モントリオール議定書
オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書 | |
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通称・略称 | オゾン層破壊物質議定書、モントリオール議定書 |
署名 | 1987年9月16日 |
署名場所 | モントリオール |
発効 | 1989年1月1日 |
寄託者 | 国際連合事務総長 |
文献情報 | 昭和63年12月27日官報号外第179号条約第9号 |
言語 | アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語 |
主な内容 | オゾン層を破壊するおそれのある物質を指定し、当該物質の生産、消費および貿易を規制して人の健康および環境を保護する。 |
関連条約 | オゾン層の保護のためのウィーン条約 |
条文リンク | オゾン層破壊物質議定書 (PDF) - 外務省 |
モントリオール議定書(モントリオールぎていしょ、英: Montreal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layer)は、ウィーン条約(オゾン層の保護のためのウィーン条約)に基づき、オゾン層を破壊するおそれのある物質を指定し、これらの物質の製造、消費および貿易を規制することを目的とし、1987年にカナダで採択された議定書。
正式名は「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」[1]。事務局はケニアのナイロビにある国連環境計画(UNEP)。
概要
[編集]1987年に採択。1989年に発効[2]。毎年、議定書の締約国会議が開かれ、1990年(ロンドン改正)、1992年(コペンハーゲン改正)、1997年(モントリオール改正)、1999年(北京改正)、2016年(キガリ改正)と段階的に規制強化が図られている。
この議定書により、特定フロン、ハロン、四塩化炭素などは、先進国では1996年までに全廃(開発途上国は2015年まで)、同議定書のキガリ改定によりその他の代替フロンも先進国は、2020年までに全廃(開発途上国は原則的に2030年まで)することが求められた。
日本では1988年に、「オゾン層保護法」を制定し、フロン類の生産および輸入の規制を行っている。
日本もキガリ改正には、2018年12月18日に批准し、65番目の批准国となる。同改正は2019年1月1日より発効している[3]。
規制対象物質
[編集]- クロロフルオロカーボン (CFC)
- ハロン
- 四塩化炭素
- 1,1,1-トリクロロエタン
- ハイドロクロロフルオロカーボン (HCFC)
- ハイドロブロモフルオロカーボン
- 臭化メチル
- ブロモクロロメタン
- ハイドロフルオロカーボン(HFC)、通称代替フロン
キガリ改正
[編集]2019年1月1日、議定書のキガリ改正が発効された。キガリ改正の下で、各国は今後30年間で代替フロンとも呼ばれるハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用を80%以上削減することを約束した。2018年12月27日までに、65カ国がキガリ改正を批准した。日本も2018年12月18日に批准。 代替フロンの段階的廃止は、よりエネルギー効率の高い冷却装置を再設計することで実現可能である。主に先進国で製造された代替フロンは、CFCおよびHCFCに代わるものである。代替フロンはオゾン層に害を及ぼさない。代替フロンはCFCやHCFCのように塩素を含まないからである。しかし、代替フロンは温室効果ガスであり、地球温暖化係数(GWP)が高く、CFCやHCFCと同程度である。
7年間の交渉の後、2016年10月にルワンダ共和国の首都キガリで開催された第28回モントリオール議定書会議で、キガリ改正は代替フロンをモントリオール議定書に基づく規制対象として締約国により採択された。中国、ブラジル、南アフリカを含む発展途上国のグループは、2045年までに、代替フロンの使用量を2020年から2022年にかけての平均値の80%削減することを義務付けられている。インドと他のいくつかの発展途上国 - イラン、イラク、パキスタン、そしてサウジアラビアとクウェートのようないくつかの石油経済に依存する国 - は、2024年から26年の代替フロンのそれらの平均値の85%を2047年までに削減する。
2017年11月17日には、キガリ改正の発効が可能となる批准国20か国を超え、2019年1月1日に同改正が発効することが決まる。
議定書の効果
[編集]2023年1月9日、国際連合の専門家委員会が提出した報告書によれば、モントリオール議定書によりオゾン層の破壊物質は1989年と比較して99%減少。オゾン層は世界のほとんどの地域で2040年、北極では2045年、南極でも2066年には、1980年のレベルまで回復することが報告された[4]。
脚注
[編集]- ^ “モントリオール議定書”. 環境省. 2024年5月25日閲覧。
- ^ 1988年(昭和63年)12月27日外務省告示第659号「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の効力発生に関する件」
- ^ 2018年(平成30年)12月21日外務省告示第398号「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の効力発生に関する件」
- ^ “オゾン層、数十年後には完全回復の見通し 国連報告書”. CNN (2023年1月10日). 2023年1月17日閲覧。