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ホラント級哨戒艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホラント級哨戒艦
基本情報
艦種 哨戒艦(OPV)
命名基準 オランダの州
前級 コルテノール級
カレル・ドールマン級
次級 (最新)
要目
満載排水量 3,750トン
全長 108.4メートル (356 ft)
最大幅 16メートル (52 ft)
吃水 4.55メートル (14.9 ft)
機関方式 CODLOD方式[1][2]
主機MAN 12V28/33D
 ディーゼルエンジン×2基
・ABB電動機×2基
推進器 可変ピッチ・プロペラ×2軸
出力 5,460 kW (7,320 hp)×2基
電力 キャタピラー3508B発電機×2基
速力 21.5ノット (39.8 km/h)
航続距離 5,000海里 (9,300 km) (15ノット巡航時)
乗員 54名(+40名増員可能)
兵装76mm単装速射砲×1基
30mm単装機関砲×1基
・HITROLE 12.7mmRWS×2基
M2HB 12.7mm機銃×2丁
MAG 7.62mm機銃×6丁
搭載機 NFH90哨戒ヘリコプター×1機
搭載艇 高速救難艇(FRB)×1隻
高速襲撃・要撃艇(FRISC)×2隻
C4ISTAR SEWACO16戦術情報処理装置[2]
レーダー IM-400統合センサー・システム
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ホラント級哨戒艦オランダ語: Holland klasse patrouilleschepen, : Holland class offshore patrol vessels)は、オランダ海軍哨戒艦(OPV)。

概要

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本級の建造は、従来の防衛白書(Defensienota)にかえて発表された2005年の海軍計画(Marinestudie)において盛り込まれた。この計画においては、当時海軍が運用していたカレル・ドールマン級フリゲート6隻のうち4隻を海外に売却し、かわって4隻の哨戒艦を取得することとされており、これに基づいて建造・配備されたのが本級である[3]。なお、計画のコストは5億2960万ユーロとされている[4]

本級は北海での護衛任務のほか、オランダが西インド諸島に有するアルバ等の構成国・海外領土などで、洋上警備・救難等の戦争以外の軍事作戦に投入される。このような運用を想定しているために航洋性が求められたことから、哨戒艦艇としてはかなり大型化しており、実際、排水量の点では、かつて同国海軍が運用していた防空ミサイルフリゲートであるヤコブ・ファン・ヘームスケルク級フリゲートに匹敵する[5]

本級は、ディーゼル電気複合(Combined Diesel or Electric, CODOE)推進方式を採用しており、2基の推進器(可変ピッチ式、3.2m径)は、低速時にはABB電動機(各400 kW (540 hp))、高速時にはMAN 12V28/33Dディーゼルエンジン(5,460 kW (7,320 hp))によって駆動される。また微妙な操船が求められる場合に備えてサイドスラスターも設置されている[6]

哨戒艦であることから兵装は限定的で、いずれも砲熕兵器に限られており、ミサイル魚雷は搭載されない。しかし一方で、IM-400統合センサー・システムを搭載することから、センサー面は比較的強力なものとなっている。これは下記の各種センサー等を統合している[7]

  • シー・マスター400 - S(E/F)バンドの長距離対空捜索レーダー。アンテナは4面固定式のAESAで、探知距離は300m~250km[8]
  • シー・ウォッチャー100 - X(I/J)バンドの対水上捜索レーダー。アンテナは4面固定式のAESAで、探知距離は80m~40km[9]
  • ゲートキーパー赤外線捜索追尾システム
  • 電波探知装置(ESM)
  • 統合通信アンテナ・システム - リンク 11/16/22, GSM/UMTS, WiMAX, イリジウム衛星通信対応。
  • 衛星通信システム

本級は、搭載艇として1隻の高速救難艇(FRB)と2隻の複合型高速襲撃・要撃艇(FRISC)を搭載している。2隻の複合艇のうち1隻は舷側のダビットにより、1隻は艦尾のスリップ・ウェイにより揚降される[6]

同型艦

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艦番号 艦名 起工 進水 就役
P840 ホラント
HNLMS Holland
2008年
12月8日
2010年
2月2日
2011年
5月12日
P841 ゼーラント
HNLMS Zeeland
2009年
10月5日
2010年
11月20日
2013年
8月23日
P842 フリースラント
HNLMS Friesland
2009年
11月26日
2010年
11月4日
2013年
1月22日
P843 フローニンゲン
HNLMS Groningen
2010年
4月9日
2011年
4月21日
2013年
11月29日

参考文献

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  1. ^ Keith Henderson (2012年12月4日). “Third OPV Delivered to Dutch Navy” (英語). 2014年11月10日閲覧。
  2. ^ a b Jon Rosamond (2012年4月). “Interview with commanding officer of Holland” (PDF) (英語). 2013年2月17日閲覧。
  3. ^ Marinestudie 2005” (pdf) (オランダ語). Dutch Ministry of Defence. 2011年6月19日閲覧。
  4. ^ Materieelprojectenoverzicht Prinsjesdag 2012, 18-09-2012
  5. ^ 野木恵一「これもコルベット?各国で建造進む大型哨戒艦 (特集 新世代のコルベット)」『世界の艦船』第698号、海人社、2008年11月、96-99頁、NAID 40016244401 
  6. ^ a b HARTMUT MANSECK (2011年). “SHIP SPECIAL: THE “HOLLAND” CLASS” (PDF) (英語). 2013年2月17日閲覧。
  7. ^ Thales Nederland B.V.. “IM 400” (PDF) (英語). 2013年2月17日閲覧。
  8. ^ Thales Nederland B.V.. “SEA MASTER 400” (PDF) (英語). 2013年2月17日閲覧。
  9. ^ Thales Nederland B.V.. “SEA WATCHER 100” (PDF) (英語). 2013年2月17日閲覧。

関連項目

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