マッチルーム・スポーツ
マッチルーム・スポーツ (Matchroom Sport) は、イングランドのスポーツイベントプロモーション会社[1][2]。エセックス・ブレントウッドに拠点を持つ[3]。1982年にバリー・ハーンによって設立され[4]、現在はバリーの息子のエディー・ハーンが会長を務めている[5]。ストリーミング配信サービス・DAZNとグローバル配信契約を結んでいる[6]。
概要
[編集]1982年にスティーブ・デイビスなどのスヌーカーの選手をマネージメントする会社としてバリー・ハーンによって創立される。
その後、ボクシング、ダーツ、ビリヤード、ボウリング、ゴルフ、卓球、釣り、ポーカー、体操等の数多くのスポーツイベントをプロモートする会社に拡大[7]。
2001年、プロフェッショナル・ダーツ・コーポレイションの過半数の株式を取得した。
2002年、PGAと提携してPGAユーロプロツアーを設立した。
2009年、バリー・ハーンがワールド・スヌーカー・ツアーの筆頭株主となった。
2021年4月20日、バリー・ハーンが会長を辞職し、息子のエディー・ハーンが後を継いで会長に就任した[8]。
2023年6月までの通年決算は、マッチルーム・ボクシングが、売上が100896255ポンド(約194億円)、純利益が10377776ポンド(約19億円)[9][10]、プロフェッショナル・ダーツ・コーポレイションが、売上が48719394ポンド(約93億円)、純利益が11880028ポンド(約23億円)[11]、ワールド・スヌーカーが、売上が29158372ポンド(約56億円)、純利益が1369521ポンド(約2億6千万円)となっており[12]、マッチルーム・スポーツ全体では、売上が280773518ポンド(約537億円)、純利益が33796078ポンド(約64億円)となっている[13]。
ボクシング
[編集]1987年にフランク・ブルーノ vs. ジョー・バグナーでボクシングに進出した。
2008年4月、8人制のワンデイトーナメント興行「プライズファイター」を開始した。
2017年11月からマッチルーム・スポーツ・USAを設立してアメリカへ本格進出(ニューヨークのワン・ワールド・トレード・センターにアメリカの拠点を置いている)。2018年5月10日にはパフォーム・グループと8年間・10億ドル(約1100億円)の契約で合弁会社マッチルーム・ボクシング・USAを設立し、試合をDAZNで独占配信することを発表した[14][15]。
日本進出
[編集]2023年9月28日、NSN(日本にも支店を持つスペインのスポーツマネージメント会社で、日本での興業をマッチルーム・スポーツとともに共同主催)及び楽天チケットとパートナーシップ契約を締結し、翌2024年より3年間に渡り日本で年3回、合計9回の主催興行を開催することを発表した[16]。2024年1月31日、亀田興毅率いる3150FIGHTと1年契約のパートナーシップ契約を結び、日本で行われる3150FIGHT興行において、トーナメントの優勝者が3試合合計で100万ドル(約1億4750万円)の賞金を獲得できる日本版プライズファイター(プライズファイターは元々はワンデイトーナメント形式だが、日本ボクシングコミッション(JBC)が選手の1日の複数試合及び3ラウンド制を禁止しているため、3大会に分けての開催となった)を共同開催することを発表した[17][18][19]。しかし、楽天チケット側と契約面で折り合いがつかず開催が延期となった[20]。2024年6月3日、3150FIGHT及び配信会社ABEMAとの提携を解消し、代わりに渡嘉敷ジム会長の渡嘉敷勝男がプロモーターとなり開催することを発表した[21][22]。2024年7月15日、大和アリーナにて日本初進出興行が開催されプライズファイターの1回戦4試合が行われたが、結局BS系テレビ局・配信会社との交渉がまとまらず海外ではDAZNで配信されたが日本での放送・配信は無かった[23]。
主な契約ボクサー
[編集]現契約ボクサー
[編集]※(USA)と表記しているのはマッチルーム・スポーツ・USAの所属選手であり、表記が無いものはマッチルーム・スポーツの所属である。
- アンソニー・ジョシュア
- ディミトリー・ビボル(ワールドボクシングと共同プロモート)(USA)
- シャクール・スティーブンソン(トップランクから移籍)(USA)[24]
- ジャロン・エニス(USA)
- ディリアン・ホワイト
- ジェイ・オペタイア(タスマン・ファイターズと共同プロモート)(USA)
- イスラエル・マドリモフ(ワールドボクシングと共同プロモート)(USA)
- ジェシー・ロドリゲス(USA帝拳と共同プロモート)(USA)[25]
