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村井多嘉子

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むらい たかこ

村井 多嘉子
『弦齋夫人の料理談』第1編より
生誕 尾崎多嘉
1880年7月頃
日本の旗 日本・東京府駿河台
死没 (1960-08-06) 1960年8月6日（80歳没）
日本の旗 日本・神奈川県平塚市
国籍 日本の旗 日本
別名 弦斎夫人
職業 料理研究家
活動期間 明治から昭和
著名な実績 夫の執筆活動への協力、初期の料理レシピの発表、割烹着の考案
代表作 『弦齋夫人の料理談』
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村井 多嘉子（むらい たかこ、1880年7月頃 - 1960年8月6日）は、明治から昭和にかけて活動した日本の料理研究家。美食小説で著名な小説家・村井弦斎の妻であり、弦斎とともに食に関する研究を進め、小説『食道楽』執筆に貢献した。和洋を問わず様々な料理に通じ、レシピ本の走りとされる『弦齋夫人の料理談』を著したほか、一説には料理服である割烹着の考案者としても知られる。出生名は尾崎多嘉（たか）。夫の名前から、弦斎夫人（旧字：弦齋夫人）とも呼ばれる。

生涯

生い立ち

1880年（明治13年）7月頃[注釈 1]、母・尾崎峯子と元志士の父・尾崎宇作との間に生まれる[4]。当時、尾崎家は火事に遭い、東京駿河台にあった親族の後藤象二郎宅に避難していた[4]。後藤は峯子の妹の夫であり、峯子が宇作と結婚したのも後藤の縁であった[4]。そのほか親戚には、峯子の妹の養父に岩崎弥太郎[5][4]、峯子の弟に井上竹次郎[5][4]、宇作の従兄に大隈重信[1][6]がいた。なお、「多嘉子」というのは通称で、戸籍名は「多嘉」[2]もしくは「たか」[7]である。二人の兄がおり、末っ子の多嘉子は可愛がられて育ったとされる[8]。

父が事業を始めたことに伴って8歳から大阪で暮らし[8]、16歳の時に東京に戻ってきてからは高輪に移った後藤宅の別棟で過ごした[9]。後藤宅には著名人も数多く訪れ、浄瑠璃の名人や市川團十郎、尾上菊五郎らの芸を見聞きしていた[8]。村井弦斎研究で知られるジャーナリストの黒岩比佐子は、村井多嘉子が育った環境はけた外れに贅沢な生活であったとし、「文字通りの深窓の令嬢」と形容している[8]。

後藤宅には西洋料理のコックがおり、コック部屋を訪ねては料理の話を聞いていた[8]。このほか、大隈邸の厨房にも出入りし[3]、後藤象二郎の妻である叔母からは土佐料理も教わるなどして[1]、優れた味覚を培った[3][1]。

1897年（明治30年）に後藤が死去してからは、家族とともに三田に住んだ[10]。

村井弦斎との結婚と「対岳楼」での暮らし

村井多嘉子が村井弦斎とともに暮らした平塚市の位置

1900年（明治33年）7月5日、小説家で報知新聞社社員[11]の村井弦斎（本名・寛）と結婚[12][13][注釈 2]。1901年（明治34年）には、後に登山家となる長女・村井米子が生まれている[14]。村井夫妻はこのほか、5人の子供に恵まれた[15][16]。

結婚当初、夫妻は三田に住んでいたが[17]、結婚翌年の1901年からは神奈川県の大磯町にあった後藤家の別荘[18]、さらに1902年（明治35年）には小田原市へと移り住んだ[3][14]。この間、夫・弦斎の執筆活動に協力し、出版された弦斎の美食小説『食道楽』は、当時として異例のベストセラーとなった[19]。その印税で1904年（明治37年）に平塚市に1万6000坪余りの広大な敷地を購入し[16][20][21][注釈 3]、この地に居を構えた[注釈 4]。

