一蘭
本社ビル | |
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒810-0801 福岡県福岡市博多区中洲5丁目3番2号 一蘭本社ビル 北緯33度35分35.6秒 東経130度24分16.7秒 / 北緯33.593222度 東経130.404639度座標: 北緯33度35分35.6秒 東経130度24分16.7秒 / 北緯33.593222度 東経130.404639度 |
設立 | 1993年(平成5年)5月 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 4290001006278 |
事業内容 | 天然とんこつラーメン専門店「一蘭」の経営 |
代表者 | 吉冨 学(代表取締役社長) |
資本金 | 4,000万円 |
売上高 | 220億円(2017年(平成29年)12月) |
従業員数 | 社員数 280名・アルバイト数 6,805名(2018年(平成30年)12月時点) |
主要子会社 |
ICHIRAN USA Inc. ICHIRAN Hong Kong Factory Limited |
外部リンク | https://ichiran.com |
一蘭(いちらん)は、株式会社一蘭(いちらん)が展開するラーメンチェーン店である。
歴史
[編集]1960年(昭和35年)、福岡県福岡市百道で創業し、ラーメンの真ん中に唐辛子ベースの赤いタレを浮かせて提供した元祖とされる。
1966年(昭和41年)に福岡県小郡市へ移転し、屋号を「一蘭」と改名して営業を続けた。やがて、初代店主が高齢となって廃業を予定するも現代表に屋号を譲り営業を継続、常連を会員とする全国でもまれな会員制ラーメン店となる。一蘭は「日本初の会員制」と自称している。
1993年(平成5年)9月、現在の「一蘭」第1号店である那の川店が開店し、福岡県内で店舗展開を行う。店主が代わっていることから、1960年(昭和35年)に創業した百道の店ではなく、ここを「発祥の店」としている。「記入式オーダーシステム」「味集中カウンター」は、現在の一蘭になってからである。
2001年(平成13年)、関東地区初となる「六本木大江戸線駅上店」、大阪府、愛知県、熊本県にそれぞれ出店した。
2008年(平成20年)9月、発祥の店舗である那の川日赤通り店と越谷イオンレイクタウン店限定で「天然極上とんこつラーメン」の販売を開始した。同年12月に一部店舗の値上げを実施した。
2009年(平成21年)以降は物販事業にも進出しており、袋麺タイプの「一蘭ラーメン」などをおみやげ商品として店頭・通販サイトにて販売している。
2012年(平成24年)、福岡県福岡市博多区中洲の本社ビルが全面リニューアル。3階から12階までのベランダ部分に赤い提灯を左右4個ずつ計80個吊り下げ、遠隔スイッチでルーレットになっている。客がルーレットを当てるとみやげがもらえる[1]。2012年(平成24年)5月に一部店舗の値上げを実施した。
2014年(平成26年)には、福岡県糸島市にある自社工場に隣接した店舗「一蘭の森店」を開店した。なお、2014年(平成26年)時点は約50店舗[1]である。
2017年(平成29年)5月に一部店舗の値上げを実施した。
2020年(令和2年)1月には札幌市出店で北海道にも進出した[2]。 2021年(令和3年)1月には仙台市出店で東北地方にも進出した。2月には一蘭で初となるカップ麺「一蘭 とんこつ」を発売した(製造はエースコックが担当)[3]。
ラーメン
[編集]食券を求めた後に味・麺の堅さなどを日本語、英語、中国語、韓国語の専用紙で指定する。会員制時代は、客ごとに違えるのは麺の固さとたれの量程度で、店主が全ての客の好みを覚えていたが、不特定多数の客に対応するために導入された。現在[いつ?]は以下の7項目を選択できる。
- 味の濃さ(うす味、基本、こい味)
- こってり度(油の量:なし、あっさり、基本、こってり、超こってり)
- にんにくの量(なし、少々、基本、1/2片分、1片分)- 1片より上を頼む場合(130円の追加料金が必要)は、「+2片」と5つの選択肢の1つに丸をつける必要がある。
