ボートマッチ
表示
ボートマッチ(vote match)は、有権者個々人の政治思想に最も近い政党や候補者を検査するインターネットサービス。
概要
選挙に関するインターネット・サービス。立候補者や政党に対し、選挙で争点となりそうな政策や問題に関するアンケートを送付。提出された回答を基にデータベースを作成し、有権者が同じアンケートに回答する事で、有権者と立候補者、または有権者と政党との考え方の一致度を測定することができる(政党に関しては、ボートマッチを主催している団体が各党のマニフェストなどを分析し、それをデータベース化している場合もある。)。
ヨーロッパでは広く普及しているサービスである。
名称の由来
「ボートマッチ」は、英語による呼び方。「ボート」(vote)は英語で「投票」や「票」、「参政権」、「選挙権」などを表す語で、「マッチ」(match)は「適合する」または「一致する」などの意味を持つ語である。
提供サービス
- えらぼーと
- NHKボートマッチ
- 朝日新聞デジタルボートマッチ
- 読売新聞ボートマッチ
- 投票マッチング
- JAPAN CHOICE
- ZERO選挙
歴史
サービスの発祥はオランダ。心理テストを元に1980年代後半に開発された。当時は紙によるテストで一致度も有権者自身が計算しなくてはならなかったが、デジタル化が進みコンピュータで計算できるようになった。1998年からインターネットによるサービスが始められる。その後オランダ国内での普及が進み、更にヨーロッパの他の国へも広がった。現在ではドイツやブルガリア、フランス、スイス、ベルギーなどでも行なわれている。
日本では、2001年7月に行なわれた参議院議員選挙で初めて佐藤哲也がインターネットを利用した争点投票支援システムを実施した[1]。その後、第21回参議院議員選挙で毎日新聞社と日本版ボートマッチ ワーキング・グループがそれぞれ独自に、インターネットを通じてボートマッチを実施した。
年表
- 1980年代後半 - オランダで心理テストを元に開発される。
- 1989年 - オランダの実際の選挙で実施される。
- 1994年 - マスコミで取り上げられ、オランダでの認知度が高まる。完全デジタル化。
- 1998年 - オランダの選挙で、初めてインターネットによる試みが実施される。
- 2001年 - 日本でも第19回参議院議員通常選挙を対象にした「投票エージェント実験」が佐藤哲也により実施された。
- 2002年 - オランダの総選挙で200万人以上の利用者を記録する。ドイツでもサービスが開始される。
- 2007年 - 日本で大手新聞社によるサービスが開始される。
参考文献
- ^ 佐藤哲也 「争点投票システムの提案とその評価 -2001年参院選を対象として-」、選挙研究、No.18、pp.148-163、2003