法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

司法

アンチフェミニストの敗訴に不服な立場から、司法を物理的にとりかこもうとする話が出つつある

たとえば北村紗衣氏*1に雁琳氏が控訴審で負けたことを問題視する、「魚か@naakass」氏*2のツイートがある*3。 やはり状況を大きく変えるためにはブラジルみたいに物理的に司法を取り囲んでの現状変更のための自力救済に動かないとダメってことなんだろうか?…

かなり難しそうな名誉棄損裁判で、一時期Colabo弁護団にも入っていた中川卓氏が代理人をつとめる被告が、暇な空白氏に対して勝訴したとのこと

暇空茜こと暇な空白氏の代理人をつとめた小沢一仁氏は、インターネットにおける著名な名誉棄損事件を複数手がけてきた経験者だ。 あおり運転デマ拡散、元市議に賠償命令 被害女性の代理人「同じような事案の抑止力に」 - 弁護士ドットコム 一方で中川氏は一…

暇な空白氏の活動を弁護士の神原元氏が記者会見で「リーガルハラスメント」などと論評したことに対しても、裁判所が真実性を認めたばかりだよ

まだ地裁の段階とはいえ、すべての争点で神原氏の適法性が認められただけでなく、多くの論点で真実性も認められている。 暇空茜氏のインターネット投稿に11のデマを認定した裁判勝訴! - 武蔵小杉合同法律事務所 2024年9月26日、東京地方裁判所は、…

事件から半世紀以上たって、ようやく袴田巌氏に無罪判決

まず個別の冤罪事件として、多くの証拠に捏造の可能性を指摘する踏みこんだ内容だったらしい。 袴田巌さん再審で無罪判決 地裁、自白調書など三つの証拠捏造認定:朝日新聞デジタル 判決は、「自白」した供述調書や犯行着衣とされた「5点の衣類」など三つの…

弁護士の太田啓子氏による投稿をめぐる裁判で、「暇アノン」という呼称に違法性はないと認められたとのこと

仁藤夢乃氏が判決の要旨と判決文の抜粋で報告していた。まだ地裁の段階だが、公開されている情報から考えるかぎり、暇な空白氏が全面的にくつがえすことは難しそうに感じられる。 6つ目の #暇空敗訴#暇アノン と投稿したことを名誉毀損として、暇空がColabo…

支援団体Colaboの主張がほとんど正しいと名誉棄損裁判で認められ、それなりに高額な賠償金も認められたとのこと

まだ地裁判決ではあり、被告の暇空茜こと暇な空白氏は控訴する方針のようだが、報道や判決文などを簡単に見たかぎりでは全面的にくつがえすことは極めて困難に思える。 「暇空茜」氏敗訴 合計220万円の支払い命令 対Colabo訴訟(小川たまか) - エキスパート…

批判的な言及で暇な空白氏から名誉棄損裁判をしかけられていた弁護士の伊藤和子氏が、勝訴確定との報告

地裁につづいて高裁でも勝訴した報告は相手方の都知事選出馬にかきけされた感があったが、都知事選終了後に伊藤氏の勝訴が確定することとなった。 暇空茜氏から提起された訴訟。高裁でも勝訴出来ました。noteに判決を公開しました。|伊藤和子(弁護士)Kazu…

日本歴史学協会の声明が名誉棄損だとして歴史学者の呉座勇一氏が訴えた件で、とりあえず地裁では呉座氏が完全敗訴したとのこと

呉座勇一氏が日本歴史学協会を訴えた名誉毀損訴訟で日本歴史学協会が全面勝訴しました - 武蔵小杉合同法律事務所 本日5月20日、東京地方裁判所立川支部は、呉座氏の請求を全面的に棄却する判決を下した。 判決の中で、裁判所は、「本件声明は、被告が、ハ…

集会で史実に言及したことが政治的とされ、群馬県が朝鮮人追悼碑を破壊したあげく、撤去費を市民団体に要求

あいちトリエンナーレ2019年の「表現の不自由展・その後」でも一作品のモチーフとなった朝鮮人追悼碑*1を群馬県が破壊して、その費用を市民団体に請求する期日がきた。 朝鮮人追悼碑の撤去費、2062万円 群馬県が市民団体に請求:朝日新聞デジタル 県は4月18…

