コンテンツにスキップ

ミルチャ・スネグル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミルチャ・スネグル
Mircea Snegur

ミルチャ・スネグル(2012年3月)

任期 1990年9月3日1997年1月15日

出生 (1940-01-17) 1940年1月17日
ルーマニア王国の旗 ルーマニア王国フロレシュティ県トリフェネシュティ
死去 (2023-09-13) 2023年9月13日(83歳没)
政党 モルダビア共産党
ソビエト連邦共産党無所属モルドバ復興と合意党英語版自由党英語版「我々のモルドバ」同盟ルーマニア語版英語版
出身校 キシナウ農業大学ルーマニア語版英語版
配偶者 ジェオルジェタ・スネグル英語版
署名

ミルチャ・イオン・スネグルモルドバ語: Mircea Ion Snegur1940年1月17日 - 2023年9月13日)は、モルドバ共和国の初代大統領。ソビエト連邦時代にはミルチャ・イヴァノヴィッチ・スネグルロシア語: Мирча Иванович Снегур, ラテン文字転写: Mircha Ivanovich Snegur)として知られた。

経歴

[編集]

ソ連時代

[編集]

モルドバ共和国大統領

[編集]

1990年、対抗馬のいない大統領選挙において、ソビエト社会主義共和国・モルドバ[注釈 1](1991年5月23日からモルドバ共和国)大統領に選出され、9月3日に就任した。

元共産党員であるスネグルはモルドバの独立を保証し、積極的に西側からの承認を求めた。モルドバは1991年6月に一度ソ連からの独立を宣言したが、スネグルがルーマニアとの即時再統一に反対した事が10月のモルダビア人民戦線ルーマニア語版英語版(Frontul Popular)との決裂に発展。その結果、彼は無所属として1991年12月に大統領選挙に出馬することになった。

対抗馬はおらず、人民戦線側による投票ボイコット運動が失敗に終わりスネグルが大統領に当選。そこから同国はソ連崩壊後、共産主義社会主義から離脱し資本主義に基づいた共和国の一国として完全独立を果たした。

だが、過去の経緯にもかかわらずスネグル自身は言語政策などで親ルーマニア的だったため、モルドバの独立の際にスラブ系の多い沿ドニエストル地方モルドバからの分離独立を宣言、それに対してモルドバ側は1991年9月3日に共和国軍を創設、沿ドニエストルへ軍隊を派遣して攻撃を開始。これにより同国は多数の死傷者を出す武力紛争へ突入し、この事案が以後の経済的な衰退や混沌へ繋がって行くこととなる。

大統領在任時、短期間でモルドバの独立承認を130カ国以上から取り付け、国際連合や40以上の国際機構に加盟した。しかしながら同国の経済情勢は急激に悪化し、同時期に国民から国外移民が増加し、教育水準も低下した。

1995年8月にモルドバ復興と合意党英語版を結成して議長に就任した。

1996年の大統領選挙英語版にも出馬したが、二度目の投票で議会議長ペトル・ルチンスキーに競り負けて国中を驚かすこととなった。

2023年9月13日に死去。83歳没[1][2]

パーソナル

[編集]

名誉記章勲章(1966年)、「労働献身に対する」メダル(1976年)、"Ordinul Republicii"勲章(2000年)、芸術アカデミーの"AD Honores"賞状(1995年)、欧州功労団の名誉賞状と金メダル(1995年)を受賞。

キシナウ農業大学の名誉博士号(1996年)、アンカラ大学の博士号(1996年)、モルドバ国際自由大学ルーマニア語版博士号を授与された。

2人の子供(一男一女)がおり、長女は同国政治家の一人で外交官として活動するナタリア・ゲルマンである。なお、彼女はかつて同国暫定首相を務めた経験を持つ。

その他

[編集]

モルドバの通貨であるモルドバ・レウ紙幣の人物肖像画に、スネグルの肖像が一時期使用されていた。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 当時、同国はMSSR最高会議ロシア語版が1990年6月5日に同国憲法を改正したことでモルダビア・ソビエト社会主義共和国から国体などが宗旨替えされており、「ソビエト」の名が付いてはいたもののソビエト連邦とは関係性を絶っていた。

出典

[編集]
  1. ^ Mircea Snegur, first president of Moldova, dies at 83” (英語). The West Australian (2023年9月14日). 2023年9月14日閲覧。
  2. ^ “ミルチャ・スネグル氏死去 初代モルドバ大統領”. 時事通信. (2023年9月14日). https://www.jiji.com/amp/article?k=2023091401118 2023年9月15日閲覧。 

外部リンク

[編集]