セム祖語(セムそご、Proto-Semitic)とは、セム語派に属する言語の祖語として推定される言語である。 セム祖語は、紀元前3000年代には既に存在していたと考えられ、これは印欧祖語と同じ時代にあたる。文献に残る最古のセム系民族はサルゴン大王で知られるアッカド人で、その記録はおよそ紀元前2350年ごろにさかのぼる。エブラ語の資料も同じくらい古い。ウガリット語は紀元前1400年ごろにさかのぼる。紀元前1800年頃に原シナイ文字で書かれたと推定される刻字はセム語の話者によるものともされるが未解読である。 原郷についてはカナン人、アラム人、アラビア人といった遊牧民の出自についての記録から、それをアラビア半島であるとする説や、セム語派が属するアフロ・アジア語族、特に近縁とされるエジプト語派の分布から、原セム人はアフリカの角からアラビア半島へ移住したとする説があるが、時代が古いため推論の域を脱していない。