名誉棄損裁判で山崎雅弘氏と雁琳氏はどこで差がついたかといえば、相手を批判するだけの意義と根拠に違いがある

竹田恒泰氏の主導した歴史教科書が検定を通過したことで、かつて竹田氏に名誉棄損でうったえられて完全勝利した山崎氏が*1、判決をふりかえりながらあらためて批判していた。 富山の教育委員会が、竹田恒泰氏に中高生向けの講演をさせる企画が報じられた時、…

インターネットの一部では、名誉棄損裁判で勝訴した北村紗衣氏が、周囲が誤読するよう誘導して騙していることにされている

編集者で小説家の鳥山仁氏がツイートしているように、漫画『葬送のフリーレン』における「魔族」の設定*1に北村氏をなぞらえる動きがあるらしい。 宇崎ちゃん騒動時のつぶやきを読んだ段階で思っていたんだが、北村紗衣は文才があるんだよな。丁寧に読むと「…

雁琳氏に誹謗中傷されたとして北村紗衣氏がうったえた名誉棄損裁判で、比較的に高額の賠償が認められたとのこと

まだ地裁の段階だが、判決を読んだかぎりでは大多数の争点で原告側の主張が認められており、素人目にも全面的にひっくりかえるとは思えない*1。 北村教授への誹謗中傷について、東京地裁が加害者に220万円の高額賠償判決を命じました - 武蔵小杉合同法律…

刑事告訴が受理されたことをつたえる報道が人権を踏みにじっているというなら、刑事告訴を検討する段階で報道するのはどうなの?

まず、書類送検は検察が捜査をはじめるまでの手続きであり、逮捕と同じように必ずしも有罪であることを意味しない。 そこで暇空茜こと暇な空白氏が書類送検された報道に対して批判があり、はてなブックマークでもid:whkr氏による下記コメントがはてなスター…

もしも支援団体Colaboへの監査で不正が見つからなくても請求が認容されたことが重視されるべきなら、たとえば不起訴処分になった人物でも書類送検されたことを重視すべきだろうね

まず半年前に書いたエントリから、Colaboの監査結果とその後の状況について刑事犯罪でたとえた部分を再掲しよう。 形式的に「当たり前の権利は保障されるべきとして暇空茜を支持する」というなら、「当たり前の権利は保障されるべきとして仁藤夢乃を支持する…

訴訟をとりさげた呉座勇一氏の反省部分に対して、関西学院大教授の千野帽子氏は「どっちが上品か」で考えてしまうとのこと

呉座側の代理人をつとめた弁護士の吉峯耕平氏が、相手方の全面勝利和解ではないという認識をツイートしていた。 被告側としては「全面勝利和解」と捉えているようですが、互譲によって合意が成立した解決ですから、当方はそのほうに認識しておりません。なお…

オープンレター「女性差別的な文化を脱するために」をめぐる裁判で、オープンレターを発表した側の勝利で和解したという発表

一般的に和解は双方が満足もしくは許容できるかたちでおこなわれるが、一方が勝利したと発表できる和解ももちろん存在する。弁護士の渡辺輝人氏*1もツイートで指摘している。 勝利和解は幾らでも例はあり、私も、裁判所から「判決なら勝訴」と言われた事例で…

科研費裁判で杉田水脈氏が一部でも逆転敗訴したのは良かったが、「捏造」という評価をめぐる裁判所の判断はよくわからない

杉田水脈氏に33万円賠償命令 控訴審判決、教授らの訴え一部認める | 毎日新聞 清水裁判長は、経理に関する発言は科研費が不適切に使用されたと受け取られる内容で、真実とも認められないと判断。「ずさん」と指摘された牟田氏の社会的評価を低下させたと認定…

石川優実氏が名誉棄損されたという判決が確定したとのこと

「はるかちゃん」から私に対する名誉毀損が認められました。 | 石川優実 [Yumi Ishikawa] Official Site 私は、乞食行為をしていないことを書面で証明し、それが認められたということです。実際に被告はるかちゃんが「乞食だ」と主張していた私の行為は、き…

天皇玄孫の竹田恒泰氏、戦史研究者の山崎雅弘氏を名誉棄損でうったえて、「負け戦」を経験する

一審でも二審でも主張が認められつづけた山崎氏が、最高裁の上告棄却により勝訴が確定した。 先ほど、代理人弁護士の佃克彦さんより連絡がありました。竹田恒泰氏が私に対して起こした裁判での最高裁判所の決定が届きました。上告は棄却、上告受理申立は不受…