平塚市の自宅は富士山がよく見え、「対岳楼」と名付けられた[20]。家屋は大邸宅というほどではなかったが[23]、広大な土地に果樹菜園、畜舎、花壇などを配したほか、全国から名産品が持ち込まれ、二人はともに食と健康について実験研究を行った[16]。例えば、果樹園では桃、柿、ビワ、イチジク、梅、ザクロ、菜園では大根、キュウリ、ナス、パセリ、セロリ、レタス、アスパラガス、トマトのほかアーティチョークなどの珍しい野菜も作っており、畜舎では鶏、ウサギ、ヤギなどを育てていた[23]。油も埼玉で絞らせたごま油、高野山のカヤ油、鹿児島の山茶花油、大島の椿油、外国から輸入したサラダ油といった具合にいろいろなものを取り寄せて試していた[24]。

弦斎は『食道楽』で美食家として全国にその名が知られていたため、対岳楼には様々な人が集まり、これらの客人を多嘉子が手料理でもてなした[24]。村井多嘉子本人によれば、全国の食物関係の新作品は、ほとんどというほど村井家が相談を受けていたという[24]。

料理研究家として

1906年（明治39年）には、夫の弦斎が携わっていた料理雑誌『月刊 食道楽』[25]や、弦斎が編集顧問となって[26]日本女性の独立・自立を目指して同年に創刊された[27]雑誌『婦人世界』の創刊号[28]で、自身が考案した料理服である割烹着を発表した[29]。

『婦人世界』では、弦斎に代わって料理情報の提供を行い[30]、同年の夏頃[注釈 5]から『弦齋夫人の料理談』を連載した[16]。この連載は、翌1907年（明治40年）から1912年（明治45年）にかけて全4編の単行本として出版された[35]。連載『弦齋夫人の料理談』の関連シリーズは、この後も『婦人世界』の定番記事として昭和まで続いた[33]。1913年（大正2年）から1915年（大正4年）にかけては、『弦齋夫人の家庭相談』と題し、衛生・家政に関する研究や実験などの様々な知識を披露している[36]。このほか、1906年には『婦人画報』の秋季臨時増刊号にも西洋料理法に関する記事を寄稿している[37]。

その後、晩年の弦斎は断食や木食といった健康法を試すようになり、世間から奇異な目で見られることもあったが、多嘉子自身も断食に挑むなど最大の理解者として夫を支えた[38]。1915年（大正4年）からは子供たちの進学に伴って夫と離れて再び東京へ移り、小石川麦町、伝通院前、池袋に住んだ[15]。1923年（大正12年）の関東大震災の際には自宅を対策本部に提供して配給の玄米の炊き方を伝授している[16]。

1927年（昭和2年）に弦斎が死去した後は、土地を切り売りし、料理指導を行って生計を立てた[16]。1929年（昭和4年）には、小石川で村井食道楽会を結成した[39]。村井食道楽会の立ち上げを取り上げた新聞記事では、将来的には珍味や通の食品の販売や調理を行い、同好の者と楽しむという目標を語っている[39]。また、愛泉女学校や跡見学園といった学校で教壇に立ち[40]、相馬黒光に請われて食品メーカー中村屋の料理や菓子の相談を受けていたこともある[41]。

料理指導と並行して執筆活動も続け、1928年（昭和3年）から『婦人公論』で料理記事を連載するようになり、「温かくて手軽な鍋料理」「滋養のある病人料理」「季節向の野菜料理」「季節向の風変わりな酢の物料理」「パンに向く副食物」といったテーマでレシピを発表[42]。料理雑誌『月刊 食道楽』では「しつぽく鍋」や「鮭のコロッケ」など、和洋の家庭料理に関する計6件の料理研究記事を執筆した[43]。ジェンダー・食文化研究者の今井美樹によると、当時の同誌に女性の書いた記事が掲載されるのは稀なことだった[44]。1930年（昭和5年）には『一年間のお惣菜』、1937年（昭和12年）には『栄養と経済を主としたる手軽なお弁当の作り方』を刊行している[40]。

