ルーク・ヘインズ
ルーク・ヘインズ Luke Haines | |
---|---|
ルーク・ヘインズ(2005年) | |
基本情報 | |
出生名 | Luke Michael Haines |
生誕 | 1967年10月7日(57歳) |
出身地 | イングランド ウォルトン・オン・テムズ |
ジャンル |
オルタナティヴ・ロック エレクトロニカ |
職業 | シンガーソングライター |
担当楽器 | ギター、ピアノ、キーボード |
活動期間 | 1985年 - |
レーベル | Degenerate |
共同作業者 |
The Servants オトゥールズ Baader Meinhof ブラック・ボックス・レコーダー |
公式サイト |
www |
ルーク・ヘインズ (Luke Haines、1967年10月7日 -)は、イギリス・ロンドン郊外のウォルトン・オン・テムズ出身のミュージシャンである。1990年代のバンド、オトゥールズでの活動で知られている。絵も描く。妻はイラストレーターのSian Pattenden。
来歴
[編集]1986年、サーヴァンツ (The Servants)のデビッド・ウェストレイクのメンバー募集広告に応募して、1987年にクリエイション・レコーズから出たウェストレイクの初ソロ・アルバム『Westlake』でギターとピアノを演奏する。ウェストレイクとヘインズは新生サーヴァンツとして活動を開始。1989年、サーヴァンツは『Disinterest』(無関心)と題した1stアルバム(カバーにはヘインズが描いたバンドメンバー4人の絵が使われた)をリリースするものの、その名のとおり大衆の興味をひかなかった。1991年、サーヴァンツは2ndアルバム『Small Time』をレコーディングしたものの、レコード会社にリリースしてもらえず、バンドは解散した(2011年に、Mojoマガジンが『Disinterest』を史上最高の英国インディーレコードのリストに選出したことで、ようやく『Small Time』もチェリー・レッド・レコードから2012年にリリースされることになり、カバーにはウェストレイクとヘインズのツーショット写真が使われた)。
ウェストレイクと別れたヘインズは、自分のバンドを立ち上げようと自室にこもって曲をかき、一人ですべての楽器を演奏して6曲入りのデモ・テープをつくる。その後、サーヴァンツのベーシストで、当時の彼女だったアリス・リードマンと、かつての級友であるドラマーのグレン・コリンズをメンバーに誘って、3人でオトゥールズを結成する。バンドはヴァージン・レコード傘下のハット・レコードとの契約(アルバム5枚)を勝ち取り、1992年にシングル「Showgirl」でメジャー・デビューする。1993年の1stアルバム『ニュー・ウェイヴ』は高く評価されて、その年のマーキュリー賞にノミネートされた(受賞はスウェードの1stアルバム)。しかし、おりからのブリットポップの流行に嫌気がさしたヘインズは、次第に商業主義に背を向けるようになる。ヘインズはハット・レコードからオトゥールズとして3枚のアルバムをリリースするが、1996年の3rdアルバムはかなりダークな内容となり、続く4枚目のアルバムはドイツ赤軍をテーマに、ヘインズのソロ・プロジェクトとして制作された。『Baader Meinhof』と名づけられたこのアルバムには、オトゥールズの名は冠されていない。のち1999年のオトゥールズの4thアルバムをもって、バンドはハット・レコードとの5枚のアルバム契約を終えて解散した。
1999年、オトゥールズ解散前にヘインズは、元ジーザス&メリーチェインのジョン・ムーアらとともにブラック・ボックス・レコーダー名義でアルバムを発表した。ブラック・ボックス・レコーダーは、ヘインズがボーカルをとらず、女性歌手のサラ・ニクシーを前面に出したガール・ポップ・ユニットである。2000年にはシングル「The Facts of Life」のヒットでテレビ番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』にも出演した。このヒットもあり、2001年には古巣のハット・レコードから初ソロ・アルバム『The Oliver Twist Manifesto (Or) What's Wrong with Popular Culture』と、映画のサウンド・トラック『Christie Malry's Own Double Entry』をリリースするなど精力的な活動を行ったが商業的な成功にはつながらなかった。2003年、ブラック・ボックス・レコーダーの3rdアルバム『パッショノイア』と、オトゥールズの曲のオーケストラ・アレンジ・アルバム『Das Capital』(資本論)のリリースの後、ヘインズは音楽業界の表舞台から姿を消した。
2005年、刺激的なタイトルの3枚組ベスト・アルバム『Luke Haines is Dead』(ルーク・ヘインズは死んだ)がリリースされた。2006年、インディー・レーベルから2ndソロ・アルバム『Off My Rocker at the Art School Bop』を発表しツアー活動を再開した。2007年に、ブラック・ボックス・レコーダーとアート・ブラットのコラボとしてブラック・アーツ名義でクリスマス・シングルをリリースしたため、ブラック・ボックス・レコーダーの4thアルバム制作の噂がたったが、結局、再活動しないまま2010年に正式解散となった(その後、2018年に既発表アルバムをまとめた4枚組のコンプリート・ボックス・セットが発売された)。
皮肉屋で流行に流されないヘインズの気難しいスタイルは、一部のファンからは熱狂的な支持を受けている。2009年、ブリットポップ当時の内幕を描いたヘインズの自伝『Bad Vibes』は音楽業界の裏側を描いて話題になり、続編の『Post Everything』まで出ることになった。ティム・ミッチェルによる奇妙なファン小説『Truth and Lies in Murder Park: A Book About Mr Luke Haines』も後に続いた。2012年にはヘインズのドキュメンタリー・フィルム『Art Will Save the World』(Niall McCann監督)も公開された。この映画にはパルプのジャービス・コッカーも出演してコメントしている。2009年以降のヘインズは、ほぼ毎年、何らかのかたちでマイペースに作品を発表している。また2013年以降のアルバムはCDだけでなくLPレコードの形式でも販売している。
2017年には4枚組ベスト・アルバム『Luke Haines is Alive and Well and Living in Buenos Aires』(ルーク・ヘインズは生きていて、元気にブエノス・アイレスで暮らしている)がリリースされた。2020年以降は、元R.E.M.のピーター・バックとのコラボレーションで注目を浴びている。画家としても活動しているヘインズが描いたルー・リードの絵をバックが購入したことがコラボのきっかけとなった。
