基地警備教導隊
基地警備教導隊 Base Defense Development & Training Squadron | |
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![]() 訓練を実施中の基地警備教導隊員 | |
創設 | 2011年(平成23年)3月28日 |
所属政体 |
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所属組織 |
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部隊編制単位 | 隊 |
人員 | 40名 |
所在地 | 茨城県小美玉市 |
通称号/略称 | BDDTS |
上級単位 | 航空総隊 → 航空戦術教導団 |
基地警備教導隊(きちけいびきょうどうたい、英称:Base Defense Development & Training Squadron、略称:BDDTS[1])とは、航空自衛隊百里基地に所在する航空戦術教導団直轄部隊の一つ[2]。部隊の標語は「最尖端」。
概要
[編集]航空自衛隊の各基地を巡回し、基地ごとの特性を踏まえた警備要領を教導する教導部隊で、警備に関係する調査と研究も行う[2]。同じ航空戦術教導団隷下の航空支援隊[注釈 1]とは毎年共同訓練しているほか[3]、陸上自衛隊の中央即応連隊の訓練にも隊員を派遣し[4]、さらに国内外でのアメリカ空軍との共同訓練にも参加するなど、様々な部隊との共同訓練を重ねている[2]。
百里基地基地業務群管理隊隷下には通常の基地警備小隊(基地警備隊)も所在しており、同警備小隊から警備犬が警備の調査研究に協力することもある[5][6][7]。一方で、基地警備教導隊も警備小隊と同じく基地の警備をするとも言われる[8]。
さらに有事では空自が自前の機動部隊として運用し、空自関連施設を防護するための特殊部隊的活動に従事するという話もある[9]。実際に2023年には広島市で行われたG7サミットに合わせ、隊の要員を西部航空警戒管制団整備補給群(福岡県春日基地)に派遣していた[10]。
沿革
[編集]2001年(平成13年)9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件などを契機に航空幕僚監部内で、航空自衛隊の関連施設を標的としたテロ・ゲリラ攻撃から防御する現状の警備体制を疑問視する声が多数を占めた。既存の各基地毎に編成されている基地警備隊では、将来起きる蓋然性が高い事案とされる土台人や工作員等のゲリラコマンドの本格的なテロ・ゲリラ攻撃に人員、技術、装備の全面で対応できないことが判明した為、本格的な専門部隊発足の構想が生まれ、2003年(平成15年)頃から研究が始まった[1]。
2006年(平成18年)3月に基地警備研究班(府中基地)が発足[11]し、当初は2008年(平成20年)3月に入間基地で開隊としていたが、このときは予算等の問題から編成には至らなかった。その後、2010年度予算に「基地警備教導隊(仮称)」の新編が盛り込まれた。
2011年(平成23年)3月28日に航空総隊直轄部隊として、隊長:岡一郎2等空佐以下40名で編成を完結した[11]。当面の任務は「航空自衛隊の各基地を巡回しそれぞれの立地の特性を踏まえた適切な基地警備要領を教育するとともに基地警備に関する調査・研究を行う[11]」としている。
2014年(平成26年)8月1日付で航空総隊直轄部隊から同日付で新編された航空戦術教導団隷下部隊に編入[12]。
部隊編成
[編集]部隊は2等空佐以下40名で構成され、以下で構成される[1]。
- 総括班:部隊の管理を担当。
- 研究班:警備に関する情報収集を担当。
- 教導班:各基地を回って指導する教導役を担当。
主要装備
[編集]- 64式7.62mm小銃
- 20式5.56mm小銃
- 5.56mm機関銃MINIMI
- 9mm機関けん銃
- 9mm拳銃[注釈 2]
- FN 303圧搾空気銃[13](非致死性兵器)
- 88式鉄帽
- タクティカルベスト[注釈 3]
- 野戦迷彩服[注釈 4]
- 軽装甲機動車
- Vision60犬型監視システム(ロボット犬)[7][14][15]
- LRAD長距離音響発生装置[注釈 5]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “制空権を敵に渡さない空自の専門部隊「基地警備教導隊」 地上戦闘能力高める(1/2ページ)”. zakzak:夕刊フジ公式サイト. 2025年1月19日閲覧。