第二次世界大戦後は長男夫婦とともに平塚に住み、読書をしながら過ごした[19]。1960年（昭和35年）8月6日、80歳で死去[19][3]。平塚の豊田慈眼寺に眠る[16]。

人物

見た目はおっとりとしていて、上品なお嬢様育ちといった雰囲気だったとされる[45]。雑誌『月刊 食道楽』の編集者は、

夫人は美しく若く柔くまだ娘気残る愛らしき奥様である。

とその印象を語っている[46]。また、娘の村井米子によれば、若い頃は「何とか小町」と呼ばれていた[11]。ダリアと朝顔を気に入り、自宅「対岳楼」の花壇で好んで育てていたという[23]。

一方で、ジャーナリストの黒岩比佐子は、村井多嘉子は自分の能力をひけらかすことこそなかったが、教養と文才にあふれた人物だったと分析している[45]。米子とともにレオニー・ギルモアから英語教育も受けていた[47]。

夫の弦斎が断食による健康法を試みた後には、志願して自身も断食に挑んだ[48]。4日間の半断食を行ったのちに7日間の本断食を決行し[48]、この断食によって便通の改善や神経過敏の快癒といった効果があったとされている[49]。また、1918年には自ら望んで弦斎やのちに登山家となる娘の米子らとともに御嶽山の登頂を果たしている[50]。米子はこのときのことを振り返り、

か弱い上流婦人出身の母が、父との生活のうちに、いつか強い精神力のみでなく、体力をも身につけたのだろう。

と母をたたえている[51][50]。

夫・弦斎との関係

新婚時の村井多嘉子と村井弦斎

夫・弦斎は、もともと長兄のビリヤード仲間であった[12][13]。二人は弦斎が報知新聞に『日の出島』（1896年連載開始）を連載している時期に出会い[12][52]、1900年に結婚した[12][13]。当時、満年齢で多嘉子は19歳、弦斎は36歳で、二人は17歳差だった[13]。新婚旅行では箱根へ行き、多嘉子はこのとき初めて電車に乗ったという[53]。当時、弦斎は自身が連載中の『日の出島』に幸福先生というキャラクターを登場させ、自分の妻には百種の趣味を与えたいという願望を語らせている[53]。黒岩によれば、このキャラクターは幸福の絶頂にいる弦斎自身の分身であり、弦斎の多嘉子に対する想いを代弁させたものである[53]。

夫婦仲はその子供から見てもうらやましいほどに良好だったとされる[15][16]。娘の米子によれば、弦斎は自筆の文章の中で、多嘉子について、

我が家庭を幸福ならしむる夫人は、自ら称して我が理想に適ひたる妻なり、といふ程にして、飽くまでも日本婦人の美質を有する貴婦人。

と記している[54][17]。また、弦斎は執筆・取材や療養などの都合で多嘉子と離れているときは毎日のように手紙を書いており、神奈川近代文学館にはそうした書簡が433通、はがきが53枚残されている[55]。例えば、1909年に弦斎が静養先の湯河原から多嘉子に向けて送った手紙には、

夢に見しは両度なれども、心は殆ど毎日の様に御身の事を想い出し候。

と多嘉子への想いがしたためられている[56]。 一方、弦斎の手紙の内容から多嘉子も弦斎に宛てて頻繁に手紙を書いていたことが推測できるが、2004年時点で発見されているのは2通のみである[55]。そのうちの1通は関東大震災の十数日後のもので、