- ねぎの種類(なし、白ねぎ、青ねぎ、ミックス)- 白ねぎ・青ねぎの両方に丸を付けるとそれぞれの半分の量が入る。
- チャーシューの「あり」か「なし」- どちらを選んでも料金の変動は無い。
- 秘伝のたれの量(なし、1/2倍、基本、2倍、記入式)- 2倍以上は、たれ2倍分に唐辛子を増やすだけである。1.5倍や0.25倍など規定量より少な目も指定できる。以前は上限が無かったが、現在は20倍までで、11 - 20倍は130円の追加料金が必要である。
- 麺のかたさ(超かた、かため、基本、やわめ、超やわ)
同じ注文をしても店舗ごとに違いが出ず、安定した味を提供するためセントラルキッチン方式とし、専用の工場で製麺などを行っている。
自動券売機の食券購入による前金制だが、箸袋または座席備え付けの注文用紙に品名と料金が印刷されており、自席前方にあるボタンを押して店員を呼び、料金と一緒に提示することで追加注文ができる。福岡のキャナルシティ博多店及び天神西通り店では「重箱どんぶり」が採用されている。 キャナルシティ博多店では和風豚骨ラーメンを唯一提供している。[4]
特徴
[編集]ラーメンの特徴
[編集]- 元祖「秘伝のたれ」
- 唐辛子を基本に三十数種類の材料を調合した熟成だれ。ラーメンの中央にかかっており、用紙で分量を選ぶことができる。
- 一蘭特製生麺
- 小麦粉を独自にブレンドし、製麺機で製麺する。
- 天然とんこつスープ
- とんこつのスープで、独自製法によりとんこつ特有の臭みがないと主張している。セントラルキッチン方式で新鮮なままレトルトパウチで各店舗に直送し、各店舗は加温して提供する。
- チャーシュー
- 豚肩ロースを柔らかくあっさり味に仕上げている。一枚ごとに切り分けて真空パックして各店舗へ配送される。
- ねぎ
- 専属農家と提携したねぎを使用し、青ねぎは、スープをとった後の豚骨ガラをリサイクルして作った肥料「福岡とん骨粉」で栽培した「福岡とんこつネギ」を使用している。
- 麺のための湧き水
- スープ作り、具材の調理、製麺、炊飯、飲料水、麺茹など全てにホシザキ製のろ過装置を通した軟水を使用している。
- トランス脂肪酸ゼロ
- トランス脂肪酸を含まない食用油を全店舗で使用している。
- 天然コラーゲン
- スープは独自製法でコラーゲンが溶け出している。
システム
[編集]「全てのお客様に、とにかく何も気にすることなく無心でラーメンを味わっていただきたい」と語り、カウンター席、暖簾、仕切り、客の好みに応えるための「オーダーシステム」や替玉注文時にチャルメラが鳴る「替玉システム」を、「味集中システム」として特許を取得している[5][6]。近年はブルーオーシャン戦略の手本企業や外食産業の成功例などとして紹介され、「創意工夫に満ちた優れたサービスを提供する企業」として表彰された[7]。
- 「味集中カウンター」
- カウンター席は両横が衝立で仕切られ、ラーメンが提供されたのちに眼前にすだれが下がる仕組みを「味集中カウンター」と名づけ、特許を取得した[8]。なお、複数人での来店の場合など、店舗によっては衝立を外すこともできる。
- 結果的に接触が最小限にとどまることから、新型コロナウイルスのパンデミックが本格化した2020年以降、他の飲食店でも同様の措置を講ずる店舗が見られた[9]。
- 「オーダーシステム」
- 専用の用紙に記入することで、味の濃さなど7項目を指定して注文する。
- 「替玉システム」
- 替玉を注文する際は、替玉プレートを目の前のボタンの上に置くと、チャルメラ音が流れ従業員が替玉プレートを取りに来る。
「一蘭の森」
[編集]福岡県糸島市にあるセントラルキッチンのラーメン生産工場。博物館などを備えた観光施設でもある。2014年(平成26年)に開業し、敷地面積は約9万4000平方メートル[10]。
- 美味しいラーメン生産工場
- とんこつラーメン博物館
- お食事処
- おみやげ販売処
おみやげ
[編集]店頭や通販で購入可能。
- 一蘭ラーメンちぢれ麺 一蘭特製 赤い秘伝の粉付
- 一蘭ラーメンちぢれ麺 一蘭特製 赤い秘伝の粉付 福岡限定
- 一蘭ラーメン 博多細麺ストレート 一蘭特製 赤い秘伝の粉付
