結界(けっかい)は、仏教において、サンガ(saṃgha, 僧伽(そうぎゃ))がひとつの「」(sammukhībhūta-saṃgha)の空間領域(sīmā =界)を設定することを言う。結界についての規定は律蔵の犍度(けんど)の第一章に見られる。 後世、界の概念と密教の神秘主義が合体することにより、原初のインド仏教にはなかった、「特殊なエネルギーを保持した神秘空間としての界」という観念が生じ、聖なる領域と俗なる領域を分け、秩序を維持するために区域を限るという意味あい(けっかい、Siimaabandha)も生じた。さらに日本では、古神道や神道における神社などでも、同様の概念があることから、言葉として用いられている。大和言葉では端境(はざかい)やたんに境ともいう。