私もおかげ様で元気に暮して居りますから御安神〔ママ〕下さいませ、人間はこんなことに出逢ふとつよくなるものと見えます。

と気丈にふるまっている[57]。多嘉子は弦斎について、

アメリカ苦学中に見聞きしてきたりして、寛〔弦斎の本名〕は家庭生活に新しい理想をもち、〔中略〕家庭を大切にしてくれました。

と語っていた[14]。

業績・評価

『食道楽』への貢献

シリーズ累計50万部近くを売り上げた[58]夫・弦斎の小説『食道楽』は、嫁入り道具や食通本として扱われ[3]、美食ブームを巻き起こしたが[59]、同作の執筆に多嘉子は深く関わった[3]。

弦斎が『食道楽』を執筆したのは、多嘉子の素人離れした手料理を堪能するうち、食を中心にして近代的な家庭生活を説く実用書を思いついたためとされる[3]。弦斎は、自分でほとんど厨房に立つことがなかったため、料理に関する実践的知識の多くを多嘉子に頼っており[6]、レシピの考案には多嘉子が協力に当たった[3]。小説の題材は、当初は多嘉子が作る家庭料理の中から選ばれ、その後は大隈重信のコックらから取材した西洋料理が使われた[60]。このコックも、大隈の親族だった多嘉子を通じて紹介されたもので[61]、コックの試作品を多嘉子が家庭向けにアレンジしていた[3][62]。このほか、様々な執筆活動に必要な書籍や新聞記事の収集、資料探しなども多嘉子が引き受けており[63]、小説・エッセイの類は、記事に誤りがないかどうかすべて多嘉子がチェックしていたとされる[56][63]。

弦斎自身は、こうした多嘉子の貢献について『食道楽』の続編[64]のはしがきで、

味覚の俊秀、調味の懇篤、君は実に我家のお登和嬢たり。小説食道楽の成りしも、一半は君の功に帰せざるべからず。

と記し、同作のヒロイン・お登和になぞらえて多嘉子を称えている[62][65][1]。村井弦斎に傾倒し、墓前祭「弦斎忌」の実行委員長を務めていた小説家の火坂雅志は、このお登和というキャラクターは多嘉子をモデルにしたもので間違いないとし、弦斎の美食生活を支えていたのは料理の達人だった多嘉子であると評価している[6]。また、村井弦斎研究でサントリー学芸賞を受賞した黒岩比佐子は、弦斎が多嘉子に宛てた手紙を分析し、「秘書のようでもある」と位置づけている[63]。平塚市に関する研究で新人物往来社の郷土史研究賞を受賞した経験を持つ郷土史研究家の丸島隆雄も、村井多嘉子を「『弦斎事務所』の優秀な秘書でもあった」としている[46]。また、丸島は、多嘉子と弦斎は食育研究・家庭生活研究を進めていくうえで「車の両輪のような関係」だったと分析し、「弦斎夫人」との呼び名は、村井多嘉子はあくまで弦斎の妻に過ぎないということを示すものではなく、これまで弦斎の名で発表された数々の食に関する研究の共同研究者が村井多嘉子であったという事実を示すものとしてとらえることを提唱している[66]。

著書『弦齋夫人の料理談』

『弦齋夫人の料理談』第4編のテーマでもあった玄米

著書に『婦人世界』の連載を単行本にまとめて出版された『弦齋夫人の料理談』シリーズ（全4巻）がある[35]。同書は、記者の質問に村井が答える対談形式の料理書だった[67][68][35]。質問者はあくまで「一記者」とされているが、弦斎の自筆の原稿が一部残っており[31]、少なくとも記事のいくつかは弦斎が一記者となって書いたものとされる[26][注釈 6]。内容は月ごとのメニューで構成されており、料理のレシピ以外にも「朝食はこうあるべき」といった食事の心得も盛り込まれ[67]、食育の重要性も説いている[70]。また、第4編の「玄米応用手軽新料理」では、玄米の脚気予防効果を探り、当時の新しい知見の紹介や実験・研究成果の報告をして[71]、日本人の常食調理法を一新することを目的とした玄米食を提唱した[16]。

