してニコニコ超会議とかアメリカで法要してる、その人です。そしてお寺の中に喫茶店があります。金土日だけオープンで、今回は時間の都合上行けなかったけどホームページ見るとリノベーションした空間が凄くオシャレでした。こんなに俗っぽい事で成功してる寺、なんかあんまり有り難み感じないなと思わんでもないんだけど、でもテクノ法要一度は行ってみたいね〜って思う。

f:id:gtr7u6ik:20241013222408j:image

そしてその向かいにあるのがトックリ軒という見た目は古臭いけどなかなか飯は美味いと有名な和洋食屋があります。今日はここで飲みましょう。夜は17時から、昼は11:00〜14:00やってるようです。

f:id:gtr7u6ik:20241013223035j:image

f:id:gtr7u6ik:20241013222700j:image

店の中央に大きなテーブルがあって、そこはお客さん通しでシェアして使う感じです。カウンター5席、小上がりの座敷が3つ。情緒のある昔ながらの飯屋ですね。

ここはオムライス、焼きそば、鶏足が有名なのですが、とりあえず今日は若鶏足を注文しました。

f:id:gtr7u6ik:20241013223223j:image

若鳥足を焼いて特性醤油タレを掛けたもの。カットして持ってきてほしいと言えばこのように骨取って刻んで食べやすくしてくれます。表面の鶏皮の香ばしさと旨みを逃さないように焼いた肉、特性タレもこれだけ売ってくれないかと言いたくなる。ちなみにヒネ鶏足バージョンもある。ぜひ次回。そしてついでに頼んだ串カツ↓

f:id:gtr7u6ik:20241013223718j:image

ここはオムライスも有名なのだが、ケチャップではなくソースが掛かっているらしい。多分同じものが掛かっている。美味い!✌️

トックリ軒を出るとまだ腹に入りそうだったから何か無いかなとGoogle mapで探すと、すぐ近くに「こびり庵」という東郷地区のアンテナショップ兼カフェ兼定食屋兼飲み屋という欲張りな店があったのだが、土日は地域のレンタルスペースとして機能しているらしく、中から地域民の談笑する声が聞こえた。

他にも毘沙門寿司という寿司屋も昼営業してるっぽいが、今から寿司かぁと思って行かなかった。

一つ面白いのが増山商店というかつての織物工場だった場所をリノベーションして雑貨屋兼カフェに今年の8月3日から営業開始したようだ。こういうのって普通は若い感じの人なんだけどインスタを見るとそれなりの年配の男性で意外だ。先ほどのこびり庵にも関係あるらしく、地域貢献活性化に一枚噛んでいる様子が伺えた。今回は地域の行事「東郷何コレ市」に出店してるらしくお店はやってないとインスタに書いてあった。あー、そういえば駅前のすぐ近くでフリーマーケット開催してたあれか!農産物とか洋服とか売ってました。

 

ここからは全く個人的な事なので読む必要は無いけど僕の記憶の整理のために書きます。

福井駅前近くのテナントビルにクマゴローカフェというシェアキッチンがあって、福井駅前再開発に伴いそのビルが解体されるからクマゴローカフェも今年立ち退いたんですけど、そのクマゴローカフェの備品を東郷地区にあるガレージに集めて即売会を企画したイベントがあったので、そもそもの目的はそこに行くためでありました。本当にこんな住宅街の細い通路に大きなガレージなんかあるんかいなと進むと、既に懐かしの黄色いクマゴローカフェの看板が見えました。

f:id:gtr7u6ik:20241013225916j:image

中に入ると見知った顔が。どこかで見たクマゴローの備品たち。福井で1番汚い店と罵られながらも福井のサブカルチャー欲を満たしてくれた重要な拠点。寂しさとノスタルジーが湧き上がってきた。店主はもうクマゴローは再開しないと言うていたから。

f:id:gtr7u6ik:20241013230554j:image
f:id:gtr7u6ik:20241013230551j:image

「振る舞いの大根餅とシュウマイあるよ」の言葉に甘えて頂く事にした。

f:id:gtr7u6ik:20241013230857j:image

よく見るとさっきトックリ軒で飯食ってた女性と若い男が居た。「さっきトックリ軒居ましたよね」とお互い喋って、ちょうどみんなそれぞれが名物のオムライス、焼きそば、鶏足を注文していて、みんなで同じテーブルに座ってシェアすれば良かったねと笑った。

ちなみに今回の会場であるガレージと古民家はトンデモ図書室伊藤堂として2019年から今年の7月まで運営されてた場所らしくて、今は日本に来た外国人が泊まるスペースとして貸してるとか。なんかもうさっきから情報量多くて分からん。なんでこんな縁もゆかりもない場所でガレージセールやってるのかなと思ったけど多分クマゴローのオーナーがその伊藤堂の人と繋がりがあったんだろう。サブカルチャー同士の横のつながりは広い。

なんか知らない古民家でシュウマイ食べながら中国茶を飲み、さっき鉢合わせしたお店の客と田園風景見ながら喋ってて、なんか現実離れし過ぎだな。福井って大っぴらなイベントはあんまり無いかもだけど、こういう小規模とか事情知ってる人だけが来るみたいな個人規模のヘンテコなイベントは沢山ある。情報に辿り着くまでが苦労だけど。他の田舎もこんな感じなんでしょうか?イベント事情知りたいです。

この日は他にも陰キャ繋がりの友達が勝山の越前大仏でコーヒー淹れてイベント出店してたり、一乗谷でそこにも別の陰キャ繋がりの友人が出店してて体よ3つに分裂してくれと思った。終わり。