「嘆きの歌」の版間の差分
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2011年5月29日 (日) 21:01時点における版
クラシック音楽 |
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作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 ルネサンス - バロック 古典派 - ロマン派 近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 木管楽器 - 金管楽器 打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 交響曲 - ピアノ協奏曲 ピアノソナタ ヴァイオリン協奏曲 ヴァイオリンソナタ チェロ協奏曲 フルート協奏曲 弦楽四重奏曲 - オペラ 指揮者 - 演奏家 オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 宗教音楽 |
イベント |
音楽祭 |
メタ |
ポータル - プロジェクト カテゴリ |
『嘆きの歌』(なげきのうた、ドイツ語:Das klagende Lied )は、グスタフ・マーラー初期のカンタータ。1878年から1880年にかけて初稿が書かれ、1888年から1893年まで最初の改訂(第2稿)が、1898年から翌1899年まで2度目の改訂(最終稿)が施された。マーラー自身が作詞も全て手懸けており、原型のまま現存する最初期の作品の1つである(なお、イ短調のピアノ四重奏曲断章は1876年の作品である)。
作曲史
マーラーは、ウィーン音楽院の最終年次の前半において、『嘆きの歌』の台本を(おそらくはルートヴィヒ・ベヒシュタインの同名のお伽噺やグリム兄弟の『歌う骸骨』をもとに)書き始め、その草稿は、1878年3月18日の日付が記されている。作曲は1879年秋に着手され、1880年11月1日に脱稿した。楽曲は大規模に構想されており、初稿では大人数のオーケストラと、70分ほどの演奏時間が必要である。
初稿においては、次のように3部作であった。
- 森の伝説 Waldmärchen
- 流離いの楽師 Der Spielmann
- 婚礼の音楽 Hochzeitsstück
この初稿は、ウィーン楽友協会による作曲コンクール「ベートーヴェン賞」の応募作として作曲・提出されたが、ワーグナーの先を行くような斬新で意欲的な表現により、ブラームスに代表される保守的な審査員に何らアピールしなかった。これを機に、マーラーは数度にわたって初稿に大幅に手を入れる。
第2稿で目につくのは、オーケストラや声楽パートの調節と改編である(ハープを6台から2台に、独唱者数を11人から4人に削減)。少年合唱も取り除かれた。初稿では重要な役割を担っていた舞台袖のオーケストラも、第2部および第3部からすっかり削られている。第1部では、このようなこと細かな苦心の改訂にもかかわらず、マーラーは1893年の秋に、それをそっくり割愛することにしてしまう。演奏時間は約40分になった。
初稿の第1部が省略されて2部作となった『嘆きの歌』は、1898年9月から12月にかけて、さらに手を加えられた。この頃に、以前に取り除かれた舞台袖のバンダが復原されている。1898年の改訂は、事実あまりにも徹底したものだったため、マーラーは新たに自筆譜を作り直さなければならないほどだった。
編成
初稿3部構成
木管 | 金管 | 打 | 弦 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Fl. | 3 (Pic2に持ち替え) | Hr. | 4 (ナチュラルホルンに持ち替え) | Timp. | ● | Vn.1 | ● |
Ob. | 2, Ehr1 | Trp. | 4, (コルネット2に持ち替え) | 他 | トライアングル, Cym, Tam-t, B.D. | Vn.2 | ● |
Cl. | 2, B.Cl1 | Trb. | 3 | Va. | ● | ||
Fg. | 3 | Tub. | 2 | Vc. | ● | ||
他 | 他 | Cb. | ● | ||||
その他 | Hp6, 独唱(Sop, Alt, Ten, Bar, ボーイソプラノ, ボーイアルト, 混声合唱 |
第1部と第3部にバンダとして以下の編成が加わる。
木管 | 金管 | 打 | 弦 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Fl. | 2, Pic1 | Hr. | Timp. | ● | Vn.1 | ||
Ob. | Trp. | フリューゲルホルン4 (コルネット3に持ち替え) | 他 | トライアングル, Cym | Vn.2 | ||
Cl. | B2, Es2 | Trb. | Va. | ||||
Fg. | 3 | 他 | Vc. | ||||
他 | Cb. |
最終稿第2部・第3部
木管 | 金管 | 打 | 弦 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Fl. | 3 (Picに持ち替え) | Hr. | 4 | Timp. | ● | Vn.1 | ● |
Ob. | 3 (Ehrに持ち替え) | Trp. | 4 | 他 | トライアングル, Cym, Tam-t, B.D. | Vn.2 | ● |
Cl. | 2, B.Cl1 | Trb. | 3 | Va. | ● | ||
Fg. | 2, コントラファゴット | Tub. | 1 | Vc. | ● | ||
他 | 他 | Cb. | ● | ||||
その他 | Hp2, 独唱(Sop, Alt, Ten, ボーイアルト(任意), 混声合唱 |
第3部にバンダとして以下の編成が加わる。
木管 | 金管 | 打 | 弦 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Fl. | 2, Pic1 | Hr. | 4 | Timp. | ● | Vn.1 | |
Ob. | 2 | Trp. | 2 | 他 | トライアングル, Cym | Vn.2 | |
Cl. | 4 | Trb. | Va. | ||||
Fg. | 3 | 他 | Vc. | ||||
他 | Cb. |
演奏時間
初稿:約70分 最終稿:約40分
受容史
『嘆きの歌』のウィーン初演は、1901年2月17日にマーラー本人によって行われたが、演奏が不出来だったらしく、そのため評価は今一つであったと伝えられる。初演も出版もともに、2部作の最終稿によっている。しかしながら、初稿の自筆譜が1969年に脚光を浴びるようになると、最終稿の2部の前に初稿の第1部を置いた3部作の形でたびたび演奏・録音が行われるようになった。初稿は1997年になって出版された。初稿3部作の日本初演は、1998年5月に東京交響楽団によって行われた。
外部リンク
- matsumo, 「クラシック音楽の紹介: グスタフ・マーラー(5)」(個人サイト:関連画像などが閲覧できる)