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キビ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キビ属
キビ(Panicum miliaceum
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
階級なし : ツユクサ類 Commelinids
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
: キビ属 Panicum
  • 本文参照

キビ属(キビぞく、学名:Panicum)は、単子葉植物イネ科の一群で、世界に約500の種がある。最もよく知られているのは、穀物として栽培されるキビである。しかし、日本にもこれ以外に数種がある。

キビ属の小穂はいわゆるエノコログサ型で、二花からなり、第一小花は退化、第二小花のみ完全に残ること、第一穎は小さく、第二、第三穎は小穂と同長で膜質、第四穎が革質になる。そのような小穂を円錐花序をつけ、余計な刺などがないこと、小穂は楕円形等で、あまり偏平でないことなどがこの属の特徴である。また第二小花の基部に関節があり、果実が熟するとここで折れ、第四穎(護穎)と第五穎(内穎)に包まれて脱落する。

キビ属の種

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  • キビ Panicum miliaceum
栽培種。野生には生えていない。詳細は、キビを参照。

日本には以下の種が自生している。

ヌカキビ
水田跡や湿った草原などに見かける一年草。穂は円錐花序で、長さも幅も15-30cm位、主軸はほぼ直立するが、側枝は真横か、少し斜め下に出る。枝の先端の方に小穂がまばらにつくが、先端に行くにつれて枝は細くなり、小穂はたいてい下向きに垂れる。この外見だけでほぼ見分けがつく。
海岸によく出現し、砂地にまばらな群落を作る。匍匐茎は地下を這いまわり、所々で数珠状のコブを作る。あちこちから茎を立て葉をつける。茎と葉は無毛で、全体に粉を吹いたような淡緑色。葉は細くて偏平で、斜め上に立ち上がる。花序は茎の先端から出て、多数の枝はみな斜め上を向く。それぞれの枝にはまばらに小穂をつける。四国と九州の南部から琉球列島には普通に産し、全世界の暖帯から熱帯にかけて分布がある。

このほかに、いくつかの帰化種がある。代表的なものを挙げる。

ややヌカキビに似るが、穂の枝はすべて斜め上向きに真っすぐに出て垂れ下がらないこと、茎の基部は斜めに出ても這い回らないことで区別できる。北アメリカ原産で、現在では世界の暖帯から熱帯にかけて帰化している。日本では1972年に千葉県で報告され、現在では各地に普通で、時にはやっかいな雑草として嫌われている。
  • ハナクサキビ P. capillare L.
直立する草で、株立ちになる。高さは20-60cm位、全体に毛が多い。非常に大きな円錐花序をつける。花序の枝は斜め上を向き、非常に多数の小穂がつく。小穂の先端がとがるのも特徴である。北アメリカ原産で、日本では1955年に群馬県で見つかった後、あちこちで点々と見つかる程度。北アメリカでは砂質の乾燥地に生え、乾季になると植物体全体が塊状となり、風で飛んで種子分散をするという、いわゆるtumble weedであるとのこと。

参考文献

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