- ジャック・カテラル(BOXXERから移籍)[26]
- リアム・パロ(USA)
- レジス・プログレイス(USA)
- リチャードソン・ヒッチンズ(メイウェザー・プロモーションズから移籍)(USA)
- リー・ウッド
- レイモンド・フォード(USA)
- デオンテイ・ワイルダー(TGBプロモーションズから移籍)(USA)[27]
- フィリップ・フルゴビッチ(ワッサーマン・ボクシングと共同プロモートから後にマッチルームとの契約に完全移行)[28]
- シャハラン・ギヤソフ(ワールドボクシングと共同プロモート)(USA)[29]
- アンディ・クルス(USA)
- サニー・エドワーズ(プロベラムから移籍)
- シベナティ・ノンティンガ(USA)
- ファン・フランシスコ・エストラーダ(サンフェル・プロモーションズと共同プロモート)(USA)
- ムロジョン・アフマダリエフ(ワールドボクシングと共同プロモート)(USA)
- ガラル・ヤファイ(東京五輪フライ級金メダル)[30]
- エドガー・ベルランガ(トップランクから移籍)(USA)[31]
- ジャスティス・フニ(タスマン・ファイターズと共同プロモート)(USA)
- コナー・ベン
- カラム・スミス
- ビリー・ジョー・ソーンダース
- ジョシュ・ワーリントン
- ジョー・コルディナ
- マウリシオ・ララ(USA)
- パット・マコーマック(東京五輪ウェルター級銀メダル)
- ケイティー・テイラー
- スカイ・ニコルソン(USA)
- アリシア・バウムガードナー(USA)
元契約ボクサー
[編集]- クリス・ユーバンク
- ナイジェル・ベン
- レノックス・ルイス
- ナジーム・ハメド
- スティーブ・コリンズ
- ハービー・ハイド
- カール・フローチ
- アミール・カーン
- ケル・ブルック
- デレック・チゾラ
- トニー・ベリュー
- オレクサンドル・ウシク(K2プロモーションズと共同プロモート、スキル・チャレンジ・プロモーションズへ移籍)[32]
- デヴィン・ヘイニー(デヴィン・ヘイニー・プロモーションズと共同プロモート)(USA)[33]
- ミゲル・アンヘル・ガルシア(USA)[34]
- ジョセフ・パーカー(USA)
- アルツール・ベテルビエフ(USA)[35][36]
- デメトリアス・アンドラーデ(USA)
- ダニエル・ジェイコブス(USA)
- シーサケット・ソー・ルンヴィサイ(ナコンルアン・ボクシング・プロモーションズと共同プロモート)(USA)
- 張志磊(クィーンズ・ベリー・プロモーションズへ移籍)(USA)[37]
- ジョシュア・ブアツィ(BOXXERへ移籍)[38]
- ローレンス・オコリー(BOXXERへ移籍)
- スブリエル・マティアス(フレッシュ・プロダクションズと共同プロモート)(USA)
- サウル・アルバレス(カネロプロモーションズと共同プロモート、TGBプロモーションズへ移籍)(USA)[39]
- ゲンナジー・ゴロフキン(USA)
- セシリア・ブレークフス (360プロモーションズと共同プロモート)
- 尾川堅一(帝拳プロモーションと共同プロモート)(USA)[40]
- 京口紘人(日本人初契約、ワタナベボクシングジムと共同プロモート)(USA)[41]
脚注
[編集]- ^ 伊藤隆 (2018年9月21日). “米国進出ラッシュも難しい無名ボクサーのアメリカンドリーム (1/2ページ)”. SANSPO.COM. 2019年11月25日閲覧。
- ^ 中出健太郎 (2017年5月4日). “スーパースター誕生――WBA・IBF世界ヘビー級タイトルマッチ”. Sponichi Annex. 2019年11月25日閲覧。
- ^ Dawson, Steve (2019年). “Modern Slavery and Human Trafficking Statement”. Matchroom Sport. 2019年11月25日閲覧。
- ^ Phillips, Owen (2013年11月27日). “Barry Hearn: World Snooker chief on how he saved the sport”. BBC Sport. 2019年11月25日閲覧。
- ^ Davis, Gareth A. (2019年4月20日). “Eddie Hearn interview: 'I grew up thinking I was a hard nut, but I was a pansy'”. The Telegraph. 2019年11月25日閲覧。
