コンテンツにスキップ

リック・ラッシェル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リック・ラッシェル
Rick Reuschel
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 イリノイ州クインシー
生年月日 (1949-05-16) 1949年5月16日(75歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
235 lb =約106.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 1970年 ドラフト3巡目
初出場 1972年6月19日
最終出場 1991年4月22日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

リッキー・ユージーン・ラッシェルRickey Eugene Reuschel , 1949年5月16日 - )は、アメリカの野球選手(投手)。メジャーリーグで活躍した。右投右打。

アメリカ合衆国イリノイ州クインシー出身。身長6フィート4インチ(約190cm)、体重235ポンド(約107kg)の巨漢投手で、ニックネームは「Big Daddy(ビッグ・ダディ)」。

1970年代前半から1980年代後半にわたって先発投手として活躍。

経歴

[編集]

シカゴ・カブスに入団し、1972年6月19日にメジャー初登板。その年21試合に登板(うち先発が18試合)して10勝をあげ、1980年まで9年連続で2ケタ勝利をあげる。

ベストイヤーは1977年で、この年20勝をあげる。チームも首位争いを繰り広げた。

1981年シーズン途中でニューヨーク・ヤンキースに移籍。50日間に及ぶストライキでシーズンが中断・短縮されたこの年は8勝に終わったが、自身初のワールドシリーズに出場。

ロサンゼルス・ドジャースとのワールドシリーズでは、第4戦に先発(勝敗はつかず、チームは敗戦)。シリーズ自体もドジャースに敗れ、ワールドチャンピオンはならなかった。

故障のために1982年は1シーズン登板がなく、1983年に古巣カブスでカムバックを果たす。

1984年には5勝。チームは地区優勝を果たすが、プレイオフのロースターから外される。また、チームもナ・リーグチャンピオンシップシリーズサンディエゴ・パドレスに敗れ、1945年以来39年ぶりのリーグ優勝は果たせなかった[1]。その年限りで、フリーエージェント(FA)でピッツバーグ・パイレーツに移籍。

1985年には、最下位のパイレーツで5年ぶりの2ケタ勝利となる14勝(8敗)をあげて復活。ゴールドグラブ賞カムバック賞ハッチ賞を受賞した。

1986年は9勝16敗に終わるが、1987年途中に地区優勝争いを繰り広げるサンフランシスコ・ジャイアンツに2選手との交換トレードで移籍。チームを1971年以来の地区優勝に導く。また、自身2度目のゴールドグラブ賞を受賞した。

1988年には19勝をあげ、40歳となった1989年にも17勝をあげる。前半戦好調で、オールスターではナ・リーグの先発投手を務めるが、ボー・ジャクソンカンザスシティ・ロイヤルズ)に特大(約135m)の初回先頭打者本塁打を打たれた。 チームはこの年、チャンピオンシップシリーズで古巣カブスを破り、チームとしては1962年以来、自身2度目のワールドシリーズ出場を果たす。第2戦に先発するが敗戦投手。チームもオークランド・アスレチックスに4連敗を喫した。その後は不振で、1991年4月に戦力外通告され、そのまま現役を引退した。

2歳年上の兄ポール・ラッシェル1975年 - 1979年の間にメジャーで通算198試合に登板し、16勝16敗13セーブ、防御率4.51を記録。最初の三年間はカブスに兄弟で在籍していた。

体格の割には走力があり、登板しない試合で代走として起用されたこともある。打撃力も投手の割に良く、1974年~77年の間は毎年70打数以上で2割以上をマークした。通算でも1,115打数187安打(打率.168)、本塁打4、打点79を記録している。


詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
1972 CHC 21 18 5 4 2 10 8 0 -- .556 527 129.0 127 3 29 6 2 87 1 2 46 42 2.93 1.21
1973 36 36 7 3 1 14 15 0 -- .483 1003 237.0 244 15 62 6 5 168 10 1 95 79 3.00 1.29
1974 41 38 8 2 2 13 12 0 -- .520 1061 240.2 262 18 83 12 6 160 7 1 130 115 4.30 1.43
1975 38 37 6 0 1 11 17 1 -- .393 1007 234.0 244 17 67 8 7 155 4 1 116 97 3.73 1.33
1976 38 37 9 2 2 14 12 1 -- .538 1078 260.0 260 17 64 5 8 146 7 1 117 100 3.46 1.25
1977 39 37 8 4 1 20 10 1 -- .667 1030 252.0 233 13 74 11 5 166 9 1 84 78 2.79 1.22
1978 35 35 9 1 2 14 15 0 -- .483 1007 242.2 235 16 54 8 5 115 13 1 98 92 3.41 1.19
1979 36 36 5 1 0 18 12 0 -- .600 1021 239.0 251 16 75 8 10 125 5 0 104 96 3.62 1.36
1980 38 38 6 0 1 11 13 0 -- .458 1094 257.0 281 13 76 10 4 140 3 1 111 97 3.40 1.39
1981 13 13 1 0 0 4 7 0 -- .364 358 85.2 87 4 23 4 4 53 5 0 40 33 3.47 1.28
NYY 12 11 3 0 2 4 4 0 -- .500 282 70.2 75 4 10 0 1 22 0 0 24 21 2.67 1.20
'81計 25 24 4 0 2 8 11 0 -- .421 640 156.1 162 8 33 4 5 75 5 0 64 54 3.11 1.25
1983 CHC 4 4 0 0 0 1 1 0 -- .500 88 20.2 18 1 10 2 0 9 0 0 9 9 3.92 1.35
1984 19 14 1 0 1 5 5 0 -- .500 405 92.1 123 7 23 0 3 43 2 0 57 53 5.17 1.58
1985 PIT 31 26 9 1 1 14 8 1 -- .636 773 194.0 153 7 52 10 3 138 4 0 58 49 2.27 1.06
1986 35 34 4 2 2 9 16 0 -- .360 930 215.2 232 20 57 2 8 125 6 1 106 95 3.96 1.34
1987 25 25 9 3 1 8 6 0 -- .571 715 177.0 163 12 35 1 6 80 5 0 63 54 2.75 1.12
SF 9 8 3 1 1 5 3 0 -- .625 205 50.0 44 1 7 2 2 27 2 0 28 24 4.32 1.02
'87計 34 33 12 4 2 13 9 0 -- .591 920 227.0 207 13 42 3 8 107 7 0 91 78 3.09 1.10
1988 36 36 7 2 3 19 11 0 -- .633 1000 245.0 242 11 42 8 6 92 4 0 88 85 3.12 1.16
1989 32 32 2 0 0 17 8 0 -- .680 860 208.1 195 18 54 4 2 111 1 0 75 68 2.94 1.20
1990 15 13 0 0 0 3 6 1 -- .333 390 87.0 102 8 31 9 1 49 1 0 40 38 3.93 1.53
1991 4 1 0 0 0 0 2 0 -- .000 54 10.2 17 0 7 1 0 4 0 0 5 5 4.22 2.25
通算:19年 557 529 102 26 23 214 191 5 -- .528 14888 3548.1 3588 221 935 117 88 2015 89 10 1494 1330 3.37 1.27
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰 

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 当時のカブスは、1945年以降ワールドシリーズ進出を果たせておらず、地元では「山羊の呪い」にかかっていると囁かれていた。

外部リンク

[編集]