ディスコグラフィ
[編集]ソロ・アルバム
[編集]- Christie Malry's Own Double Entry OST (2001年)
- The Oliver Twist Manifesto (2001年)
- Das Capital (2003年) ※セルフ・カバー・アルバム
- Luke Haines Is Dead (2005年) ※ベスト・アルバム
- Off My Rocker at the Art School Bop (2006年)
- 21st Century Man/Achtung Mutha (2009年) ※2枚のアルバムのセット
- Outsider Music (Vols 1-50) (2010年) ※50枚限定
- 9 1/2 Psychedelic Meditations on British Wrestling of the 1970s & Early '80s (2011年)
- Outsider/In: The Collection (2012年) ※ベスト・アルバム
- Rock and Roll Animals (2013年)
- New York in the '70s (2014年)
- Raving (Vols 1-75) (2015年)[1] ※75枚限定
- Adventures In Dementia (2015年) ※ミニ・アルバム
- British Nuclear Bunkers (2015年)[2] ※インストゥルメンタル・アルバム
- Smash the System (2016年)[3]
- Freqs (2016年)[4] ※雑誌の付録
- Luke Haines is Alive and Well and Living in Buenos Aires (Heavy, Frenz - The Solo Anthology 2001-2017) (2017年) ※ベスト・アルバム
- I Sometimes Dream of Glue (2018年)[5]
- Setting The Dogs On The Post Punk Postman (2021年)
ソロ・シングル & EP
[編集]- "Off My Rocker at the Art School Bop" (2006年)
- Leeds United EP (2007年)
- "Love Letter To London" (2010年)
- "Rock N Roll Animals" (2013年)
- "Gene Vincent (Rock n Roll Mums and Rock n Roll Dads)" (2013年)
- "Lou Reed, Lou Reed" (2014年)
- "Caravan Man" (2015年)
- Glue E.P (2018年)
サーヴァンツ関連
[編集]- David Westlake – Westlake (1987年)
- The Servants – Disinterest (1990年)
- The Servants – Small Time / Hey Hey We're The Manqués (2012年)
オトゥールズ
[編集]- 『ニュー・ウェイヴ』 - New Wave (1993年)
- 『ナウ・アイム・ア・カウボーイ』 - Now I'm a Cowboy (1994年)
- 『アフター・マーダー・パーク』 - After Murder Park (1996年)
- 『ハウ・アイ・ラーンド・トゥ・ラヴ・ザ・ブートボーイズ』 - How I Learned to Love the Bootboys (1999年)
バーダー・マインホフ
[編集]- Baader Meinhof (1996年)
ブラック・ボックス・レコーダー
[編集]- England Made Me (1999年)
- The Facts of Life (2000年)
- The Worst of Black Box Recorder (2001年) ※アルバム未収録曲集
- 『パッショノイア』 - Passionoia (2003年)
- Life is Unfair (2018年) ※コンプリート・ボックス・セット
コラボレーション
[編集]- Christmas Number One(2007年) ※The Black Arts名義(Black Box RecorderとArt Brutのコラボ)
- The North Sea Scrolls (2012年) ※The North Sea Scrolls名義(Luke Haines, Cathal Coughlan, Andrew Meuller)
- Beat Poetry for Survivalists (2020年) ※ピーター・バック(元R.E.M.)との共作
- All The Kids Are Super Bummed Out (2022年) ※ピーター・バック(元R.E.M.)との共作
著書
[編集]- Bad Vibes: Britpop and My Part in Its Downfall, 2009 (Published by William Heinemann Ltd)
- Post Everything: Outsider Rock and Roll, 2011 (Published by William Heinemann Ltd)
参考文献
[編集]- ルーク・ヘインズ著 『Bad Vibes: Britpop and my part in its downfall』 (Windmill Books、2010年1月、ISBN 978-0099522263)
- ティム・ミッチェル著 『Truth and Lies in Murder Park: A Book About Mr Luke Haines』 (benben press、2009年5月、ISBN 978-0955631948)
出典
[編集]- ^ http://hainesoutsidermusic.blogspot.co.uk/2015/02/preview-new-outsider-music-album.html
- ^ http://thequietus.com/articles/18565-listen-new-luke-haines
- ^ http://www.digitalspy.com/music/news/a802895/luke-haines-new-album-smash-the-system-new-song-marc-bolan-blues/
- ^ http://electronicsound.co.uk/product/es24print/
- ^ “Luke Haines: I Sometimes Dream Of Glue, Limited Edition Vinyl LP - Cherry Red Records” (英語). Cherry Red Records 2018年3月20日閲覧。