ミランダ (Uranus V Miranda)は、天王星の第5衛星である。他の天王星の大型衛星と同じように、天王星の赤道面に近い軌道で公転している。しかし、天王星が横倒しで自転しているため、太陽、あるいは黄道に対しては横倒しで公転している事になる。そのため、ミランダは天王星と同様に極端な季節変化がある。ミランダの直径はわずか 470 km であり、静水圧平衡の状態にある太陽系の衛星の中でも最小級のものの一つである。なお、静水圧平衡を満たしていることが分かっている最小の衛星は土星の衛星のミマス(直径約 400 km)である。 ミランダは、太陽系の中で最も極端かつ多様な地形を持つ。高さが 20 km と太陽系最大の落差を誇るヴェローナ断崖が有名で、金星にも見られるコロナと呼ばれている地殻変動の痕跡も残されている。この多様な地形の起源と進化については完全には解明されておらず、ミランダの形成についても複数の仮説がある。 ミランダは1948年2月16日にマクドナルド天文台で観測を行っていたジェラルド・カイパーによって発見された。ミランダという名は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『テンペスト』に登場するプロスペローの娘の名前に由来する。