『弦齋夫人の料理談』には、「桃のフライ」「カスタードのおしるこ」[72]、さらには「苺の天麩羅」「茄子のウスターソース煮込み」「赤茄子（トマト）の苺ジャムがけ」[69]といった100年以上を経てもなお斬新[72]・ユニーク[69]とされうるようなメニューが多数掲載されており、ナタリーによると「レシピ本の走り」とも言われている[72]。料理ライターの小野員裕は、2015年に明治・大正・昭和時代の日本のレシピ本を特集した書籍の中で明治期のレシピ本の一つとして同書の第2編を取り上げている[67]。特に、小野は村井のレシピの一つである「牡蠣の玉子酢」を実際に作って食べ、

高級和食店の一品料理としてあってもおかしくない上品で繊細な料理だ。

と評価した[73]。2020年には、バラエティ番組の『タモリ倶楽部』で『弦齋夫人の料理談』が特集され、掲載されたレシピを実際に調理する様子が放送された[72]。同年には、113年ぶりに同書が再刊され、帯には「明治時代の驚愕の美食レシピ」との文言が記された[69]。

第4編で扱われた玄米研究については、いまだ脚気の原因がビタミン不足にあることが分かっていない時代に玄米に着目して研究していたことを丸島が指摘し、「先進的な取り組みであった」と評価している[36]。

書籍の構成面については、小野が「口語文による記者との問答集になっているのが実にユニークだ」と評している[67]。このような対談形式での進行については、2020年に実業之日本社から再刊された際の著者略歴によれば、現在のテレビ料理番組の構成の基礎になったとされている[35]。

割烹着の考案

自身で考案した割烹着を着た村井多嘉子

このほか、その起源には諸説があるが[26]、一説には割烹着の考案者としても知られている[74][56][注釈 7]。医師の加藤時次郎が着用していた手術服などから着想を得て[77][74][78]、従来、女性が着物を着て家事をするときに邪魔になっていたたもとを筒袖を使って解消したのが始まりである[56]。

村井は、こうして考案した割烹着を1906年に雑誌『月刊 食道楽』[25]や『婦人世界』[28]誌上で発表した[29]。『月刊 食道楽』では「音羽嬢式台所上衣」[77][78]、『婦人世界』では「弦斎式料理服」[74]という名称が使われ、割烹着の作り方が解説された[29]。また、村井自身も割烹着を着て『食道楽』の続編の口絵に登場している[29]。

割烹着は和服をすっぽりと覆うことができ[29]、社会学者の石田あゆうによると、衛生面に気を配った料理を促進し、国民の健康維持に貢献するものとされていた[74]。

著書

  • 石塚月亭 編『弦齋夫人の料理談』 第1編、実業之日本社、1907年8月10日。doi:10.11501/849018。 
    • 『弦齋夫人の料理談』実業之日本社、2020年6月1日。ISBN 978-4-408-33938-2。 没後に1907年出版の第1編を原書に忠実に復刻して出版されたもの[79]。
  • 石塚月亭 編『弦齋夫人の料理談』 第2編、実業之日本社、1909年1月28日。doi:10.11501/849019。 
  • 石塚月亭 編『弦齋夫人の料理談』 第3編、実業之日本社、1910年2月2日。doi:10.11501/849020。 
  • 石塚月亭 編『弦齋夫人の料理談』 第4編 玄米応用手軽新料理、実業之日本社、1912年1月15日。doi:10.11501/849021。 
  • 『一年間のお惣菜』衆人社、1930年1月10日。doi:10.11501/1028904。 
  • 『栄養と経済を主としたる手軽なお弁当の作り方』北斗書房、1937年7月15日。doi:10.11501/1029656。 
    • 村井米子 編『お弁当料理』新人物往来社、1978年2月20日。ISBN 978-4-404-00871-8。 没後に娘の米子の編集で『栄養と経済を主としたる手軽なお弁当の作り方』を改題して出版されたもの[40]。

