カンムリウミスズメ
カンムリウミスズメ | |||||||||||||||||||||||||||
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カンムリウミスズメ
Synthliboramphus wumizusume | |||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
VULNERABLE (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Synthliboramphus wumizusume (Temminck, 1835)[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
カンムリウミスズメ[3][4][5][6] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Crested murrelet[1][5][6] Japanese murrelet[1][2][5][6] |
カンムリウミスズメ(冠海雀[3][5]、Synthliboramphus wumizusume)は、鳥綱チドリ目ウミスズメ科ウミスズメ属に分類される鳥類。
分布
[編集]非繁殖期に十勝沖や霧多布沖・羅臼沖などで観察例があり、繁殖期になると南下すると考えられている[2]。日本では石川県・福岡県・宮崎県・山口県・伊豆半島・伊豆諸島・駿河湾・伊勢湾・若狭湾などで繁殖例がある[6]。日本国内では最北の繁殖地は七ツ島、最南の繁殖地は鳥島、最大の繁殖地は枇榔島[2][4]。大韓民国では、全羅南道九屈諸島で繁殖例がある[2]。
形態
[編集]全長24 - 25センチメートル[6]。翼長12.3センチメートル[2]。体重164グラム[2][5]。喉の黒色部は、ウミスズメと比較すると小型[2][6]。体の上面が青灰黒色で、下面は白い[7]。
嘴はウミスズメと比較するとより長く、色彩は青灰色[5][6]。
夏羽は頭頂の羽毛が3 - 5センチメートルまで伸長(冠羽)し[5][2][6]、和名の由来になっている[3]。
生態
[編集]沿岸や沖合に生息する。冬場は沖合に多く生息し、沿岸からは少なくなる[8]。繁殖期以外は海上で生活する[7]。
潜水して、主に魚類を食べる[5][7]。甲殻類やプランクトンも食べる[8]。
繁殖様式は卵生。ウミスズメ属では本種のみ暖流域で繁殖する[2]。12月に繁殖地に飛来し、岩礁海岸の断崖や斜面などに集団で営巣する[4]。岩の隙間や割れ目・草原にの間などに、3 - 4月上旬に1個の卵を1週間の間隔を空け2回に分けて産む[2][4]。卵は親鳥の体重の22%の重さでかなり大きい[7]。2日ごとに雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は1か月[4]。雛は2羽がほぼ同時に孵化し[4]、孵化してから1 - 2日で巣立つ[2]。雛は親に呼ばれ、崖を転がり落ち海へ向かう。怪我の心配もあるが雛は体重が軽く毛が、たくさんはえておりこの毛がクッションの代わりをし、岩にぶつかっても大丈夫だという。
人間との関係
[編集]種小名wumizusumeはウミスズメの誤記[3]。
ネズミ類やカラス類などによる捕食により生息数が減少している[6]。釣り人などの海洋レジャーによる、繁殖地への上陸および破壊によっても生息数が減少している[2][4]。投棄されたゴミに捕食者が誘引・増加するという問題もある[6]。漁業での刺し網による混獲などでも、生息数は減少している[1][2]。過去には卵も含めた採集や狩猟によっても、生息数が減少した[1]。油流出による影響も懸念されている[1][2]。日本では国の天然記念物に指定され、多くの繁殖地が国の鳥獣保護区に指定されている[2]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g BirdLife International. 2018. Synthliboramphus wumizusume. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T22694899A132580332. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T22694899A132580332.en. Downloaded on 27 August 2020.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 小野宏治 「カンムリウミスズメ」『レッドデータブック2014 日本の絶滅のおそれのある野生動物 2 鳥類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい、2014年、200-201頁。
- ^ a b c d 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、63頁。
- ^ a b c d e f g 小野宏治 「カンムリウミスズメ」『日本動物大百科 3 鳥類I』日高敏隆監修、平凡社、1996年、126頁。
- ^ a b c d e f g h 小野宏治 「カンムリウミスズメ」『日本動物大百科 3 鳥類I』日高敏隆監修、平凡社、1996年、128頁。
- ^ a b c d e f g h i j 竹田伸一 「カンムリウミスズメ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、198頁。
- ^ a b c d 「野生動物編」『京都府レッドデータブック 2015』 1巻、京都府自然環境保全課、2015年4月、53頁。
- ^ a b 『新版 日本の野鳥』 7巻、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2014年1月、351頁。ISBN 978-4-635-07033-1。