- ^ “DAZN strikes 5-year global deal with Eddie Hearn's Matchroom”. ロイター通信. (2021年6月3日) 2023年10月1日閲覧。
- ^ McRae, Donald (2017年4月10日). “Barry Hearn: 'I hit my son with a proper shot but he dropped me twice'”. The Guardian. 2019年11月25日閲覧。
- ^ “Eddie Hearn Elevated To Group Chairman Of Matchroom Sport; Barry Hearn Steps Down”. Boxing Scene.com (2021年4月20日). 2021年4月24日閲覧。
- ^ “MATCHROOM BOXING Accounts Full accounts made up to 30 June 2023”. United Kingdom Government (2024年3月9日). 2024年4月16日閲覧。
- ^ “MATCHROOM BOXING USA Accounts for a small company made up to 30 June 2023”. United Kingdom Government (2024年3月9日). 2024年4月16日閲覧。
- ^ “THE PROFESSIONAL DARTS CORPORATION Full accounts made up to 30 June 2023”. United Kingdom Government (2024年3月11日). 2024年4月16日閲覧。
- ^ “WORLD SNOOKER Full accounts made up to 30 June 2023”. United Kingdom Government (2024年3月7日). 2024年4月16日閲覧。
- ^ “MATCHROOM SPORT Accounts Group of companies' accounts made up to 30 June 2023”. United Kingdom Government (2024年3月11日). 2024年4月16日閲覧。
- ^ “Eddie Hearn looks to shake up U.S. boxing with $1B streaming deal”. ESPN.com (2018年5月11日). 2018年6月27日閲覧。
- ^ “英パフォーム、米ボクシング界に殴り込み 10億ドル投資、DAZNで配信へ”. SankeiBiz (2018年6月25日). 2018年6月27日閲覧。
- ^ “【ボクシング】英マッチルームが日本進出、世界最大級のイベントを年3回開催決定”. イーファイト. (2023年9月28日)
- ^ “黒船襲来か?はたまた大コケか?二転三転した英大手「マッチルーム」日本初進出となる賞金総額2億円のミドル級トーナメントが7.15大和アリーナで開幕”. RONSPO (2024年6月4日). 2024年6月22日閲覧。
- ^ “【ボクシング】英興行大手マッチルームが3月31日に名古屋国際会議場で日本初の主催興行 ミドル級トーナメント優勝者に合計約1億4750万円”. サンポ (2024年1月31日). 2024年4月16日閲覧。
- ^ “英プロモート大手&3150FIGHTで優勝賞金100万ドルのミドル級トーナメント開催発表”. 日刊スポーツ. (2024年1月31日)
- ^ “「泣いてもあかん」亀田興毅氏「3150ファイト」の和毅“負けたら引退マッチ”中止と相手変更など一連の“契約ドタバタ劇”にJBCが不信を抱き調査に乗り出す”. RONSPO. (2024年3月16日) 2024年3月24日閲覧。
- ^ “黒船襲来か?はたまた大コケか?二転三転した英大手「マッチルーム」日本初進出となる賞金総額2億円のミドル級トーナメントが7.15大和アリーナで開幕”. RONSPO (2024年6月4日). 2024年6月22日閲覧。
- ^ “【ボクシング】優勝総額100万ドルのミドル級トーナメントに日本勢3選手参戦 7・15開幕戦”. 日刊スポーツ (2024年6月3日). 2024年6月22日閲覧。
- ^ “超破格の賞金総額2億円のミドル級大会のなんともトホホな開催前夜…国内配信&放送は無しで前日計量の国内取材記者はたったの2人?!”. RONSPO (2024年7月15日). 2024年7月14日閲覧。
