コンテンツにスキップ

室田伊緒

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2024年10月12日 (土) 22:28; Bcxfubot (会話 | 投稿記録) による版 (外部リンクの修正 http:// -> https:// (jugem.jp) (Botによる編集))(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

 室田伊緒 女流三段
人間将棋 姫路の陣」にて
(2017年11月4日撮影)
名前 室田伊緒
生年月日 (1989-05-24) 1989年5月24日(35歳)
プロ入り年月日 2005年10月1日(16歳)
女流棋士番号 35
出身地 愛知県春日井市
所属 日本将棋連盟(関西)
師匠 杉本昌隆八段
段位 女流三段
女流棋士DB 室田伊緒
2024年7月13日現在
テンプレートを表示

室田 伊緒(むろた いお、1989年5月24日 - )は、日本将棋連盟(関西本部)所属の女流棋士女流棋士番号は35(2011年3月31日までは59)。愛知県春日井市出身(富山県砺波市生まれ[1])。杉本昌隆八段門下。愛知県立春日井南高等学校を経て、愛知淑徳大学を2012年3月に卒業[2]

棋歴

プロ入りまで

将棋を始めたのは小学校5年生の時で、最初は弟が大会で指しているのを見ているだけだったが、春日井支部長から「お姉ちゃんも一緒に指そうよ」と何度も誘われ、参加賞の鉛筆につられて参加したのがきっかけだった。当時はピアノ、水泳、英会話、書道などを習っていたが、半年後には他の習い事をすべてやめ本格的に将棋を始めた[3][4]

2004年には第36回女流アマ名人戦で優勝した。同年の第42期赤旗名人戦にも出場し、男性トップアマを相手に本戦トーナメント入りし、準々決勝で吉田正和に敗れた。同棋戦の女性の本戦入りは大会史上初であった。

2004年度、女流育成会に入会。入会1期目の2004年度後期女流育成会で成績2位で昇級点を獲得[5]。 続く2005年度前期女流育成会においても優勝し、制度上最短となる1年(1期目から連続昇級点獲得)で育成会を抜け、2005年10月1日付で女流2級としてプロ入りした[6][注釈 1]

プロ入り後

2005年度、第17期女流王位戦で予選を勝ち抜き、本戦リーグ入りを果たした[注釈 2][7]。これにより、女流2級から女流1級への昇級規定「女流王位戦でリーグ入り」を満たし、プロ入りから半年後の、2006年4月1日付で女流1級に昇級した[8]

2007年度は年度成績(2007年4月から2008年3月まで)を12勝4敗として[9]、「女流1級で指し分け以上(7勝以上)」の昇段規定を満たし2008年4月1日付で女流初段に昇段した[10]

2014年9月10日に、第26期女流王位戦の予選で船戸陽子女流二段に勝利し、「女流初段昇段後60勝」の昇段規定を満たして女流二段に昇段した[11]

2024年度、第18期マイナビ女子オープンの予備予選を勝ち抜き、同年7月13日に行われた一斉予選の1回戦で頼本奈菜女流初段に勝利し、「女流二段昇段後100勝」の昇段規定を満たして女流三段に昇段した[12]

棋風

得意戦法は四間飛車であり、『将棋世界』2006年8月号から2007年6月号まで、師匠の杉本昌隆七段とともに、「伊緒の振り飛車レッスン」というコーナーを連載していた。

人物

女流棋士として

2008年4月から9月まで、師匠の杉本昌隆七段が出演したNHK将棋講座『杉本昌隆の振り飛車ナビゲーション』で聞き手を務めた。また、日本将棋連盟では棋士会の副会長を2015年6月4日から2017年5月28日まで務めた[13]

愛称は「女帝」。糸谷哲郎が言い出したとされる[14]

杉本門下では藤井聡太の姉弟子であり、以前は藤井を「そうちゃん」と呼んでいたという[15]

2006年5月14日から2010年5月15日までの4年間、同じ日本将棋連盟関西本部所属の女流棋士である里見香奈・井道千尋[注釈 3]とともに「キラリっ娘のそよ風日記」というブログを交代で執筆・公開していた。