- ^ a b c “基地所在部隊 - 百里”. 百里基地|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊. 2025年1月19日閲覧。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「現地訓練の実施に関する基地警備教導隊一般命令」で検索。2021年度から2023年度に渡り3度同名の命令が出されているが、いずれも航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、保存期間満了後廃棄予定。
- ^ @AsagumoNews52 (2021年6月12日). "#陸自 中即連 新着任者戦力化教育". X(旧Twitter)より2025年1月19日閲覧。
- ^ @jasdf_hyakuri (2020年7月8日). "#管理隊 #警備小隊 。隊員及び来訪者の基地入出門時の点検や受付を始めとして、広大な航空基地を #24時間365日 絶え間なく警戒し、基地内の施設と隊員の安全を守っています。警備小隊は #百里基地 の顔。他の模範となる #挙措容儀 に心掛け、#規律の担い手 として、日々 #厳正 に勤務を行っています。". X(旧Twitter)より2025年1月19日閲覧。
- ^ @jasdf_hyakuri (2019年4月19日). "皆さんこんにちは!". X(旧Twitter)より2025年1月19日閲覧。
- ^ a b @jasdf_hyakuri (2024年3月29日). "#百里基地 では、配備された #ロボット犬「Vision60」の運用方法を研究中です。様々なアタッチメントを装備可能なので、多種多様な用途に使用できます。先輩 #警備犬 のゴゴ号も横で応援していました🐕💕". X(旧Twitter)より2025年1月19日閲覧。
- ^ “コラム|航空自衛隊「百里基地」取材研修 2023”. 自衛隊群馬地方協力本部HP|ちほん日記. 2025年1月19日閲覧。
- ^ “航空自衛隊基地等の警備を担う『基地警備隊』および『基地警備教導隊』とは”. Jieitaisaiyou.com. 2025年1月19日閲覧。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「令和5年度G7広島サミットへの要員差出等に関する基地警備教導隊一般命令」で検索。同命令は防衛省 航空自衛隊航空総隊西部航空方面隊 西部航空警戒管制団整備補給群総務人事班長作成、起算日:2024年04月01日。保存期間満了日:2025年03月31日。満了後廃棄予定。
- ^ a b c “基地警備教導隊が発足 空自”. 朝雲新聞. オリジナルの2011年6月10日時点におけるアーカイブ。 2022年6月24日閲覧。
- ^ “コラム|<解説>航空戦術教導団の新編について”. 防衛省・自衛隊|平成26年版防衛白書. 2025年1月19日閲覧。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「平成27年度小火器整備記録FN-303」で検索。同記録は防衛省航空自衛隊航空総隊航空戦術教導団基地警備教導隊長作成、起算日:2023年04月01日。保存期間満了日:2024年03月31日。満了後廃棄予定。
- ^ @JASDF_PAO (2024年3月1日). "#基地警備教導隊 は、航空基地の警備強化のために犬型監視システムの活用要領を研究しています。#航空自衛隊 は、このような先進技術を積極的に取り入れ、防衛力強化を推進していきます。". X(旧Twitter)より2025年1月19日閲覧。
- ^ “自衛隊「犬型監視システム」を導入します!―あまりにシュールすぎる姿が話題に 警備犬との対峙も”. 乗りものニュース (2024年3月2日). 2025年1月19日閲覧。
- ^ @jasdf_hyakuri (2024年5月31日). "きょうのわんこ🐶". X(旧Twitter)より2025年1月19日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 百里基地HP
- 航空自衛隊百里基地(@jasdf_hyakuri) - twitter