シルウィウス
シルウィウス Silvius | |
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ラテン王 | |
在位 | B.C1179-1141 |
別号 | アルバ王 |
死去 |
紀元前1112年 |
埋葬 | アルバ・ロンガ |
継承 | アエネーイス・シルウィウス |
父親 | アエネーイス |
母親 | ラヴィニア |
シルウィウス(Silvius、シルビウスとも)はローマ神話に登場する伝説上の王で、トロイアの騎士アエネーイスとラテン王女ラヴィニアの子、若しくはアスカニウスの子。
ヴェリギリウスによると、アエネーイスの長男でトロイア王女クレウーサの子アスカニウスとは異母兄弟で、兄の死後にアルバ王位を継承したとされる[1]。ティトゥス・リウィウスによると二人ともラヴィニアを母とする兄弟とされ、親子関係であったとする説もある。
伝承
[編集]後妻ラヴィニアの父であるラティヌスからラテン人の王としての地位を継いだアエネーイスが亡くなると、兄であるアスカニウスが一先ず王位を継承した。宮殿内では開祖ラティヌスの血を受け継ぐシルウィウスを王位に付けるべきとする意見があり、アスカニウスは自らの子ユルスに継がせるべく継母と幼い弟を暗殺しようとした[2] 。しかし母ラヴィニアは赤子を連れて森に隠れ、アスカニウスの追っ手から逃れる事ができた。この逸話からラテン語で「森」を指すシルウァという言葉が生まれたという。
宮殿では貴族たちがアスカニウスへの不満を高め、その死後にラティヌスの血を次ぐシルウィウスの即位を認めた。追放されるかに思えたアスカニウスの息子ユルスであったが、シルウィウスは甥の罪を許して宮殿に残る事を許したという。以後王国を支えたとされるユルスの伝承は後の時代にまで続き、ユリウス氏族はユルスの末裔を自称していた。
シルウィウスの死後、王位は父の名と祖父の名をそれぞれ冠した長男アエネーイス・シルウィウスが継承した。アエネーイス・シルウィウスより後のアルバ王は君主の証としてシルウィウスの名を用いたが、これは古いコグノーメン(家名)の一つである。
兄との関係
[編集]アスカニウスとシルウィウスの関係については、伝承によって違いが存在する。詩人ウェルギリウスやハリカルナッソスのディオニュシオスによると二人は異母兄弟であったが、ティトゥス・リウィウスによると二人は共にラヴィニアを母とする兄弟であったと伝えられている。ブリテン神話の英雄でシルウィウスの次男とされる「トロイのブルータス」も、父シルウィウスはアスカニウスの子であると伝えられている(「ヒストリア・ブリットヌム」)。この場合、シルウィウスはアエネーイスの子でなく、アスカニウスの子である事になる。
家系図
[編集]オデュッセウス | |||||||||||||||||||||||||||
アンキーセース | アプロディーテー | ラティヌス(1) | |||||||||||||||||||||||||
クレウーサ | アエネーイス(2) | ラヴィニア | |||||||||||||||||||||||||
アスカニウス(3) | シルウィウス(4) | ||||||||||||||||||||||||||
シルウィウス? | アエネーイス・シルウィウス(5) | ||||||||||||||||||||||||||
ブルータス | ラティヌス・シルウィウス(6) | ||||||||||||||||||||||||||
アルバ・シルウィウス(7) | |||||||||||||||||||||||||||
アテス(8) | |||||||||||||||||||||||||||
カペス(9) | |||||||||||||||||||||||||||
カペートゥス(10) | |||||||||||||||||||||||||||
ティベリヌス・シルウィウス(11) | |||||||||||||||||||||||||||
アグリッパ・シルウィウス(12) | |||||||||||||||||||||||||||
アルディウス(13) | |||||||||||||||||||||||||||
アヴェンティヌス(14) | |||||||||||||||||||||||||||
プロカス(15) | |||||||||||||||||||||||||||
ヌミトル(16) | アムーリウス | ||||||||||||||||||||||||||
レア・シルヴィア | マールス | ||||||||||||||||||||||||||
ヘルシリア | ロームルス(17) | レムス | |||||||||||||||||||||||||
アウィッリウス | |||||||||||||||||||||||||||
関連項目
[編集]引用
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