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利用者:Eugene Ormandy/sandbox38 クラウス・マケラ

少年が来る』とは、ハン・ガンが執筆した小説である[1]光州事件を題材にしている[1]

内容

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民主化を求める市民や学生を軍が武力弾圧し、多くの犠牲者が出た1980年の光州事件を題材にしている[1]。抗争に巻き込まれた学生や家族、そして活動家が何を思っていたのか、どんな風に命を失っていったのか、生存者はその後をどう生きたのかが描かれた[2]

なお、光州は著者ハン・ガンの地元である[1]。ハン・ガンは『朝日新聞』の取材に対し「遺族や生存者へインタビューはしませんでした。傷を開きたくはないと思ったからです。読める資料を全部読むようにしました。事件の資料を1カ月かけて読んだ時は圧倒されました」と語っている[3]

評価

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蜂飼耳は本作について「この小説は割り切れない怒りと悲しみを凝視することをやめない」と評している[4]。また、ソウル市内の小さな独立系書店では、光州事件で市民が最後の抵抗をした5月18日から27日に合わせて、毎晩『少年が来る』の朗読会が行われた[5]

なお、ハン・ガンは2024年にノーベル文学賞を受賞した[1]。翻訳家、文芸評論家の鴻巣友季子はハン・ガンの作品について「民主化運動の光州事件を題材にした『少年が来る』や、古代ギリシャ語を勉強する女性が主人公の『ギリシャ語の時間』など、どの作品も実験性とストーリーテリングが見事にマッチしていて、韓国文学のなかでも一頭地を抜いている」と評している[6]

脚注

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  1. ^ a b c d e 「(社説)ハン氏に文学賞 人間性の本質問い続け」『朝日新聞』朝刊オピニオン2面、2024年10月13日、8ページ。
  2. ^ 「過酷な競争社会を生き抜くヒント BTSらが手にした韓国発“アイドルセラー”6冊」『アエラ』2022年08月22日、64ページ。
  3. ^ 「(インタビュー)暴力に満ちた世界、光は 作家、ハン・ガンさん」『朝日新聞』朝刊オピニオン1面、2024年05月28日、11ページ。
  4. ^ 「(書評)『少年が来る 新しい韓国の文学15』 ハン・ガン〈著〉」『朝日新聞』朝刊読書2面、14ページ。
  5. ^ ノーベル文学賞 作家・韓江さんを支える朗読会」『毎日新聞』2024年10月15日
  6. ^ 「詩の言葉で書く、大きな真実 ノーベル文学賞、語り合う 鴻巣友季子さん、柳原孝敦さん」『朝日新聞』朝刊文化面、2024年10月13日、19ページ。