凝華
表示
凝華(ぎょうか、英語: deposition)とは、元素や化合物が液体を経ずに気体から固体へと相転移する現象。温度と圧力の交点が三重点より下へ来た場合に起こる。
概要
[編集]標準圧では、ほとんどの化合物と元素が温度変化により固体、液体、気体の三態間を相転移する性質を持つ。この状態においては、気体から固体へと相転移する場合、中間の状態である液体を経る必要があるが、一部の化合物と元素は一定の圧力下において、気体と固体間を直接に相転移する。
従来は日本語においては、気体から固体への変化を指す用語として昇華が使用されており、中国語では固体から気体への変化を「昇華」、気体から固体への変化を「凝華」と呼んで区別しており、英語では sublimation が使われるが、気体から固体への変化を特に deposition と呼ぶこともある[1]。
1980年代より気体から固体への相転移に「昇華」を適用する事には疑問の声があり、これについて注釈として補足する教科書があった。また、日本化学会の提言に準拠する形で2022年施行の新課程では「凝華」の記述となっている[1]。
出典
[編集]文献
[編集]- 山崎昶, 幸田清一郎、「お答えします」『化学と教育』 1989年 37巻 1号 p.103-, doi:10.20665/kakyoshi.37.1_103
- 佐藤明子, 細矢治夫、「昇華と凝華」『化学と教育』 2001年 49巻 10号 p.651-654, doi:10.20665/kakyoshi.49.10_651
- 細矢治夫、「「昇華」 の逆は 「凝華」」『化学と教育』 2013年 61巻 7号 p.366-367, doi:10.20665/kakyoshi.61.7_366
- 細矢治夫、「ついに「凝華」が教科書に」 現代化学 2017年9月号 62-63
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 気体から固体への状態変化を何とよぶか? (PDF, 676 KiB) - 実教出版