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呼吸数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

呼吸数(こきゅうすう、: Respiratory rate;ventilatory frequency; respiration rate; rate of breathing; respiratory rate; respiratory frequency; frequency of respiration[1])とは、単位時間当たりに行われる呼吸の数。

概要

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医療看護介護の分野で、患者、利用者の健康状態を把握するためのバイタルサイン・チェック項目のひとつ。血圧脈拍体温とともに数値で計測、判断する。

測定

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呼吸数の測定は、目視や聴診器のほか、心電図で判断する方法などもある。通常、心身ともに安静な状態で測定する。歩行や入浴、各種処置でどのように変化するかを見る場合もある[2]

実際の呼吸数の測定では、胸壁の上下運動を数える。吐く息、吸う息合わせて1回と数える[2]。測定時、年齢、平常時の呼吸の状態、姿勢体位、身体運動や情動の状態、疾患、薬物使用の有無などが影響するため、事前に確認する[2]

正常範囲

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安静時の健康な成人の平均的な呼吸数は、毎分12~20回[3]1回換気量(深さ)は450~500mlである[4]。年齢別平均呼吸数は以下のとおり[5][6]

年齢 回数
6週間(新生児) 30~60回/分
6ヶ月 25~40回/分
3歳 20~30回/分
6歳 18~25回/分
10歳 17~23回/分
成人 12~18回/分[3]
65歳以上の高齢者 12~28回/分[7]
80歳以上の高齢者 10~30回/分[7]

呼吸の観察のポイント

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呼吸の観察では、呼吸の数、その深さ、リズムを見る。測定・観察の際には、以下の点に留意。[8]

脚注

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  1. ^ JST科学技術用語日英対訳辞書 独立行政法人科学技術振興機構
  2. ^ a b c d e f g h i j 「介護職員初任者研修テキスト 第3巻 こころとからだのしくみ」 初版第4刷 p.82 一般財団法人 長寿社会開発センター 発行 介護職員関係養成研修テキスト作成委員会 編集
  3. ^ a b Ganong's Review of Medical Physiology (24 ed.). p. 619. ISBN 0071780033 
  4. ^ 呼吸器系のしくみと働き | WEB PHYSIOLOGY 人体のしくみと働き
  5. ^ Scott L. DeBoer (4 November 2004). Emergency Newborn Care. Trafford Publishing. p. 30. ISBN 978-1-4120-3089-2. https://books.google.com/books?id=TooUSUFZkY4C&pg=PA30 
  6. ^ Wilburta Q. Lindh; Marilyn Pooler; Carol Tamparo; Barbara M. Dahl (9 March 2009). Delmar's Comprehensive Medical Assisting: Administrative and Clinical Competencies. Cengage Learning. p. 573. ISBN 978-1-4354-1914-8. https://books.google.com/books?id=AUhJKmKJ_eEC&pg=PA573 
  7. ^ a b Rodríguez-Molinero A. et al., Normal respiratory rate and peripheral blood oxygen saturation in the elderly population. J Am Geriatr Soc. 2013 Dec;61(12):2238-40.
  8. ^ 「介護職員初任者研修テキスト 第3巻 こころとからだのしくみ」初版第4刷 p.82 一般財団法人長寿社会開発センター発行 介護職員関係養成研修テキスト作成委員会 編集

関連項目

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参考文献

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