創薬(そうやく、英: drug discovery)とは医学、生物工学および薬学において薬剤を発見したり設計したりするプロセスのことである。 歴史的に、大半の薬剤は、伝統治療薬(生薬)の有効性成分が同定されたり、ペニシリンのように偶然によって発見されたものであった。今日における創薬アプローチは、疾病や感作が分子生物学や生理学の見地で解明された制御機序や、その見地において見出された創薬対象の特性を理解することで薬剤を発見する手法である。 さらに最近は、古典的薬理学で治療効果があった物質を同定するために、合成低分子、天然物、または抽出物の化学ライブラリーを無傷細胞または全生物でスクリーニング(選別)している。ヒトゲノムの配列決定により、大量の精製タンパク質の迅速なクローニングと合成が可能になったので、逆薬理学として知られているプロセスで、病気を引き起こすと仮定された生物学的標的に対する大規模化学ライブラリーのハイスループットスクリーニングも一般的になってきた。これらのスクリーニングから得られたヒット(薬物候補)は、細胞内でテストされ、その後、動物で効能が評価される。