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ヨロイボウズハゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヨロイボウズハゼ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ハゼ亜目 Gobioidei
: ハゼ科 Gobiidae
亜科 : ボウズハゼ亜科 Sicydiinae
: ヨロイボウズハゼ属 Lentipes
: ヨロイボウズハゼ L.armatus
学名
Lentipes armatus
(Sakai and Nakamura, 1979)
和名
ヨロイボウズハゼ(鎧坊主鯊)

ヨロイボウズハゼ(鎧坊主鯊、Lentipes armatus)は、南西諸島の渓流に生息するハゼで、個体数は非常に少ない。日本で唯一のヨロイボウズハゼ属に属す魚。

分布

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種子島屋久島[1][2]奄美大島沖縄島石垣島西表島[2][1][3]にのみ分布する。日本固有である[2][3]とされてきたが、近年、台湾からも知られるようにだった[1]

形態

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全長は4-6センチメートル[1]、最大6.5センチメートル[2]で、体は細長く側扁した円筒形で、頭部は丸みを帯び、は丸く突出しない。頭部断面は蒲鉾形。オスの体後半の鱗は大きな棘を持つ。オスの体色は黒褐色で[2]婚姻色のときは頭先端と腹部は青緑色で[2][3][1]第2背鰭前方に黒点を持つ[1]または幅広の暗色横帯なのに対し[3]、メスの体色は一様に淡褐色で、第2背鰭には黒点がない[1]。上顎や下顎の前部に3尖頭の細いヘラ状歯が密に並んでいる[2]。上唇の中央は切れ込む[1]

生態

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ハゼ亜目魚類のうちで最も急流を好む種の一つ。大きな川にはいなく[2]、小河川の上流域に生息する[1]。森の中を流れる渓流に生息し、やや流れの速い浅い落ち込みなどで見かけることが多く[3]、水が泡立っているような[2]滝壺付近の岩盤や転石の上で見られる[1]

小型の水生生物付着藻類を食う雑食性[3]

保全状況

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ヨロイボウズハゼは多量取水による河川流量の減少、ダム建設、道路整備による土砂の流入などにより、生息環境が悪化し、個体数が減少している[1]

絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k 細谷和海、『増補改訂 日本の淡水魚』、山と渓谷社、2019年、414頁
  2. ^ a b c d e f g h i 鈴木寿之・渋川浩一・矢野維幾、『決定版 日本のハゼ』、平凡社、2004年、44・45・47頁
  3. ^ a b c d e f 松沢陽士、『ポケット図鑑日本の淡水魚258』、文一総合出版、2016年、233頁