家族

2012年5月に囲碁棋士の井山裕太と結婚[16] [17]。その後、2016年1月に離婚したことを公表した[17][18]

2022年4月10日、ツイッターで毎日放送(MBS)アナウンサー(当時)の森本尚太と結婚したと報告。「4月1日に毎日放送アナウンサーの森本尚太さんと結婚しました」と伝え、純白のウエディングドレス姿で新郎とともに笑顔を浮かべる写真を公開した[19]

地元での活動

春日井市には小学校1年から大学卒業まで住んでおり、「かすがい『人・夢創り』文化スポーツ大使」を2012年4月1日から2015年3月31日まで務めた[20][21][22]。また、2016年1月22日より春日井市の広報大使を務めており[23]、2017年(平成29年)には同市の東部市民センターで藤井聡太らと「室田伊緒presentsかすがいキッズ☆将棋フェスタ」を開催した[24]

昇級・昇段履歴

  • 2004年10月00日 - 女流育成会入会
  • 2005年10月01日 - 女流2級 = プロ入り[6]
  • 2006年04月01日 - 女流1級(女流王位リーグ入り、女流通算7勝2敗)[8][25]
  • 2008年04月01日 - 女流初段(年度成績指し分け以上/2007年度12勝4敗、女流通算23勝16敗)[10][26]
  • 2014年09月10日 - 女流二段(勝数規定/女流初段昇段後60勝、女流通算83勝)[11]
  • 2024年07月13日 - 女流三段(勝数規定/女流二段昇段後100勝、女流通算183勝190敗)[12][27][28][29]

主な成績

年度別成績

公式女流棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2005 9 7 2 0.7777 [25]
2006 14 4 10 0.2857 [30]
2007 16 12 4 0.7500 [9]
2008 20 11 9 0.5500 [31]
2009 22 8 14 0.3636 [32]
2010 19 9 10 0.4736 [33]
(小計) 100 51 49
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 23 10 13 0.4347 [34]
2012 16 4 12 0.2500 [35]
2013 16 8 8 0.5000 [36]
2014 28 14 14 0.5000 [37]
2015 12 6 6 0.5000 [38]
2016 18 9 9 0.5000 [39]
2017 12 5 7 0.4166 [40]
2018 21 12 9 0.5714 [41]
2019 20 9 11 0.4500 [42]
2020 23 12 11 0.5217 [43]
2011-2020
(小計)
189 89 100
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 24 12 12 0.5000 [44]
2022 25 13 12 0.5200 [45]
2023 26 14 12 0.5384 [46]
2021-2023
(小計)
75 39 36
通算 364 179 185 0.4917 [47]
2023年度まで

脚注

注釈

  1. ^ 女流育成会の卒業に最低2期の在籍が必要となった1996年以降、育成会が廃止された2009年までに、育成会を2期抜けしたのは里見香奈と室田のみ。
  2. ^ 第17期女流王位戦の予選は2005年度に行われ、本戦リーグ戦は、年度をまたいだ2006年度に行われた。
  3. ^ 井道は2007年度に関東へ移籍。