『ハクソー・リッジ』

第一次大戦帰りの父親にあおられて、幼いデズモンドは弟へひどい暴力をふるってしまう。成長したデズモンドは暴力を嫌うようになったが、対日戦争のため軍隊に志願した。 しかしデズモンドは軍隊でも暴力を嫌い、けして銃にさわろうとしない。それでも組織や…

『 終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」』

1945年5月の福岡。教授に呼ばれて捕虜の手術に参加した助教授は、人体実験をしていることに気づく。 敗戦とともに裁判がはじまり、拘置所の教授は軍に命令されたが自分に全責任があると遺書をのこして自殺。 助教授は出廷できるなかでの最高責任者として、死…

強者が弱者に嫌がらせをするという「スラップ訴訟」の「特徴」は、絶対的な「定義」ではないよ

著作が引用をめぐって訴訟された石川優実氏だが、一審では全面勝訴した。 弁護士ドットコム記事によると、記者会見で石川側弁護士が「一種のスラップ訴訟」と表現したという。 石川優実さん勝訴、本で紹介した「#KuToo」批判ツイートは「著作権侵害」にあた…

中国での幕府山事件の捕虜虐殺を正当化する妄言と同程度のツイートが21世紀の日本で流れていた

幕府山事件とは日中戦争で日本軍のおこなった虐殺のひとつで、捕虜をあつめて裁判もなく機関銃で皆殺しにしたと考えられている。 近年では清水潔氏の調査によるドキュメンタリー番組が深夜ながら地上波で放映され、再現映像ともども印象深い内容だった。 「…

『ドキュランドへようこそ』「RBG 最強の85才」(前編)

2020年9月に死去したノトーリアスBIGならぬノトーリアスRBGの、2018年につくられた長編ドキュメンタリーを二分割して放映。後編は来週。 www.nhk.jp 最高裁判事の就任式に、つい先日に米国新大統領に就任したバイデンがいて、おそらく日本で後づけされたテロ…

『ドキュランドへようこそ』「私のような少女たちへ」

2018年のフランスとカザフスタンの合作ドキュメンタリ。『ドキュランドへようこそ 選』の再放送で視聴した。 www.nhk.jp 実父に性的暴行を受けていたアフガニスタンの女性カテラが、事件を社会にうったえる戦いを映しとる。 日本人の視聴者から見ると中東と…

『真昼の暗黒』

腹立ちまぎれに馬車の荷をひっくりかえした男がいた。それを償うため仲間に頭を下げてもらいながら、男は金策に困った姿を見せる。 そして夫婦心中に偽装した強盗殺人が起きる。荷をひっくりかえした男が自白するが、手のこんだ偽装工作から警察は複数犯と考…

名誉棄損裁判で植村隆氏の敗訴が確定したが、勝訴した櫻井よしこ氏こそが誤りを認めて謝ったことは知られてほしい

敗訴したことは残念だが、一審二審における裁判所の動きから予想はしていた。 慰安婦巡り元朝日記者の敗訴確定 最高裁、上告退ける決定 最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は植村氏の上告を退ける決定をした。18日付。請求を棄却した一、二審判決が確定した…

STUDIO4℃に対する訴訟は、裁判外で未払金が支払われたため、司法の前例としては確定できなくなったとのこと

マッドハウスにつづいてSTUDIO4℃の制作進行もブラック企業ユニオンに加入したとの情報 - 法華狼の日記 一点だけ救いがあるとすれば、先に戦おうとした人物がいて、きちんと報道されたことが、今回の動きにつながったこと。 上記エントリの続報になるが、会社…

判決がいうように「単なる慰安婦」か「挺身隊」かが当時の重要な争点だったら、金学順証言記事は違った内容になったのでは?

植村隆氏が櫻井よし子氏を名誉棄損でうったえた裁判で、札幌高裁は控訴を棄却した。 慰安婦報道訴訟、札幌高裁も棄却 元朝日記者の賠償請求:朝日新聞デジタル 櫻井氏は2014年に月刊誌「WiLL」4月号で「植村記者が真実を隠して捏造記事を報じた」と指摘。「…

検挙できそうになってようやく捜査をはじめるようじゃ、日本の警察が誇る検挙率も見せかけだよね

春名風花氏がインターネットの脅迫被害に対して告訴状を出したが、神奈川県警が受けとらなかったという。 「うちはそういうのやってないから」|春名風花|note 弁護士さんを通じて、刑事告訴の為の告訴状を神奈川県警察泉警察署に提出してもらっていたので…