- 赤い秘伝の粉
一蘭 とんこつ(カップ麺)
[編集]2021年2月15日発売[11]。製造はエースコック[11]。コンビニや一般小売店でも販売している[11]。
A袋(粉末)・B袋(液体)の2種類のスープ、秘伝のたれと記載されたC袋と麺が入っており、「ラーメン本来の純粋な味わいを楽しんでいただくため」具は一切入っていない[11][12]。
発売から1ヶ月で総出荷数60万食を突破、2ヶ月で100万食を突破した[11][12]。
法令違反
[編集]- 2018年(平成30年)3月6日、大阪府警察南警察署が、一蘭社長の吉冨学と同チェーン店を運営する社員・法人としての一蘭を、出入国管理及び難民認定法違反(不法就労助長)及び労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(雇用対策法)違反容疑で、大阪地方検察庁へ書類送検した[13]。
- 2022年3月29日、一蘭が商品化したカップ麺などで値下げしないよう小売店に圧力をかけた疑いが発覚。公正取引委員会が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)第19条(不公正な取引方法)違反容疑で調査していると報じられた[14]。
脚注
[編集]- ^ a b 土佐っ子&ラーショ愛好會東京支部 (2014). “「ジャンクフード脱洗脳カウンター」で僕らは気づく 一蘭がラーメンを殺したのか?”. 『BUBKA』 (白夜書房) 19: 99 - 101.
- ^ 豚骨ラーメン「一蘭」、北海道初進出 - 日本経済新聞ニュースサイト(2020年(令和2年)1月17日)2020年(令和2年)10月15日閲覧
- ^ “ゲーマー必見!あの人気ラーメン店「一蘭」が遂にカップ麺に!早速購入して「一蘭 とんこつ」を食べてみた!”. Saiga NAK. 2021年2月16日閲覧。
- ^ 一蘭「和風とんこつラーメン」が誕生!「一蘭 キャナルシティ博多店」リニューアルオープン - Yahoo!ニュース(2024年(令和6年)6月24日)2024年(令和6年)6月24日閲覧
- ^ 株式会社一蘭 代表取締役社長 吉冨学 - FM放送ラジオ番組『ベンチャーチャンネル』(2020年(令和2年)10月15日閲覧)
- ^ 特開2005-063009
- ^ “株式会社一蘭 - SPRING”. サービス産業生産性協議会. 2021年3月7日閲覧。
- ^ 店舗システム 出願人:株式会社一蘭 特許第4267981号
- ^ 一蘭の味集中カウンター「コロナの影響あんまりなかった説」を広報に直撃 - 日刊SPA! 2020年7月2日
- ^ 【おもてなし魅せどころ】一蘭の森(福岡県糸島市)ラーメン学び舎、客伸ばす『日経MJ』2020年(令和2年)1月27日(観光・インバウンド面)
- ^ a b c d e “最速レポ!『一蘭』史上初のカップ麺「一蘭 とんこつ」が2月15日より全国発売!”. favy[ファビー]. 2021年4月22日閲覧。
- ^ a b 食品産業新聞社. “出荷数60万食突破、カップ麺「一蘭 とんこつ」店頭販売を順次再開、通販は再入荷分も即完売の話題商品”. 食品産業新聞社ホームページ. 2021年4月22日閲覧。
- ^ “ラーメン「一蘭」社長ら書類送検 不法就労助長の疑い”. 朝日新聞. (2018年3月6日) 2020年10月15日閲覧。
- ^ 「一蘭」の490円カップ麺、値下げしないよう小売店に圧力か…公取委が調査 - 読売新聞オンライン 2022年3月29日
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 一蘭 公式サイト
- 天然とんこつラーメン専門店 一蘭 (@ICHIRANJAPAN) - X(旧Twitter)(2016年5月30日 9:26:45 - )
- 天然とんこつラーメン一蘭 (ramen.ichiran) - Facebook(2011年8月5日 - )
- 一蘭 ICHIRAN【公式】 (@ichiran_jp) - Instagram(2016年4月7日 - )