家族・親戚

脚注

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注釈

  1. ^ 村井多嘉子の出生日について、山本文乃[1]は1879年生まれ、丸島隆雄[2]と星賀典子[3]は1880年7月6日生まれ、黒岩比佐子[4]は1880年7月11日生まれとしている。
  2. ^ 平塚市博物館の調査によれば、正式な入籍日は翌1901年の1月23日である[7]。
  3. ^ 当初は5000坪だったが、要望に応じて周囲の土地を買い足していき、最終的に1万6000坪となった[22]。
  4. ^ 村井家が平塚市に居を構えた年について、丸島隆雄[22]と星賀典子[16]は1904年、黒岩比佐子[20]は同じく1904年の12月とする一方、山本文乃[1]は1906年としている。
  5. ^ 黒岩比佐子[31]は1906年7月号[32]、石田あゆう[33]は1906年9月号[34]からとする。
  6. ^ 丸島隆雄は、記事のいくつかは弦斎によるものとしているが、それ以外は編集者の石塚月亭によるものとしている[68]。一方、同書を出版した実業之日本社は記者は弦斎だったそうだと紹介している[69]。
  7. ^ 赤堀割烹教場の赤堀峯翁が1902年に考案したとする説[75]、日本女子大学校の笹木幸子が考案したとする説[76]など異説もある。丸島隆雄は、複数の人物が独立に同様の考案をした可能性を指摘している[77]。

出典

  1. ^ a b c d e f g h 山本文乃 1982, p. 47.
  2. ^ a b 丸島隆雄 2019, p. 7.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 星賀典子 2019, p. 214.
  4. ^ a b c d e f g h i 黒岩比佐子 2004, p. 188.
  5. ^ a b c d 丸島隆雄 2019, p. 8.
  6. ^ a b c d 火坂雅志 2004, p. 61.
  7. ^ a b 黒岩比佐子 2004, p. 386.
  8. ^ a b c d e 黒岩比佐子 2004, p. 189.
  9. ^ 丸島隆雄 2019, p. 9.
  10. ^ 丸島隆雄 2019, pp. 9–10.
  11. ^ a b 黒岩比佐子 2004, p. 190.
  12. ^ a b c d 丸島隆雄 2019, p. 10.
  13. ^ a b c d 黒岩比佐子 2004, p. 187.
  14. ^ a b c 黒岩比佐子 2004, p. 194.
  15. ^ a b c 丸島隆雄 2019, p. 14.
  16. ^ a b c d e f g h i j k 星賀典子 2019, p. 215.
  17. ^ a b 黒岩比佐子 2004, p. 193.
  18. ^ 丸島隆雄 2019, p. 11.
  19. ^ a b c 丸島隆雄 2019, p. 15.
  20. ^ a b c 黒岩比佐子 2004, p. 240.
  21. ^ 火坂雅志 2004, p. 60.
  22. ^ a b 丸島隆雄 2019, p. 12.
  23. ^ a b c 黒岩比佐子 2004, p. 241.
  24. ^ a b c 黒岩比佐子 2004, p. 243.
  25. ^ a b 『月刊 食道楽』第2巻第1号、有楽社、1906年1月、48-49頁。 
  26. ^ a b c 丸島隆雄 2019, p. 18.
  27. ^ 石田あゆう 2000, p. 41-43.
  28. ^ a b 『婦人世界』第1巻第1号、実業之日本社、1906年1月、111頁。 
  29. ^ a b c d e 黒岩比佐子 2004, p. 225.
  30. ^ 石田あゆう 2000, p. 42.
  31. ^ a b 黒岩比佐子 2004, p. 252.
  32. ^ 『婦人世界』第1巻第7号、実業之日本社、1906年7月。 
  33. ^ a b 石田あゆう 2001, p. 64.
  34. ^ 『婦人世界』第1巻第9号、実業之日本社、1906年9月。 
  35. ^ a b c d 村井多嘉子 2020, 著者略歴.
  36. ^ a b 丸島隆雄 2019, p. 21.
  37. ^ 黒岩比佐子 2004, p. 245.
  38. ^ 丸島隆雄 2019, pp. 21–23.
  39. ^ a b 「食道樂會」『読売新聞』1929年12月25日、朝刊、3面。
  40. ^ a b c d 丸島隆雄 2019, p. 25.
  41. ^ 黒岩比佐子 2004, p. 397.
  42. ^ 石田あゆう 2000, p. 48.
  43. ^ 今井美樹 2012, pp. 311–312.
  44. ^ 今井美樹 2012, p. 319.
  45. ^ a b 黒岩比佐子 2004, p. 203.
  46. ^ a b 丸島隆雄 2019, p. 13.
  47. ^ 黒岩比佐子 2004, p. 242.
  48. ^ a b 黒岩比佐子 2004, p. 282.
  49. ^ 丸島隆雄 2019, p. 22.
  50. ^ a b 黒岩比佐子 2004, p. 290.
  51. ^ 丸島隆雄 2019, p. 23.
  52. ^ 黒岩比佐子 2004, p. 186.
  53. ^ a b c 黒岩比佐子 2004, p. 191.
  54. ^ 丸島隆雄 2019, pp. 10–11.
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  72. ^ a b c d “ずん飯尾と壇蜜が明治時代のハイカラレシピ再現、タモリとオズワルドの対面も”. お笑いナタリー (2020年5月22日). 2021年5月5日閲覧。
  73. ^ 小野員裕 2015, p. 71.
  74. ^ a b c d 石田あゆう 2001, p. 63.
  75. ^ 今井美樹 2012, p. 214.
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  77. ^ a b c 丸島隆雄 2019, p. 19.
  78. ^ a b 黒岩比佐子 2004, p. 389.
  79. ^ 村井多嘉子 2020, p. 198.