出典

  1. ^ 室田伊緒 [@iomuu] (2018年5月21日). "生まれは富山県砺波市です。出身は…". X(旧Twitter)より2021年5月23日閲覧
  2. ^ かすがい「人・夢創り」文化スポーツ大使 室田伊緒さん”. 春日井市. 2012年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年5月4日閲覧。
  3. ^ 講演 かすがい「人・夢創り」文化スポーツ大使 室田伊緒 氏”. 春日井市. 2021年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月23日閲覧。
  4. ^ 「女流棋士と私のお母さん」vol.1 室田伊緒女流二段”. いつつ (2017年4月29日). 2021年5月23日閲覧。
  5. ^ 2004年度後期女流育成会”. 日本将棋連盟. 2024年7月13日閲覧。
  6. ^ a b 2005年度前期女流育成会”. 日本将棋連盟. 2024年7月13日閲覧。
  7. ^ 第17期女流王位戦(2006年)予選”. 日本将棋連盟. 2021年1月29日閲覧。
  8. ^ a b 2006年4月1日付・昇段昇級者など”. 日本将棋連盟 (2006年4月1日). 2006年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月4日閲覧。
  9. ^ a b 2007年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月13日閲覧。
  10. ^ a b 2008年4月1日付昇段(女流棋士)|将棋ニュース”. 日本将棋連盟 (2008年4月1日). 2021年1月29日閲覧。
  11. ^ a b 室田伊緒女流初段が女流二段に昇段”. 日本将棋連盟 (2014年9月11日). 2015年5月4日閲覧。
  12. ^ a b 10時の対局 終局(2)”. マイナビ女子オープンブログ詳細|将棋情報局 (2024年7月13日). 2024年7月13日閲覧。
  13. ^ 棋士会役員のお知らせ”. 日本将棋連盟 (2015年6月5日). 2015年6月28日閲覧。
  14. ^ 呼び名は「そうちゃん?」 杉本一門女子が藤井聡太竜王を語る”. マイナビニュース (2023年1月31日). 2024年1月3日閲覧。
  15. ^ 「師匠は温かいお父さん」「“藤井くん”と呼んでいます」弟子たちが語る“杉本一門らしさ”とは”. 文春オンライン (2013年6月12日). 2023年6月15日閲覧。
  16. ^ 室田伊緒女流初段が囲碁棋士の井山裕太天元・十段と婚約”. 日本将棋連盟 (2012年2月20日). 2017年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月25日閲覧。
  17. ^ a b 囲碁・井山裕太六冠、将棋・室田伊緒女流二段と離婚”. 産経新聞(SankeiBiz) (2016年1月25日). 2017年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月25日閲覧。
  18. ^ 【井山7冠どんな人】高校進学せず囲碁に専念「悔いないように」”. スポーツニッポン (2017年10月17日). 2017年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月25日閲覧。
  19. ^ iomuu [@室田伊緒] (2022年4月10日). "ご報告です。4月1日に毎日放送アナ…". X(旧Twitter)より2023年6月17日閲覧
  20. ^ 室田女流初段が、かすがい「人・夢創り」文化スポーツ大使に”. 日本将棋連盟 (2012年4月4日). 2012年4月4日閲覧。
  21. ^ かすがい「人・夢創り」文化スポーツ大使が 松村亜矢子さんから室田伊緒さんに引き継がれました」『広報春日井』第1488号、2012年3月3日、2-3頁、2021年7月4日閲覧 
  22. ^ かすがい「人・夢創り」文化スポーツ大使引継式”. 春日井市 (2015年3月19日). 2021年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月4日閲覧。
  23. ^ 室田さんに委嘱 地元出身の棋士 /愛知”. 毎日新聞 (2016年1月23日). 2016年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月28日閲覧。
  24. ^ 春日井広報大使~春日井の魅力を市内外にPR!”. 春日井市 (2023年4月1日). 2023年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月15日閲覧。
  25. ^ a b 2005年度女流棋士成績一覧”. 日本将棋連盟. 2012年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月16日閲覧。
  26. ^ 2007年度女流棋士成績一覧”. 日本将棋連盟. 2012年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月16日閲覧。
  27. ^ 室田伊緒女流二段が女流三段に昇段|将棋ニュース”. 日本将棋連盟 (2024年7月16日). 2024年7月16日閲覧。
  28. ^ 女流棋士通算成績(2024年7月15日対局分まで)|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月16日閲覧。
  29. ^ 室田伊緒|女流棋士データベース”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月16日閲覧。
  30. ^ 2006年度女流棋士成績一覧”. 日本将棋連盟. 2012年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月16日閲覧。
  31. ^ 2008年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  32. ^ 2009年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  33. ^ 2010年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  34. ^ 2011年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  35. ^ 2012年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  36. ^ 2013年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  37. ^ 2014年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  38. ^ 2015年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  39. ^ 2016年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  40. ^ 2017年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  41. ^ 2018年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  42. ^ 2019年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  43. ^ 2020年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  44. ^ 2021年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  45. ^ 2022年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  46. ^ 2023年度女流棋士成績|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年7月16日閲覧。
  47. ^ 女流棋士通算成績(2024年3月31日対局分まで)|成績・ランキング”. 日本将棋連盟. 2024年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月16日閲覧。

関連項目

外部サイト