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ズオロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ズオロン
復元図
地質時代
後期ジュラ紀オックスフォーディアン
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
下目 : テタヌラ下目 Tetanurae
階級なし : コエルロサウルス類 Coelurosauria
: ズオロン属 Zuolong
学名
Zuolong
Choiniere et al.2010

ズオロン学名Zuolong)は、後期ジュラ紀の前期オックスフォーディアン期に中華人民共和国新疆ウイグル自治区の五彩湾に生息していた、コエルロサウルス類に属する獣脚類恐竜の属。化石は石樹溝累層英語版で産出した[1]

発見

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ズオロンはその発見経緯があまり一般メディアに公開されていない。ズオロンが発見されたのは2001年夏のことであったが、NATO軍による在ユーゴスラビア中華人民共和国大使館爆撃事件中国語版英語版(1999年)やアメリカ合衆国と中国の軍用機が空中衝突した海南島事件(2001年)が起きていたことが理由の一つとも推測されている[2]

骨格図

ズオロンのホロタイプ標本は IVPP V15912 は、2001年に中国の新疆ウイグル自治区に位置する昌吉回族自治州ジムサル県の五彩湾から発見された、頭骨の備わった部分的な骨格である。安田峰俊によると、前年に始動したジョージ・ワシントン大学中国科学院古脊椎動物古人類研究所の合同発掘調査プロジェクト内での発見と推測されている[2]。2010年にJonah N. Choiniere、ジェームズ・M・クラーク、キャサリン・フォスター英語版徐星により Zuolong salleei が記載・命名された。属名は19世紀に新疆での反乱の鎮圧に貢献した左宗棠への、種小名は調査を資金面で援助した Hilmar Sallee への献名である[3]安田峰俊は、ズオロンの属名に政治的価値観により評価の分かれる近現代の人物の名が付けられたことについて、を立て直した左宗棠の功績が高く評価されている実情と、新疆支配の歴史を肯定する目的が背景にあると推論した[2]

ホロタイプ標本の年代は1億6120万年前から1億5520万年前にあたり、トーマス・R・ホルツ・ジュニア英語版はほぼ確実に幼体であると考えている[4]

特徴

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2016年にグレゴリー・ポールは、ズオロンの全長を3メートル、体重を60キログラムと推定した[5]。標本はおそらく幼体のものである[4]

分類

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ズオロンは基盤的なコエルロサウルス類で、2012年時点では最も基盤的と考えられている[4]。2019年にはティラノラプトラ類に位置付けられ、ティラノサウルス上科マニラプトル形類と多分岐(ポリトミー)をなすとされた[6]

出典

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  1. ^ Choiniere, Jonah N.; Clark, James M.; Forster, Catherine A. ; Xu , Xing  (2010-12-02 ). “A basal coelurosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Late Jurassic (Oxfordian) of the Shishugou Formation in Wucaiwan, People's Republic of China ”. Journal of Vertebrate Paleontology 30  (6 ): 1773–1796. doi:10.1080/02724634.2010.520779. ISSN 0272-4634. 
  2. ^ a b c 安田峰俊 (2020年10月5日). “米中対立の狭間で発見、恐竜から鳥類への進化のカギとなる2つの新種”. 講談社. 2021年3月14日閲覧。
  3. ^ Jonah N. Choiniere; James M. Clark; Catherine A. Forster & Xing Xu (2010). “A basal coelurosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Late Jurassic (Oxfordian) of the Shishugou Formation in Wucaiwan, People's Republic of China”. Journal of Vertebrate Paleontology 30 (6): 1773–1796. doi:10.1080/02724634.2010.520779. 
  4. ^ a b c Holtz, T.R. Jr. (2012). Dinosaurs: The Most Complete, Up-to-date Encyclopedia for Dinosaur Lovers of All Ages. Random House. pp. 367–444. ISBN 978-0-375-82419-7. https://archive.org/details/dinosaursmostcom00holt/page/367 
  5. ^ Paul, G.S., 2016, The Princeton Field Guide to Dinosaurs, second edition, Princeton University Press p. 120
  6. ^ Hartman, Scott; Mortimer, Mickey; Wahl, William R.; Lomax, Dean R.; Lippincott, Jessica; Lovelace, David M. (2019). “A new paravian dinosaur from the Late Jurassic of North America supports a late acquisition of avian flight”. PeerJ 7: e7247. doi:10.7717/peerj.7247. PMC 6626525. PMID 31333906. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6626525/.