参考文献

  • 山本文乃「村井弦斎研究: 食生活改良論」『研究紀要』第26巻、文教大学女子短期大学部、1982年12月1日、44-56頁、NAID 120006420631。 
  • 石田あゆう「『食道楽』作家・村井弦斎にみる消費者教育」『京都社会学年報』第8巻、京都大学文学部社会学研究室、2000年12月25日、31-50頁、NAID 110000483209。 
  • 石田あゆう「大正期婦人雑誌における女性・消費イメージの変遷: 『婦人世界』を中心に」『京都社会学年報』第9巻、京都大学文学部社会学研究室、2001年12月25日、55-74頁、NAID 120005522638。 
  • 黒岩比佐子『『食道楽』の人 村井弦斎』岩波書店、2004年6月25日。ISBN 978-4-00-023394-1。 
  • 火坂雅志「『食育』の元祖・村井弦斎」『月刊自由民主』第620巻、自由民主党、2004年10月15日、58-63頁、NAID 40006455450。 
  • 今井美樹『近代日本の民間の調理教育とジェンダー』ドメス出版、2012年1月30日。ISBN 978-4-8107-0764-9。 
  • 小野員裕「上品で繊細な逸品 高級和食店で出てきても納得の『牡蠣の玉子酢』」『明治・大正・昭和のレシピで食道楽』洋泉社、2015年2月27日、69-72頁。ISBN 978-4-8003-0574-9。 
  • 丸島隆雄 著「村井多嘉子 『食道楽』の村井弦斎を支えた夫人」、平塚人物史研究会 編『平塚ゆかりの先人たち 第二集』2019年7月7日、7-28頁。 平塚市図書館蔵書。
  • 星賀典子 著「村井多嘉子」、江刺昭子・かながわ女性史研究会 編『時代を拓いた女たち 第III集 かながわの112人』神奈川新聞社、2019年7月26日、214-215頁。ISBN 978-4-87645-597-3。 
  • 村井多嘉子『弦齋夫人の料理談』実業之日本社、2020年6月1日。ISBN 978-4-408-33938-2。 
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