- ^ “Shakur Stevenson signs promotional deal with Matchroom Boxing”. Boxing Scene.com (2024年8月22日). 2024年8月22日閲覧。
- ^ “Jesse Rodriguez Inks Promotional Pact With Eddie Hearn”. BoxingScene.com (2022年1月28日). 2022年2月12日閲覧。
- ^ “Matchroom Announces Signings Of Jack Catterall, Sunny Edwards, Shannon Ryan”. Boxing Scene.com (2023年3月31日). 2023年4月1日閲覧。
- ^ 元ヘビー級王者ワイルダーがマッチルームと契約 王座返り咲きのラストチャンス Boxing News(ボクシングニュース)2024年4月17日
- ^ “Rising heavyweight star Filip Hrgovic inks deal with promoter Eddie Hearn”. ESPN.com (2019年2月15日). 2019年2月19日閲覧。
- ^ “Shakhram Giyasov's Handlers in Talks To Ink Co-Pact With Hearn”. BoxingScene.com. 2019年2月25日閲覧。
- ^ “Tokyo 2020 gold medalist Galal Yafai set for February 27th pro debut”. Bad Left Hook (2022年1月27日). 2022年6月13日閲覧。
- ^ “Edgar Berlanga, Eddie Hearn's Matchroom Boxing Agree To Multi-Fight Promotional Deal”. Boxing Scene.com (2023年2月14日). 2023年2月14日閲覧。
- ^ “Oleksandr Usyk Signs With Skill Challenge Promotions”. Boxing Scene.com (2023年6月3日). 2023年6月19日閲覧。
- ^ “Devin Haney Signs Promotional Deal With Eddie Hearn”. Boxing Scene.com (2019年4月25日). 2019年7月15日閲覧。
- ^ “Mikey Garcia Inks Promotional With Eddie Hearn, Returns on 2/29”. Boxing Scene.com (2019年12月15日). 2020年1月4日閲覧。
- ^ “Dmitry Bivol, not Artur Beterbiev, likely to face Joe Smith Jr.”. ESPN.com (2019年1月15日). 2019年2月19日閲覧。
- ^ “Artur Beterbiev, GYM Reach Agreement To End Contract, Lawsuits”. Boxing Scene.com (2019年3月18日). 2019年7月15日閲覧。
- ^ “Zhang Zhilei Inks Promotional Pact With Eddie Hearn”. Boxing Scene.com (2020年2月18日). 2020年10月1日閲覧。
- ^ “Joshua Buatsi Signs Multi-Fight Deal With Boxxer, Headlines May 6 Sky Sports Show in Birmingham”. Boxing Scene.com (2023年3月15日). 2023年4月1日閲覧。
- ^ “Canelo vs. Yildirim, Two-Fight Matchroom Deal Made Official”. Boxing Scene.com (2021年1月21日). 2021年1月29日閲覧。
- ^ “Kenichi Ogawa Inks Promotional Pact With Eddie Hearn”. BoxingScene.com (2021年12月7日). 2021年12月17日閲覧。
- ^ 世界王者の京口紘人 英マッチルームと契約 敏腕ハーン氏のグローバル展開進む Boxing News(ボクシングニュース)2020年12月24日
外部リンク
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