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ペーター・ソンディ

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ペーター・ソンディPéter Szondi1929年5月27日 - 1971年11月9日)は、ハンガリー出身のユダヤ比較文学者・文献学者。 姓は「ションディ」と表記されることもある。

略歴

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チューリッヒのフルンテルン墓地にあるソンディ家の墓。父親のレオポルドと母親のイロナ・“リリ”・リヴィア、旧姓ラドヴァーニ(1902年-1986年)、そして医師だった姉のヴェラ(1928年-1978年)もこの墓に埋葬されている。

1929年ブダペスト生まれ。父はソンディ・テストで有名な精神医学者のレオポルド・ソンディ1893-1986)。1944年6月から12月までベルゲン・ベルゼン強制収容所に収容される。解放後、スイスに移住。チューリッヒ大学パリ大学で学ぶ。ベルリン自由大学ゲッティンゲン大学での教職を経て、1964年ベルリン自由大学の教授に任命され、大学に研究機関 "Allgemeine und Vergleichende Literaturwissenschaft" を設立。1971年ベルリンで自死。生前はアドルノツェランデリダらと深交を結んだ。オスナブリュック大学には "Peter Szondi-Kolleg" が設けられている。

邦訳文献

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  • 「『迫奏』を読む─パウル・ツェランの詩篇についてのエッセー」(『集英社版世界の文学38 現代評論集』所収、飯吉光夫訳、集英社、1978)
  • 「悲劇的なるものについての試論(抜粋)(悲劇論三篇)」(『多摩芸術学園紀要 通号4』所収、細井雄介訳、多摩芸術学園、1978)
  • 『現代戯曲の理論』(市村仁/丸山匠訳、法政大学出版局、1979)
  • 「「悲劇的なるものについての試論」抜粋(悲劇論2篇)」(『多摩芸術学園紀要 通号8』所収、細井雄介訳、多摩芸術学園、1982)
  • 「希望は過ぎ去りしもののうちに ―ヴァルター・ベンヤミンと〈失われたとき〉」(『みすず 1989年4月号(no.338)』所収、初見基訳、みすず書房)
  • 「エデンの園」(『双書・20世紀の詩人22 パウル・ツェラン詩集』所収、飯吉光夫訳、小沢書店、1993)
  • 「ヘーゲルの文学論」(『ドイツ文学論集 24号』所収、森良文訳、神戸大学ドイツ文学論集刊行会、1995)
  • 「ヘーゲルの文学論(2)」(『ドイツ文学論集 25号』所収、森良文訳、神戸大学ドイツ文学論集刊行会、1996)
  • 「ヘーゲルの文学論(3)」(『ドイツ文学論集 26号』所収、森良文訳、神戸大学ドイツ文学論集刊行会、1997)
  • 「ヘーゲルの文学論(4)」(『ドイツ文学論集 27号』所収、森良文訳、神戸大学ドイツ文学論集刊行会、1998)
  • 「ヘーゲルの文学論(5)」(『ドイツ文学論集 28号』所収、森良文訳、神戸大学ドイツ文学論集刊行会、1999)
  • 「ヘーゲルの文学論(6)」(『ドイツ文学論集 29号』所収、森良文訳、神戸大学ドイツ文学論集刊行会、2000)
  • 「ヘンダーリンの1801年12月4日付ベーレンドルフ宛書簡─注解と研究批評(上)」(『帝京大学理工学部研究年報 人文編 No.11』所収、高橋秀誠訳、帝京大学理工学部佐藤研究室、2004)
  • 「ヘンダーリンの1801年12月4日付ベーレンドルフ宛書簡─注解と研究批評(下)」(『帝京大学理工学部研究年報 人文編 No.12』所収、高橋秀誠訳、帝京大学理工学部佐藤研究室、2005)
  • 『ヘルダーリン研究―文献学的認識についての論考を付す』(ヘルダーリン研究会訳、法政大学出版局、2009)

参考文献

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  • 丸山匠「戯曲の理論を求めて─ペーター・ションディの業績」(『ドイツ文学 通号64』所収、日本独文学会、1980)
  • 漆谷克秀「ペーター・ソンディー「エデン」─試訳と解題─(『沖縄国際大学外国語研究 第3巻第2号』所収、沖縄国際大学外国語学会、1999)