コンテンツにスキップ

アーロン・サンチェス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アーロン・サンチェス
Aaron Sanchez
ヒューストン・アストロズ時代
(2019年8月10日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州サンバーナーディーノ郡バーストウ
生年月日 (1992-07-01) 1992年7月1日(32歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
220 lb =約99.8 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2010年 MLBドラフト1巡目追補
初出場 2014年7月23日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

アーロン・ジェイコブ・サンチェスAaron Jacob Sanchez, 1992年7月1日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンバーナーディーノ郡バーストウ出身のプロ野球選手投手)。右投右打。フリーエージェント(FA)。愛称はサンチーズSanchize[1]

経歴

[編集]

プロ入りとブルージェイズ時代

[編集]
トロント・ブルージェイズ時代
(2016年3月24日)

2010年MLBドラフト1巡目追補(全体34位)でトロント・ブルージェイズから指名され、6月15日に契約[2]。この年は傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ブルージェイズで8試合に登板後、A-級オーバーン・ダブルデイズへ昇格。2試合に先発登板して0勝1敗、防御率4.50、9奪三振を記録した。

2011年はまずアパラチアンリーグのルーキー級ブルーフィールド・ブルージェイズ英語版でプレーし、11試合(先発6試合)に登板して3勝2敗1セーブ、防御率5.48、43奪三振を記録した。8月にA-級バンクーバー・カナディアンズへ昇格。3試合に登板して0勝1敗、防御率4.63、13奪三振を記録した。

2012年はA級ランシング・ラグナッツでプレーし、25試合(先発18試合)に登板して8勝5敗、防御率2.49、97奪三振を記録した。

2013年はA+級ダニーデン・ブルージェイズでプレーし、22試合(先発20試合)に登板して4勝5敗、防御率3.34、75奪三振を記録した。

2014年はAA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツで開幕を迎え、6月にAAA級バッファロー・バイソンズへ昇格。AAA級バッファローでは8試合(先発6試合)に登板して0勝3敗、防御率4.19、27奪三振を記録した。7月22日にブルージェイズとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りし[3]、翌23日のボストン・レッドソックス戦でメジャーデビュー。1点リードの7回表から登板し、2回を無安打無失点2奪三振に抑え、初ホールドを記録した[4]。その後はリリーフ陣の一角として大車輪の活躍を見せ、24試合の登板で防御率1.09と、メジャー1年目から好防御率を記録した。

2015年は41試合で投げたうち11試合で先発投手としてマウンドに登った。この年は防御率3.22、7勝6敗という成績を残し、前年ほどの防御率ではなかったが、シーズンで勝ち越した。一方で約90.0イニングで44四球を出し(おおよそ2.0イニングで1個の割合)制球面で課題が浮かび上がった。

2016年は、開幕から先発ローテーションに据えられた。シーズン前半で18試合に登板し、防御率2.97、9勝1敗、118.1イニングで103奪三振という好成績を記録[5]。この活躍ぶりが評価され、オールスターに選出、4番手としてマウンドに登った(1.0イニングを2安打1失点)[6]。後半戦でも概ね安定したピッチングを続け、シーズン終盤まで田中将大マイケル・フルマーらと防御率リーグトップの座を争った。リーグトップの座を固めて迎えた最終登板では、内容次第では陥落の可能性もあったが、7.0イニングを2安打1失点という見事なピッチング[5]を披露、最終的な数値を3.00としてア・リーグの最優秀防御率のタイトルを獲得した。また、勝率.882でもリーグトップとなり、J.A.ハップと共に2大エースとしてチームを引っ張った。

2017年は年間を通して離脱が多く、7月22日にシーズン4度目の故障者リスト入りした[7]。結局この年は8試合先発で1勝3敗、防御率4.25、WHIP1.72とキャリアワーストの成績に終わった。

2018年1月12日に年俸調停で単年2700万ドルの契約を結んだ[8]。シーズン初めは制球に苦しみ、79.2イニングを投げ、45四球だった。6月23日に、右手の打撲で故障者リストに入った[9]。レギュラーシーズンでは、20先発で4勝6敗だった。

アストロズ時代

[編集]

2019年7月31日にデレク・フィッシャー、金銭とのトレードで、ジョー・ビアジーニカル・スティーブンソンと共にヒューストン・アストロズへ移籍した[10]。移籍後初登板となった8月3日のシアトル・マリナーズ戦(ミニッツメイド・パーク)で6回を2四球無安打に抑え、後続3投手(ウィル・ハリスジョー・ビアジーニクリス・デベンスキー)との継投でのノーヒットノーランを達成した[11]。オフの12月2日にノンテンダーFAとなった[12]

ジャイアンツ時代

[編集]

2020年はどの球団にも所属しなかった。2021年2月21日にサンフランシスコ・ジャイアンツと400万ドルの単年契約を結んだ[13]。オプションとして最大250万ドルの出来高が含まれる。


2022年オフの11月6日にFAとなった[14]

選手としての特徴

[編集]

スリークォーターから、リリーフ時には最速99.4mph(約160km/h)を計測しており、先発転向後は平均94-95mph(約151-153km/h)のツーシームを中心に、平均94-95mphのフォーシーム、平均78mph(約126km/h)の大きく曲がるカーブ、平均88mph(約142km/h)のチェンジアップなどを主に使用する[15]。奪三振率はメジャー通算7.1とあまり高くなく、ツーシームなどでゴロを量産するグラウンドボールピッチャー[16]

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2014 TOR 24 0 0 0 0 2 2 3 7 .500 121 33.0 14 1 9 0 1 27 1 0 5 4 1.09 0.70
2015 41 11 0 0 0 7 6 0 10 .538 380 92.1 74 2 6 0 1 61 2 1 35 33 3.22 1.28
2016 30 30 0 0 0 15 2 0 0 .882 790 192.0 161 15 63 0 5 161 5 0 69 64 3.00 1.17
2017 8 8 0 0 0 1 3 0 0 .250 167 36.0 42 6 20 0 1 24 1 0 24 17 4.25 1.72
2018 20 20 0 0 0 4 6 0 0 .400 474 105.0 106 11 58 2 7 86 4 0 62 57 4.89 1.56
2019 23 23 0 0 0 3 14 0 0 .176 524 112.2 131 15 59 2 10 99 7 0 82 76 6.07 1.69
HOU 4 4 0 0 0 2 0 0 0 1.000 81 18.2 14 5 9 0 1 16 0 0 10 10 4.82 1.23
'19計 27 27 0 0 0 5 14 0 0 .263 605 131.1 145 20 68 2 11 115 7 0 92 86 5.89 1.62
2021 SF 9 7 0 0 0 1 1 0 0 .500 156 35.1 32 2 15 0 4 26 0 1 12 12 3.06 1.33
2022 WSH 7 7 0 0 0 3 3 0 0 .500 141 31.1 47 6 8 1 1 16 1 0 30 29 8.33 1.76
MIN 8 3 0 0 0 0 1 0 0 .000 124 28.2 31 2 7 0 4 25 1 0 16 15 4.71 1.33
'22計 15 10 0 0 0 3 4 0 0 .429 265 60.0 78 8 15 1 5 41 2 0 46 44 6.60 1.55
MLB:8年 174 113 0 0 0 38 38 3 17 .500 2958 685.0 652 72 292 7 37 541 28 1 345 317 4.16 1.38
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

[編集]


投手(P)












2014 TOR 24 0 11 1 0 .917
2015 41 5 12 2 0 .895
2016 30 16 32 2 1 .960
2017 8 3 4 1 0 .875
2018 20 3 15 1 1 .947
2019 23 8 16 0 1 1.000
HOU 4 4 1 0 0 1.000
'19計 27 12 17 0 1 1.000
2021 SF 9 2 7 0 1 1.000
2022 WSH 7 1 4 0 0 1.000
MIN 8 2 4 0 0 1.000
'22計 15 3 8 0 0 1.000
MLB 174 44 106 7 4 .955
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

[編集]

記録

[編集]

背番号

[編集]
  • 41(2014年 - 2019年7月3日)
  • 18(2019年8月3日 - 同年終了)
  • 21(2021年)
  • 45(2022年)
  • 43(2022年)

脚注

[編集]
  1. ^ Blue Jays Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  2. ^ Blue Jays Sign 14 Draft Picks”. MLB.com Blue Jays Press Release (June 15, 2010). July 25, 2014閲覧。
  3. ^ Blue Jays roster moves”. MLB.com Blue Jays Press Release (July 22, 2014). July 25, 2014閲覧。
  4. ^ Scores for Jul 23, 2014”. ESPN MLB (July 23, 2014). July 25, 2014閲覧。
  5. ^ a b Aaron Sanchez 2016 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年10月5日閲覧。
  6. ^ July 12, 2016 All-Star Game Play-By-Play and Box Score - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年10月5日閲覧。
  7. ^ nchez-on-disabled-list/ Blister forces Sanchez to DL for 4th time MLB.com (英語) (2017年7月22日) 2017年8月3日閲覧
  8. ^ Chisholm, Gregor (January 12, 2018). “Toronto, Donaldson agree on record $23M deal”. MLB.com. January 12, 2018閲覧。
  9. ^ https://mlb.nbcsports.com/2018/06/23/blue-jays-place-aaron-sanchez-on-10-day-disabled-list/
  10. ^ Astros acquire Greinke, Biagini, Sanchez in multiple trades today” (英語). MLB.com (2019年7月31日). 2019年8月2日閲覧。
  11. ^ アストロズが4投手継投でノーヒットノーラン”. 日刊スポーツ (2019年8月4日). 2019年8月4日閲覧。
  12. ^ Mark Feinsand (December 3, 2019). “These players just joined the free-agent pool” (English). MLB.com. December 9, 2019閲覧。
  13. ^ Giants Sign Aaron Sanchez” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月21日閲覧。
  14. ^ 131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (November 6, 2022). November 14, 2022閲覧。
  15. ^ FanGraphs Pitch FX
  16. ^ FanGraphs batted ball

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]